岩井トラディションは、マルス信州蒸溜所にてつくられているブレンデッドウイスキーです。
この記事では、岩井トラディションの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介します。
また、併せておすすめのウィスキーをご紹介します。
読み終わる頃には岩井トラディションが飲みたくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
岩井トラディションの特徴・概要
岩井トラディションは、マルスウイスキーの生みの親である岩井喜一郎氏に基づきます。
本坊酒造のウイスキー造りの創生期を支えた岩井喜一郎氏の功績を讃えるべく、2010年に発売された記念のウイスキーでもあります。
名前の由来は、岩井喜一郎氏から来ています。岩井喜一郎氏はニッカウヰスキーの竹鶴政孝氏と同郷で、しかも同じ大阪高等工業(現大阪大学醸造科)の先輩にあたる人物でもあります。
岩井トラディションの味・香りの特徴
岩井トラディションは、モルトとグレーンのブレンデッドウイスキーであり、比較的モルトウイスキーを多めにブレンドしています。
そのため、柔らかい口当たりのなかにしっかりとした熟成感を味わうことができるのが特徴的です。
日本で1番高い場所にある蒸溜所でつくられているウイスキー
岩井トラディションがつくられている、マルス蒸溜所は中央アルプスの麓、木曽駒ヶ岳村にあります。
そこは標高798mのところにあり、日本で1番高い場所にある蒸溜所でもあります。
そのため、岩井トラディションは自然豊かな場所でつくられていると言えます。
竹鶴ノートから生まれたウイスキー
岩井トラディションは、竹鶴政孝氏がいたことで生まれたウイスキーでもあります。
竹鶴氏は高校卒業すると岩井氏を頼って当時大阪にあった摂津酒造に入社します。
社長である岩井氏が、竹鶴氏に本場のウイスキーつくりを学ばせるようスコットランドに派遣され、学んだことを記録した「実習報告」通称”竹鶴ノート”の清書版を岩井氏に提出していました。その後、岩井氏はこの、ノートを参考に独自のスチルポットを開発しました。
岩井トラディションは、この竹鶴ノートがあったことでつくられたウイスキーでもあります。
岩井トラディションのおすすめの飲み方は「ロック」
岩井トラディションはロックで飲むことをおすすめします。
氷を入れることによって、青みがかったピート香に樹液やレーズンを思わせるツンだ甘さなどがより、感じることができて味わい深くなります。
また、氷が少しずつ溶けだしてから味わいも徐々に変化しますので存分に味わって飲むようにしましょう。
岩井トラディションの種類
ここでは、岩井トラディションの種類についてご紹介します。
各ラインナップを飲み比べることで、味の違いを知ることができますので、より岩井トラディションについて知ることができます。
岩井トラディション
岩井トラディションは、は岩井としてのラインナップはこのスタンダードのボトルになります。
香りはバニラウエハース、焼けた金属、木の皮、レーズン、土っぽさ、干し草、若干のピートを感じさせます。
口に含むと、もったりとしたミディアムボディで、味わいはウエハースやバニラエッセンス、干し柿やローストしたナッツ、甘み控えめの針葉樹の樹液、ドライフルーツになります。
岩井トラディション ワインカスクフィニッシュ
岩井トラディション ワインカスクフィニッシュは、スタンダードの「岩井トラディション」を、山梨マルスワリナリーの穂坂日之城農場で造られた赤ワインに使用した樽にいれて、一年以上追加熟成して造られたボトルです。
香りはドライプラム、オレンジママレード、マスカットなどのフルーティ感、レモングラスのハーブ、なめし革、最後にピート香もしっかり感じ取れます。
口に含むと、とろりとした粘性を感じるボディで、味わいは最初にベリー系の甘みと酸味があります。また、ママレード、エスプレッソのビター、カカオ、バニラエッセンスがあります。
岩井トラディションの歴史
本坊酒造がマルス信州蒸溜所を設立したのは1985年になります。
しかし設立して間もなく、1990年代に入ると焼酎ブームがきたため、日本のウイスキー需要が低迷してしまい、1992年には蒸溜所は蒸留休止へと追い込まれてしまいました。
再稼働するまで19年という長い年月が必要でした。
その間、閉鎖する前に作った原酒を使って、ブレンデッドウイスキーなどをリリースするも中々成果は出ませんでした。
蒸溜所はその間たまにブランデーの蒸溜を行っていた程度だそうです。
そして2000年代に入り国内で起こったハイボールブームにより、2011年に蒸溜所はようやく再稼動することとなりました。
岩井トラディションは蒸溜所の再稼動して2010年にリリースされています。
岩井トラディションの製法
岩井トラディションが造られているマルス信州蒸溜所の設備には、糖化槽はステンレス製(ロイター製)、4.5klのものを使われています。
発酵槽は全て容量7klで鋳鉄製のものが5基、木製のものが3基設置されています。
ポットスチルは、岩井氏が設計した「岩井式」のものになります。
上記で説明した竹鶴ノートの記録を基にウイスキー蒸溜所・ポットスチルの設計を行い山梨工場に設置になります。
使われる麦芽は基本的に英国から輸入しています。種類はノン・ピーテッド、ライトリー・ピーテッド(3.5ppm)、ミディアム・ピーテッド(20ppm)、スーパーヘビリー・ピーテッド(50ppm)の4種類を使っています。
これらの麦芽と岩井式ポットスチルを使うことで原酒の風味を調整して岩井トラディションはつくられているのです。
岩井トラディション好きにおすすめウイスキー
ここでは、マルス蒸留所でつくられているウイスキーをご紹介します。
同じ蒸溜所でつくられていてもボトルによって、さまざまな特徴があるのでウイスキーの奥深さを知ることができます。
マルスウイスキー(マルス エクストラ)
マルスウイスキーは、国内有数の歴史をもつウイスキーでもあります。岩井トラディションもマルスウイスキーがなければ、この世に生まれていませんでした。
スコッチウイスキーを基本としてマルスウイスキーはつくられていて、日本人にも合うように繊細な味わいに仕上がっています。甘くフルーティ・くせなく飲めるので初心者にもおすすめです。
マルス モルテージ 越百 モルトセレクション
マルス モルテージ 越百 モルトセレクションは、マルスウイスキーのブレンド技術で、異なる種類の複数のモルト原酒をヴァッティングさせて複雑さと奥行きを表現したモルトウイスキーです。
オレンジに杏、樽香に混じる薄手の樹液や蜂蜜、麦殻を思わせる香りを感じます。
味わいは、レモン風味の飴玉、軽めのピート香に樽香、オレンジや杏っぽさのあるややプレーンな甘みを感じます。
まとめ
マルス蒸溜所で製造されている岩井トラディションについてご紹介しました。
この蒸溜所は日本一高い場所でつくられているウイスキーです。
また、ニッカウヰスキーの竹鶴政孝氏と同郷で、日本のウイスキーを牽引した人物の記念につくられたウイスキーでもあります。
この記事で興味を持った方は、岩井トラディションを是非ご賞味ください。