アマハガンは、日本で作られているワールド・ブレンデッド・モルトウイスキーです。
この記事では、アマハガンの味わいや香りの特徴、歴史や製造方法などを紹介します。
おすすめの飲み方や種類ごとの特徴を掲載しているほか、記事の最後にはアマハガンがお好きな方におすすめのウイスキーの提案なども行っています。
ぜひウイスキー選びの参考にしてみてください。
アマハガンの特徴・概要
アマハガンは、日本の滋賀県にある「長浜蒸留所」から販売されているワールド・ブレンデッド・モルトウイスキーです。
一見海外産ウイスキーのように見える「アマハガン」というブランド名は、「長濱」をアルファベット「NAGAHAMA」に直し、それを「AMAHAGAN」と逆読みしたことに由来しているという面白いエピソードがあります。
味の特徴
アマハガンはバニラビーンズの入った麦芽クッキーやビターチョコ、カスタードクリームのような甘さがあるウイスキーです。
甘みの中には焼いたオレンジやレモン、グレープフルーツなどの柑橘類や、タバコの葉などの複雑なニュアンスも感じられます。
香りの特徴
アマハガンはウエハースやポン菓子のような甘く香ばしい香りが特徴のウイスキーです。
香りが目まぐるしく変化することが特徴であり、中盤では柑橘のような爽やかな香りが、後半には柔らかでスパイシーなオーク香がそれぞれ感じられます。
喉ごし・フィニッシュの特徴
アマハガンは若い原酒を使用していながらも、アルコールの刺激感を感じさせない柔らかな喉ごしのウイスキーです。
フィニッシュや余韻はスパイシーでピート感があり、オーキーでフルーティーな香りと共に続きます。
アマハガンのおすすめの飲み方は「ストレート」
アマハガンのおすすめの飲み方は「ストレート」です。
様々な樽の個性を生かしたカスクフィニッシュ・ボトルが多いアマハガンを堪能するには、ストレートでそのままウイスキーを味わうのが最適であるといえます。
アマハガンの種類
現在主に販売されているアマハガンは4種です。
アマハガン ワールドモルト Edition No.1
「アマハガン ワールドモルト Edition No.1」は最もスタンダードなアマハガンのボトルです。
このボトルをベースにして、アマハガンのカスクフィニッシュ・ボトルは作られています。
香ばしく甘い麦の風味と柔らかく飲みやすい飲み心地が特徴の、バランスが良く完成度の高いウイスキーです。
アマハガン ワールドモルト Edition No.2 レッドワインウッド フィニッシュ
「アマハガン ワールドモルト Edition No.2 レッドワインウッド フィニッシュ」はEdition No.1をレッドワイン樽で後熟させた、赤ワイン由来の酸味を帯びたフルーティーな香りがあるボトルです。
フルーティーな香味を包み込むようなビターチョコレートの風味と、コクのあるモンブランのような甘さ、渋みを伴った余韻がこのウイスキーでは堪能できます。
アマハガン ワールドモルト Edition No.3 ミズナラウッドフィニッシュ
「アマハガン ワールドモルト Edition No.3 ミズナラウッドフィニッシュ」はEdition No.1をミズナラ樽で後熟させた、お香のような甘い香りがあるボトルです。
フルーツ香を伴ったモルティーな甘みが強いボトルであり、アタックから余韻に至るまで甘みが終始甘い味わいを堪能することができます。
アマハガン ワールドモルト Edition 山桜ウッドフィニッシュ
「アマハガン ワールドモルト Edition 山桜ウッドフィニッシュ」はEdition No.1を日本原産の山桜樽で4ヵ月間後熟させたボトルです。
アマハガン独自のベイクドオレンジや香ばしい黒糖菓子のような風味に加え、桜餅を彷彿とさせる和の趣がある甘いフレーバーを堪能できます。
アマハガンの歴史
1999年創立の小さなビール蒸留所兼レストランだった「長濱浪漫ビール」は、開店20周年を機にウイスキー業界へ参戦することを計画します。
スタッフはウイスキー産業へ参戦するにあたり、スコットランドの新鋭蒸留所を回ってインスピレーションを受けたとされています。
その中でも特に影響を受けたのは2013年に創立した「ストラスアーン蒸留所」であり、この蒸留所で使用されているポルトガルの「ホヤ社」製ポットスチルを蒸留所で採用することになります。
こうした視察と設備の試行錯誤の末、2016年にウイスキー作りが可能な「長濱蒸留所」は誕生しました。
創業から間もない蒸留所ですが現在「日本で最も規模の小さい蒸留所」として、ウイスキー業界関係者から注目される蒸留所のひとつとなっています。
アマハガンの製法
長濱蒸留所はアマハガンのノンピート原酒とピーテッド原酒を、交互に生産する形で稼働しています。
麦芽の仕込みに使われるのは、「植物の聖地」として知られる伊吹山の雪解け水です。
ステンレス製の糖化槽・発酵槽を使って作られたもろみはアランビック型のポットスチル三基で蒸留され、その後バーボン樽やシェリー樽に詰められて出荷の時を待つのです。
アマハガン好きにおすすめのウイスキー
ここではアマハガンの次に飲みたいウイスキーを3つ紹介します。
アマハガンを生産している長濱蒸留所と富山にある三郎丸蒸留所がコラボして開発したクラフトウイスキーや、長濱蒸留所にゆかりのある「ストラスアーン蒸留所」のウイスキーなどを取り揃えました。
ぜひウイスキー選びの参考にしてみてください。
FAR EAST OF PEAT SECOND BATCH
アマハガンを生み出した長濱蒸留所は、富山県にある「三郎丸蒸留所」と原酒をコラボさせた「FAR EAST OF PEAT SECOND BATCH」を2021年3月30日に発売しています。
こちらはピート感のあるウイスキーがお好きで、かつアマハガンの次に飲むウイスキーをお探しの方にはおすすめだといえます。
長濱蒸留所のライトリーピーテッド・モルト原酒と三郎丸蒸留所のへビリーピーテッド・モルト原酒、そしてスコッチ・モルト原酒をヴァッティングさせて仕上げたピート感の強いクラフトウイスキーです。
INAZUMA ブレンデッドモルト エクストラセレクテッド
2021年3月30日発売の「INAZUMA ブレンデッドモルト エクストラセレクテッド」も、長濱蒸留所と三郎丸蒸留所が共同で開発したクラフトウイスキーです。
このウイスキーはピート感が「FAR EAST OF PEAT SECOND BATCH」より弱いため、アマハガンの次に飲むウイスキーをお探しの方の中でも、特にノンピート・ウイスキーがお好きな方におすすめです。
青リンゴを思わせる爽やかなフルーツ香とバニラやモルトの甘み、フィニッシュ時に現れるビターな味わいが特徴のウイスキーです。
ストラスアーン シングルモルト001
アマハガンの次に飲みたいウイスキーをお探しの方には、長濱蒸留所が視察に訪れ同じポットスチルを採用した「ストラスアーン蒸留所」の「ストラスアーン シングルモルト001」もおすすめです。
オイリーでアルコール感のある喉ごしとシェリー樽由来のフルーティーな甘さ、黒胡椒のようなピリピリとしたスパイシーな味わいが堪能できます。
日本では現在流通していないボトルであるため、やや入手は困難です。
まとめ
この記事では滋賀県の「長濱蒸留所」で作られている、アマハガンを紹介しました。
柔らかな喉ごしとスパイシーかつ香ばしく甘い複雑な味わいが特徴のこのウイスキーが気になった方は、ぜひご賞味されてみてください。