タラモアデューは、ジェムソンに次いでアイリッシュウイスキーの売り上げ第2位を誇る人気銘柄です。
この記事では、タラモアデューの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介します。
記事の最後には、タラモアデューが好きな方におすすめのウイスキーも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
タラモアデューの特徴・概要
タラモアデューは、アイルランドで生産されているアイリッシュウイスキーです。
No.1アイリッシュウイスキーのジェムソンに次ぐ売り上げを誇るタラモアデューは、ピートを焚いていないため、スッキリとしていて飲みやすいのが特徴です。
また、モルトウイスキー、ポットスチルウイスキー、グレーンウイスキーの3種類の原料を使用しアイリッシュウイスキーの伝統製法である3回蒸留を行っています。
味・香りの特徴
タラモアデューは、フルーティな香りや南国系フルーツの甘み、穀物由来の甘みが特徴です。
ウイスキー特有のスモーキーでピーティーなクセがないため、飲み慣れていない方にもおすすめです。
タラモアデューの名前の由来とキャッチコピー
タラモアデューを英語表記にすると「TULLAMORE DEW」となります。
TULLAMOREはアイルランドの地名ですが、DEWの由来はタラモアデューを開発した「Daniel Edmond Williams」の頭文字から来ています。
また、DEWは英語で「露」という意味も持っており、これを掛け合わせて命名されたとされています。
当時、売り出されたときのキャッチコピーは、「Give every man his dew」で、このキャッチコピーがアイルランド中で大好評となり、タラモア蒸留の大躍進にも繋がりました。
タラモアデューのおすすめの飲み方はストレート
タラモアはどんな飲み方でも美味しく飲めますが、おすすめの飲み方はストレートです。
オイリーな口あたりで、パイナップルやバナナといった南国系フルーツのフルーティな風味や穀物由来の甘い味わいをしっかりと感じます。
ロックにすると味がギュッと凝縮されフルーツ系の味が濃くなり、水割りにすると香りは弱くなりますが甘味が強くなります。
また、ハイボールだと柑橘系のサッパリとした風味になります。
クセがなく飲みやすいウイスキーなため、まずはストレートからお試しください。
タラモアデューの種類
タラモアデュー
タラモアデューは、ラインナップされている中のスタンダードボトルです。
香りは、パインやレーズン、イチジクのようなフルーティな香りと、サツマイモのような香りを感じます。
口あたりは滑らかでオイリー、パイナップルのフルーティな味わい、バナナやナッツの甘み。
穀物の甘みを感じるアイリッシュウイスキーらしいボトルです。
タラモアデュー12年
タラモアデュー12年は、バーボン樽とシェリー樽で12~15年熟成した原酒をブレンドしています。
ノンエイジボトルの「タラモアデュー」に比べ、熟成年数が長いだけあって風味に深みが増しているのが特徴です。
香りは、パイナップルやバナナといった南国系フルーツの果実味溢れる風味を感じ取れます。
味わいは、南国系フルーツのフルーティな味わい、ビターチョコのような苦み、それから甘みを感じます。
熟成年数が12年とはいえ、甘味が強く濃厚でしっかりしたボディです。
タラモアデュー14年 シングルモルト
タラモアデュー14年 シングルモルトは、3回蒸留のシングルモルトをバーボン樽で14年熟成したのち、オロロソシェリー樽とポート樽、マデラ樽で8ヶ月後熟させています。
手の込んだボトルで、タラモアデュー12年との違いはシングルモルトであることです。
香りは、チェリーやリンゴのようなフルーティでフレッシュの香り。
口あたりは滑らかで甘く、アルコールの刺激を感じません。
シングルモルトはクセが強いイメージがありますが、フルーティな風味が特徴なため飲みやすくストレートでも美味しく味わえます。
タラモアデュー フェニックス
タラモアデュー フェニックスは、タラモアの街の歴史と人々を立てるためにリリースされたボトルです。
フェニックスの名前の由来は、1785年に起きた熱気球の墜落事故により130軒の家が燃える大惨事によるものです。
灰の中から復活してほしい、飛び立って欲しいというところから、フェニックス(不死鳥)の名前になり、箱にはフェニックスの絵柄が記載されています。
香りは、ミディアムボディで独特なシェリー樽由来のレーズンの香りを感じます。
味わいは、アルコール度数が55%と高いためスパイシーな刺激を感じますが、シェリー樽由来のフルーティな甘みを感じるため調和がとれています。
タラモアデュー サイダーカスク
タラモアデュー サイダーカスクは、シードルと呼ばれるリンゴ酒で貯蔵した樽で後熟させています。
シードルは、英国ではサイダーとも呼ばれるためサイダーカスクとなっていますが、「タラモアデュー シードルカスクフィニッシュ」とも呼ばれます。
香りは、リンゴやレモンピールといった甘くフルーティな香りを強く感じます。
味わいは、しっかりとしたボディでスパイシー、爽やかでフルーティな味わいが特徴です。
スモーキーなフレーバーや刺激のない、甘くフルーティな風味は女性にもおすすめです。
ハイボールで飲むとフルーティな風味に炭酸がマッチしてゴクゴク飲めてしまいます。
タラモアデュー蒸留所・歴史
タラモアデューは、1829年にマイケル・モロイによってアイルランドのタラモアに蒸留所が設立されたのが始まりです。
その後、1857年にマイケル・モロイの甥であるバーナード・デイリーに引き継がれます。
バーナード・デイリーは経営に興味がなかったため、14歳から蒸留所で働き始めていたタラモアデューの生みの親、「ダニエル・エドモンド・ウィリアムス」に経営権が渡ります。
彼の名前からとったタラモアデューは、アイルランドで大好評となりました。
しかし、1954年に入るとアメリカでの禁酒法、アイルランドでの独立によるイギリスへの輸出の禁止といったさまざまな要因により蒸留所は一時閉鎖となりました。
また、タラモア蒸留所だけではなく、アイリッシュウイスキーやウイスキー界全体の売り上げが低迷し、市場全体が衰退していきました。
1966年には、パワーズ&サン社にブランドを売却し、ジェムソン、ジョン・パワー、コークが合併したアイリッシュ・ディスティラリーズを設立。
1970年代には、タラモア蒸留所を完全に閉鎖し、ミドルトンに建設された新しい蒸留所で生産を開始しました。
2010年には、ウィリアム・グラント&サンズ社がタラモアデューを買収し、巨額な投資されるようになりタラモアデューの新しい蒸留の建設が始まります。
2014年には、タラモアに蒸留所が新設され、約60年ぶりにタラモアでウイスキーの生産が再開されました。
タラモアデューの製法
タラモアデューは、モルトウイスキー、グレーンウイスキー、ポットスチルウイスキーの3種類の原酒をブレンドしています。
モルトウイスキーは大麦麦芽が原料、グレーンウイスキーはトウモロコシやライ麦、ポットスチルウイスキーは、未発芽の大麦と大麦麦芽の両方を原料としています。
3種類の原料を全て3回蒸留し、敷地内の貯蔵庫で熟成しています。
タラモア蒸留所はアイルランドで唯一、製造からボトリングまでといった工程を一貫してできる珍しい蒸留所です。
タラモアデュー好きにおすすめのウイスキー
タラモアデューが好きな方におすすめのウイスキーを紹介します。
タラモアデューの特徴である「フルーティな香り」や「南国系フルーツの風味」を基準に選びました。
カネマラ オリジナル
カネマラオリジナルは、アイリッシュウイスキーですが、「アイリッシュウイスキーの革命児」とか、「アイリッシュウイスキーの異端児」などと呼ばれています。
その理由は、原料にピーテッド麦芽を使用しているからです。
通常、アイリッシュウイスキーはノンピーテッド麦芽を使用しているため、スコッチウイスキーのようなピート香やスモーキーな風味を感じないのが特徴です。
しかし、カネマラはスモーキーな風味に加え、アイリッシュウイスキーらしい軽やかな口あたりを実現しています。
香りは、南国フルーツのフルーティな香り、スモーキーフレーバーに土っぽい香り。
味わいは、口含むとスモーキーな風味が広がり、その後からナッツやバニラの甘みを感じます。
アイリッシュウイスキーらしくないスモーキーフレーバを感じるため、少しクセを感じます。
ナッポーグ・キャッスル12年
ナッポーグキャッスル12年は、キャッスル・ブランド社がリリースしているアイリッシュウイスキーです。
ボトル名は、樽をナッポーグキャッスル城の倉庫で熟成していることから、ナッポーグキャッスルと命名されました。
香りは、洋ナシやパイナップル、白桃といったフルーティで甘い風味。
味わいは、バナナやキウイ、オレンジやグレープフルーツといった柑橘系の味わいとなっています。
まとめ
タラモアデューは、南国系フルーツの風味や穀物由来の甘みを感じるアイリッシュウイスキーです。
ジェムソンに次ぐ第2位の売り上げを誇るタラモアデューは、ストレート、ロック、水割り、ハイボールとさまざまな飲み方でもスイスイ飲めてしまうほど、飲みやすいのが特徴です。
値段も2000円台と高くないので、気軽に楽しめます。