テンプルトンは、アメリカのインディアナ州にある「MGP社」で作られているライ・ウイスキーです。
この記事では、テンプルトンの味わいや香りの特徴、歴史や製造方法などを紹介します。
おすすめの飲み方や種類ごとの特徴を掲載しているほか、記事の最後にはテンプルトンがお好きな方におすすめのウイスキーの提案なども行っています。
是非ウイスキー選びの参考にしてみてください。
テンプルトンの特徴・概要
テンプルトンは、アメリカのインディアナ州にある「MGP社」で蒸留されているライ・ウイスキーです。
2018年にアイオワに新たな蒸留所「テンプルトン・ライ蒸留所」が完成し、今後の蒸留はここで行われます。
かの有名なギャングスター「アル・カポネ」が愛したことから、アメリカでは非常に有名なウイスキーです。
味の特徴
テンプルトンはパンのような香ばしい独特の風味を持ったウイスキーで、スパイシーなものが多いライ・ウイスキーとしてはやや甘めの仕上がりです。
パンのほかにはナッツやハチミツ、リンゴなどの風味も、このウイスキーからは感じられます。
香りの特徴
ライ麦をふんだんに使用したテンプルトンには、素材由来のライ麦を香ばしくパンにしたかのような香りがあります。
90%以上ライ麦を使用した本格的なライ・ウイスキーだからこそ生み出されるこの香りは、多くのウイスキーファンを魅了しています。
喉ごし・フィニッシュの特徴
テンプルトンにはアルコール独特の刺激が一切なく、スムースな口当たりと喉ごしはウイスキーの中ではこの上ないものです。
フィニッシュは長く、干しイチジクやリンゴ、焦がした樽の香味がじんわりと続きます。
テンプルトンのおすすめの飲み方は「マンハッタン」
テンプルトンのおすすめの飲み方は「マンハッタン」です。
白ワインベースの「スイート・ベルモット」と苦味のある「アンゴスチューラ・ビターズ」という2種のリキュールに、テンプルトンを割り入れて作ります。
これは「カクテルの女王」と呼ばれるライ・ウイスキー王道の飲み方で、甘さの中にほんのりとした苦味がある気品に溢れた大人の味に仕上がります。
また、テンプルトンには加水すると香りが際立つ性質があるため、ロックやトワイスアップ、ハイボールなどにしても美味しく飲むことが出来ます。
テンプルトンの種類
現在主に販売されているテンプルトンは主に4種です。
テンプルトン ライ4年
「テンプルトン・ライ4年」は最もスタンダードなボトルです。
パンのような香ばしい独特の風味とスムースな口当たりがあり、スパイシーなものが多いライ・ウイスキーとしてはやや甘めの仕上がりとなっています。
テンプルトン ライ スモールバッチ
「テンプルトン・ライ スモールバッチ」は、初代ラベルを貼られたテンプルトン・ライ4年のボトルです。
ラベルが変化した現在は入手困難となっており、やや価格があがっている模様です。
味については「テンプルトン・ライ4年」と大差はありません。
テンプルトン ライ6年
「テンプルトン・ライ6年」は通常より長い6年間じっくりと、アメリカン・ホワイトオーク樽で熟成されたボトルです。
ライ麦特有の香味に加え、ハチミツの甘さやフルーツ・ショウガの香り、オーク樽の風味が感じられる味わいとなっています。
フィニッシュには独特のダークチョコレートのような香味があり、テンプルトンらしさに加えさらに深みと複雑さが加わったウイスキーであるといえます。
テンプルトン ライ バレルストレングス
「テンプルトン・ライ バレルストレングス」は選別された最高の熟成感を持つものをボトリングした、一年に一度しか発売されない至高の限定ボトルです。
洋梨やショウガ、ローストアーモンドなどの濃厚なアロマと、焦がしたオーク樽の香ばしさが調和したフルボディタイプのウイスキーに仕上がっています。
テンプルトン蒸留所の歴史
元々テンプルトンは1920年の禁酒法時代に、アイオワ州にある人口わずか360人ほどの町「テンプルトン」でひっそりと密造されていたブランドです。
しかしその品質の良さに惚れ込んだ、当時のギャングスター「アル・カポネ」の手によってテンプルトンはニューヨークやシカゴへとその流通を拡げていきました。
現在のテンプルトンが生まれたのは、2001~2006年頃のことだとされています。
アイオワンのスコット・ブッシュは、禁酒法時代に飲まれたテンプルトンを復活させようとそのレシピを知るものを探し出し、パートナーシップを結びました。
これによりテンプルトンは市場製品として復活し、2006に初めての製品が市場に出荷されることになりました。
2018年までのテンプルトンは、インディアナ州のローレンスバーグにあるMGP社が蒸留・作成したバレルをアイオワ州に運び、その後ケンタッキー州ミルヴィルにあるクランドン・フレイヴァーズ社のアルコール・フレイヴァリング・フォーメーションを追加してボトリングされていました。
2018年以降テンプルトンの蒸留・作成は、アイオワに完成した新たな蒸留所「テンプルトン・ライ蒸留所」で行われていく予定となっています。
テンプルトンの製法
最低51%程度しかライ麦が使われていない他社ライ・ウイスキーに対し、テンプルトンは原料材の90%以上がライ麦です。
蒸留には、ライ・ウイスキーでは非常に稀有な銅製ポットスチルが使われます。
ステンレス製のポットスチルは、ウイスキーの発酵するときに出来る硫化香を残す造りとなっていますが、銅製ポットスチルはしっかりとそれを取り除くことが出来ます。
そのためテンプルトンは癖が少なく発酵臭のないウイスキーに仕上がるのです。
濃厚なライ麦の旨味を蒸留によって凝縮されたライ・ジュースは、ヘビーチャーしたアメリカン・ホワイトオークの新樽で、法律で定められた最低熟成期間よりも長い4~6年の間じっくりと熟成されます。
アメリカン・ホワイトオークで作られた新樽は熟成が早く、かつ甘く力強い香りをテンプルトンに与え、通常より長い熟成期間は独特のスムースな飲み心地を生み出すのです。
テンプルトン好きにおすすめウイスキー
ここではテンプルトンがお好きな方におすすめのライ・ウイスキーを3つ紹介します。
通常よりも少し甘めの味わいが特徴の、テンプルトンに似たウイスキーを取り揃えました。
是非ウイスキー選びの参考にしてみてください。
エズラブルックス ライ
「エズラブルックス ライ」はテンプルトンと同じMGP社のライ・ジュースを使用したボトルです。
ドライでスパイシーでありつつもライ麦の穀物感が強く、プリンのカラメルソースのような甘味が堪能できるウイスキーに仕上がっています。
ミクターズUS1 シングルバレル ライウイスキー
「ミクターズUS1 シングルバレル ライウイスキー」は「アメリカで初めて作られたウイスキー」として有名なボトルです。
キャラメルのような味わいの中にスパイシーさがあり、かつ非常にまろやかな高級ライ・ウイスキーに仕上がっています。
製造元であるミクターズ蒸留所はあえて倉庫内の温度を上げたり、樽を二段階に分けて焦がしたりすることによって、糖度とまろやかさを飛躍的に上げたウイスキーの生産に成功しています。
ズイダム ミルストーン100 ライウイスキー
「ズイダム ミルストーン 100ライウイスキー」は100%ライ麦で作られた、オランダ産のライ・ウイスキーです。
フルーツや甘いハチミツのような深く甘い味わいのあるボトルで、スパイシーさと甘さのバランスが良く、味の好みを問わず様々な人に愛されています。
まとめ
この記事ではアメリカのインディアナ州にある「MGP社」で蒸留されている、テンプルトンを紹介しました。
禁酒時代のギャングスターをも虜にした、甘さとスムースな口当たりが特徴あるこのウイスキーが気になった方は、是非ご賞味されてみてください。