イーガンズは、アイルランドで6世代に渡って継承されてきた伝統的な高級ウイスキーです。この記事では、イーガンズの味わいや特徴、歴史、製造方法などをご紹介します。
イーガンズの代表的なラインナップもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
イーガンズの特徴・概要
イーガンズは、奥行きのある深い味わいとフルーティーで芳醇な香りが特徴です。さらに、アイリッシュウイスキーの特徴である軽い口当たりで飲み易さも抜群です。
170年もの歴史のあるイーガンズは、高級ウイスキーの代名詞とも言える老舗ブランドでしたが、1度その歴史に幕を下ろしてしまいました。
そして2013年に見事復活を遂げ、伝説のウイスキーと呼ばれています。
味わいや香りの特徴
イーガンズは、アイリッシュウイスキーの飲み易さと複雑ながらも重くなりすぎない完成度の高い風味が特徴です。
原酒選びと熟成樽に徹底的にこだわったイーガンズは、深みのあるアロマティックな味わいとドライフルーツのような凝縮された旨味と甘味も感じることができます。
幾層にも重なる繊細な風味が高級な味わいを生み出しています。
独特なスモーキーさを持つピート(泥炭)を使用していないイーガンズは、ウイスキー初心者の方にもぴったりな銘柄です。
イーガンズのオススメの飲み方はストレートとカクテル
イーガンズの飲み方はストレートやカクテルがオススメです。
イーガンズの特徴はアイリッシュウイスキーのフルーティーで軽やかな口当たりと深みのある豊かな香りです。
ストレートでは、イーガンズの繊細な香りや濃厚な風味から、フローラル系の穀物の香り、蜂蜜やドライアプリコットを思わせるようなねっとりとした甘みやほんのりバニラのアロマを感じられます。
アイリッシュコーヒーもおすすめ
ピート香のクセの少ないイーガンズはどんな割り材と合わせても邪魔することなく、カクテルにしても高い応用力を発揮します。
そのカクテルの中でも特にオススメの飲み方は、アイリッシュコーヒーというカクテルです。
コーヒーのビターな味わいにイーガンズのアロマティックで濃厚な風味が混ざり合い、甘く滑らかなフレーバーを楽しむことができるでしょう。
どのような飲み方でもイーガンズの美味しさを感じられる為、ウイスキー初心者から愛好家まで幅広く楽しめます。
イーガンズの種類
イーガンズ フォーティテュード
イーガンズフォーティテュードは、ペドロヒメネスのシェリー樽で熟成させたジングルモルトウイスキーです。
フルーティーで飲みやすいですが、ドライフルーツを思わせる重厚感のある濃厚な甘みと豊かな風味が特徴となっています。
カスクフィニッシュという熟成後に別の樽に移し替えてさらに熟成させる製法で造られている為、他のイーガンウイスキーにはない複雑で個性的な味わいとなっています。
イーガンズの中でも人気の銘柄で、初めてイーガンを飲む方にオススメです。
イーガンズ ヴィンテージ・グレーン
イーガンズヴィンテージ・グレーンは、アメリカンオークのバーボン樽を使って8年以上熟成されたグレーンウイスキーのイーガンズとなっています。
華やかな風味とスッキリとした口当たりでクセが少ないことから、様々な素材との相性が良いため各種カクテルのベースとして使用されることも多い銘柄です。
カクテル好きな方や、色々なイーガンズの飲み方を楽しんでみたい方は試してみるといいでしょう。
イーガンズ コンヴィクション
イーガンズコンヴィクションは、10年以上熟成させたシングルモルト原酒とシングルグレーン原酒をブレンドし、XOコニャックの古樽で後熟させたイーガンズです。
アイリッシュウイスキーでは珍しいXOコニャック樽での熟成で、ナッツのような香ばしい風味と柑橘ピールのほろ苦さを感じるような味わいになっています。
イーガンズの特徴でもあるノンピート麦芽を使用しているため口当たりは軽やかですが、XOコニャック樽でのフィニッシュでスパイシーさと重厚感のある1本に仕上がります。
幾層にも重なった完成度の高い深い味わいで、ワンランク上のイーガンズを堪能してみたい方にピッタリです。
イーガンズ エンデヴァー
イーガンズエンデヴァーは、製麦の際にピートを焚き、アメリカンオーク樽、バーボン樽、オロロソシェリー樽、インペリアル・スタウト樽の4種類の樽を使用した新時代のイーガンズです。
ノンピートが特徴のイーガンズですが、エンデヴァーではあえてピートを焚いたスタイルで、170年の伝統を基軸にしながらも時代を先駆けるような革新的な新作イーガンズとなっています。
4種の樽がもたらす味わいは個性的で、バニラやシナモンなどのスパイシーな香り、コーヒーやチョコレートのようなコク深い風味に少しとろみのある口当たりが特徴です。
また、赤みの強い美しい琥珀色も魅力的です。
ほのかなピート香がアロマティックさをプラスし、奇跡的なバランスを持った銘柄となっています。
ピート香が苦手ではない方は試してみてください。
イーガンズ レガシー・リザーブ
イーガンズレガシー・リザーブはアメリカンバーボン樽で15年以上熟成させたシングルモルトウイスキーを、さらに毎年違った樽で後熟させた味わい深いイーガンズとなっています。
世界限定1000本という貴重なイーガンズということで日本国内で出回っている数は限られていますが、イーガン家の歴史と伝統を重んじるようなプレミアムな銘柄です。
アメリカンオーク樽で16年熟成させたのち、フランス産バニュルスワインの樽で後熟成させたイーガンズレガシー・リザーブは、チョコレートの香ばしさとアロマが漂い、コクのある滑らかな口当たりが特徴です。
ワイン樽でフィニッシュさせたことでフルーティーさもあり、ほのかにカシスの風味を感じることが出来る贅沢な仕上がりになっています。
長く余韻を楽しめる為、ゆったりとじっくりと味わっていてはいかがでしょうか。
イーガンズの歴史
イーガンズは、パトリック・イーガンが1852年にアイルランドの中心部タラモアで創業した P.&H.Eagan Ltd.(ピー・エイチ・イーガン)が起源です。
小売事業を営む会社であり、ウイスキーの製造・販売も行っていました。
ウイスキーのボトラーズ会社として高級ウイスキー「Eagan's No.5」と「Eagan's No.8」を発売したことを皮切りに、イーガンズウイスキーが世界中に知れ渡ることになります。
しかし、1968年に不況などの時代背景からその歴史に幕を閉じました。
それから45年後の2013年にイーガン家の6代目となるジョナサン・イーガンが、従兄弟らと共にブランドを復活させました。
6代に渡り受け継がれてきた伝統的なイーガンズウイスキーの製造技術により、復活後も世界的に人気を博しています。
こだわりは原酒と熟成樽選びとノンチルフィルタード製法
イーガンズの魅力を最大限に引き出す為に徹底的にこだわっているのが原酒と熟成樽選びです。
卓越した審美眼により見極められた上質な原酒を、ペドロ・ヒメネスという非常に甘みの強いシェリー酒の樽などの個性的な樽で熟成しています。
一般的な蒸溜所で使用される樽とは少し違う樽で熟成することにより、イーガンならではの深みのある高級な味わいに仕上がります。
さらにノンチルフィルタード製法という冷却濾過を行わない製法で、旨味や香りを逃さず凝縮させ、イーガンの魅力の1つである美しい琥珀色を引き出しています。
伝統製法を重んじつつも常識に囚われない表現方法がイーガンの高い技術力です。
イーガンズ好きにおすすめのウイスキー
イーガンズがお好きな方にオススメのウイスキーをご紹介します。
イーガンズの「繊細で奥行きのある豊かな香り」、「口当たりの良さと飲みやすさ」、「熟成樽へのこだわり」という特徴を基準に選びました。
ブッシュミルズ シングルモルト16年
ブッシュミルズシングルモルト16年は、アイルランド島の北端の冷たい海に面したアイルランド・アントリム州に蒸溜所を構えるブッシュミルズ蒸溜所で造られている歴史のあるアイリッシュウイスキーの1つです。
アイルランド産のノンピート麦芽を使用しており、軽やかでスムースな口当たりが特徴となっています。
オロロソシェリー樽とバーボン樽で長期熟成した原酒をブレンディングし、さらに6〜9ヶ月の間ポートワイン樽で後熟。
甘くスパイシーな香りと、ナッツやチョコレートのような深いコクのある味わいです。
イーガンズのノンピート由来の軽やかな飲み口と熟成樽で生まれる深い味わいがお好きな方であれば、満足していただけるボトルです。
グレンゴイン12年
グレンゴインは、ハイランドとローランドの境界線に建っている珍しい立地の蒸溜所で、全てノンピート麦芽を使用し造られているシングルモルトウイスキーです。
熟成にヨーロピアンシェリー樽とアメリカンバーボン樽を使用しています。
ココナッツやバニラのような甘さの中にりんごやオレンジのようなフルーティーな香りを感じ、レーズンやプラムなどのドライフルーツのような深い味わいが楽しめます。
柔らかくクセが少ないですが、味わい深いウイスキーなのでストレートでゆっくりじっくり楽しむのがオススメです。
まとめ
イーガンズは、アイルランドで6世代に渡り受け継がれる伝統の深い高級ウイスキーです。
フルーティーな香りで口当たりの軽いイーガンズは世界中から愛される人気のアイリッシュウイスキーとなっています。