フェッターケアンは、フェッターケアン蒸溜所でつくられるシングルモルトウイスキーです。
この記事では、フェッターケアンの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介します。
また、併せておすすめのウイスキーをご紹介します。
読み終わる頃にはフェッターケアンが飲みたくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
フェッターケアンの特徴・概要
フェッターケアン蒸溜所は東ハイランドで操業を続けている数少ない蒸溜所のひとつです。
近年ではインディペンデントボトラーからのリリースがめっきり減っているシングルモルトです。
フェッターケアンは、ゲール語で「斜面の上の森」という意味になります。
フェッターケアンの味わいや特徴
フェッターケアンは、東ハイランド産にあるフェッターケアン蒸溜所でつくられているシングルモルトウイスキーです。
このウイスキーは、麦芽の甘い香りを放ち、ナッツのような風味とテクスチャーを持っていることが特徴です。
グレンリベット蒸溜所に次いで政府認可を受けた蒸溜所
フェッターケアン蒸溜所は、新税制が導入された翌年の1824年に政府から認可を受けてウイスキーつくりをしています。
最初に政府認可を受けたのは、グレンリベット蒸溜所ですが、フェッターケアン蒸溜所が政府認可を受けてから、次第に認可を申請する蒸留所が増えていきました。
フェッターケアンのおすすめの飲み方は「ストレート」
特徴的な香りがあるフェッターケアンはストレートで飲むことをおすすめします。
ロックにしてしまうと香りが薄れてしまうので、ストレートが良いでしょう。
香りが貯まりやすいグラスについで、じっくりと香りを楽しみましょう。
その後、少しずつ加水をして自分好みの濃さにするようにしましょう。
フェッターケアンの種類
ここでは、フェッターケアンの種類についてご紹介します。
各ラインナップを飲み比べることで、味の違いを知ることができますので、よりフェッターケアンについて知ることができます。
フェッターケアン12年
フェッターケイアン 12年は、バーボン樽熟成由来のバニラ香と麦芽の甘さが特徴です。
香りは、はじめにナッツの香ばしさが強く感じられます。
ピスタチオの皮、カシューナッツを合わせてような香りです。また、かすかにパイナップル、バターキャンディもあります。
味わいは、とても軽快でスムースですごく飲みやすいです。複雑さは無く、ほんの少しバニラのような甘さもあります。
フェッターケアン フィオール
フェッターケアン フィオールの、「フィオール」とはゲール語で「純粋」「真実」という意味になります。シェリー樽とファースト・フィルのバーボン樽で熟成させた15年熟成原酒60%、14年熟成原酒25%と、ヘビー・ピートの5年熟成原酒15%をブレンドさせてつくったボトルです。
香りは、ダークチョコやコーヒー豆、ピートスモークになります。
味わいは、カカオバター、アーモンドチョコレート、生ゴムのようなサルファリー系のフレイバーを強く感じます。
フェッターケアン16年
フェッターケアン 16年は、「12年」と「22年」の間がなかったので、間を埋めるために近年リリースされたボトルになります。
ファーストフィルのバーボン樽で熟成され、最後の2年でシェリー樽とポートワイン樽でカスクフィニッシュさせています。
味わいは、バニラやショウガ、レーズンのような奥深さがあります。
フェッターケアン22年
フェッターケアン 22年は、「16年」ものよりさらに熟成年数を重ねたボトルになります。
味わいは、バナナなどや柑橘類を感じさせ、後からレーズンやイチジクを感じさせます。
また、スパイスさのある西洋ナシや、オレンジなどもあります。
フェッターケアン28年
フェッターケアン 28年は、「12年」と同じくバーボンカスク熟成で28年以上熟成させたボトルになります。
味わいは、「12年」より奥深くなり、軽快でスムースがなくなっています。
味わいは、柑橘類やバナナを最初に感じさせ、後からレーズン、イチジクとジンジャー・パンなどが組み合わさったような味わいがあります。
フェッターケアン28年 1998 ウイスキーエージェンシー
フェッターケアン28年 1998 ウイスキーエージェンシーは、世界でもごくわずかしか生産されないため、とても希少価値のあるボトルです。
香りはイメージより甘く、ヨード、洋梨、青リンゴの皮、こもったレモングラス、パブリカパウダーあります。
フェッターケアン 1977 40年
フェッターケアン 1977 40年は、1977ヴィンテージのバーボンカスク熟成原酒をゴンザレス・ビアス社の”アポストレス”パロ・コルタド・シェリーカスクでフィニッシュしたものになります。
味わいは、はじめはショウガや蜂蜜のあり、あとからキャラメルアップルを感じさせます。
フェッターケアン46年
フェッターケアン 46年は、オフィシャルボトルの中でも希少価値のあるボトルになります。
なかなか日本ではお目にかかることのできないボトルです。
味わいは、レーズンや苦いチョコレート、イチジクや熟されたバナナを感じさせます。
フィニッシュは、スパイスをきかせられた西洋ナシは、オレンジになります。
フェッターケアン50年
フェッターケアン 50年は、リリースされてるオフィシャルボトルの中で最も熟成年数があるボトルになります。
こちらもとても希少価値があるので、日本で見ることはほどありません。
香りは、ショウガ、スパイス、柑橘類の皮やリンゴを思わせます。
口に含むと、サクランボ、熟しすぎたプラムとクロスグリを感じさせます。
また、ココナッツ、パイナップルがあることも特徴です。
フェッターケアンの歴史
フェッターケアン蒸留所は、東ハイランドのケアンゴルム山脈の麓にあるフェッターケアン村にあります。
この場所一帯の領主であるラムザイ家であるサー・アレクサンダー・ラムゼイという男爵が村の名前をとって1824年に設立をしました。
ウイスキーの密造時代でもあったことから、1823年に酒税法改正に伴い、隠れていた密造者を雇って本格的な設備を投資していました。
フェッターケアン蒸溜所として政府の認可を得ています。
そのため、同じく領主の後ろ盾があったグレンリベット蒸溜所に次の2番に後任蒸溜所になりました。
1830年には、英国首相を4度務めたウィリアム・ユワート・グラッドストンが蒸溜所を買収しました。
その後は、20世紀に入ると別の会社に売却され、1926年には蒸溜所が閉鎖されました。
これは1939年に活動を再開しますが、その後も何度か買収を繰り返し、現在フィリピン系のエンペラドール社の子会社であるホワイト&マッカイ社の傘下にいます。
フェッターケアンの製法
フェッターケアンに使われている仕込み水は、蒸溜所の近くにあるケアンゴルム山の湧き水を使われています。
製麦については、1960年までは自社で製麦を行っていたそうですが、今ではモルトスター(製麦専門業者)のモルトを使用しています。
発酵は、オレゴンパインの発酵槽11基で約60時間をかけて行い、酵母による発酵と乳酸菌発酵のバランスが良い8%のもろみを作っています。
そしてこの蒸留所の特徴は、ウォーターシャワーになります。
これは、ポットスチルの再留釜の上部から冷却用の水が流れ出ている仕組みことです。
これにより、より清らかな留液を得ることが可能で、再留釜の外部から水で冷却させることで還流を促して、銅とアルコールの接触を増やすべく導入したそうです。
この仕組みは、フェッターケアン蒸留所のみだそうです。
熟成に関しては主にバーボン樽を使っています。
その他にはホワイト&マッカイ社のコネクションにより、系列の蒸留所同様Gonzales Byass、Vasyma、Tevasa等のボデガや製樽会社で指定した木材でトースト・チャーを施したシェリー樽も使っています。
こういった特徴のある製法をすることにより、独特で飲みやすいウイスキーがつくられているのです。
フェッターケアン好きにおすすめウイスキー
ここでは、フェッターケアンと同じ東ハイランドでつくられているウイスキーをご紹介します。合わせて飲むことで、東ハイランド系のウイスキーの特徴が分かるようになります。
アードモア12年
アードモアはスコットランド、東ハイランド地方でつくられているシングルモルトウイスキーです。
特徴として、ティーチャーズのキーモルトとして使用されていることでも有名です。
豊かな風味とソフトかつオイリーな口当たり、甘み、スモーキーさなど構成している要素がバランスがとても良いボトルです。
グレングラッサ リバイバル
グレングラッサは1875年に蒸溜所はが創業されました。サンデンド湾の沿岸近くに位置しています。
ハイランドとスペイサイドの境界をまたぐ唯一の蒸溜所であることから、その風味は「海」「ハイランド」「スペイサイド」の3つの場所の影響を受けていると言われています。
フルーティが少しあるものの香りはそれほど強くはなく、その分味がしっかりしています。
一度は閉鎖された蒸溜所ですが、2008年に新オーナーの下、22年の休止期間を経て劇的な復活を遂げたウイスキーです。
まとめ
フェッターケアン蒸溜所で製造されているフェッターケアンについてご紹介しました。
日本ではあまり聞きなれないウイスキーではありますが、軽快でスムーズで初心者にもおすすめできるウイスキーです。
この記事で興味を持った方は、フェッターケアンを是非ご賞味ください。