余市はニッカウヰスキーが余市蒸留所で製造するシングルモルトウイスキーです。
余市蒸留所は日本のスコットランドとも呼ばれる北海道余市町にあり、ウイスキーの聖地であるスコットランドの気候や豊かな自然に似た場所として知られています。
余市蒸留所では石炭による直火炊きを行っており、それが余市独特の力強いモルト原酒を生みだしています。
ジャパニーズウイスキーといえば白州や山崎といったバランスの良い風味のものが多い中、この余市はピーティーでスモーキーで個性的な風味であるのが特徴です。
この記事では余市の中から「余市10年」の特徴やテイスティング、100件以上の口コミをもとに評価を解説します。
「余市10年が自分の好みに合っているのか」など購入後に失敗しないためのポイントがわかります。
また、余市のことを詳しく知りたいという方は以下ページもご覧ください。
余市10年の特徴
「余市10年」は酒齢10年以上の原酒をヴァッティングして作られています。
その風味はフルーティーな甘さやオイリーさ、ピーティーさやオークの香りなどがあり複雑で濃厚です。
若干の潮っぽさなどアイラモルトのような味わいもありつつ、桃のような爽やかなフルーティーさなどもある個性的な仕上がりになっています。
余市10年の基本情報
ブランド | 余市(YOICHI) |
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容量 | 700ml |
アルコール度数 | 45% |
原産国 | 日本 |
原材料・成分 | モルト |
余市10年のテイスティングノート
色 | 黄金色 |
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香り | フルーツの香りが豊富で、特に桃が際立っており、熟し、生き生きとしていて、ほのかに花のようだ。そして豊かなバニラカスタード、ピートスモーク、ナツメグスパイスのヒントがある |
味 | オイリーで甘く、ピートスモークが後に続く。軽いオークとフルーツの香りが広がる |
フィニッシュ | 魅力的なオークの香りがフィニッシュに続く |
余市10年を4つの飲み方でレビュー
1. ストレート
余市10年をストレートで口に含むと、ピートや桃のような甘さが鼻にぬけていきます。
その味わいは最初にバニラのような甘さが現れ、その後ビターチョコのような苦さを伴う甘さとナッツのような香ばしさへと変化していきます。
ピートを伴う焦がしたキャラメルのような余韻まで非常に心地よいです。
余市10年の複雑な風味をダイレクトに味わいたい人におすすめの飲み方です。
2. ロック
余市10年をロックにすると、ストレートでは前面にあった甘さが控えめになりピートを強く感じるようになります。
味わいは甘みの他に、酸味や塩気が現れます。
氷がとけ加水が進むとねっとりとしたオイリーな甘さとピートがでてきて、ストレートのときとはまた違った味わいです。
余市10年のさまざまな風味を味わいたい人におすすめの飲み方です。
3. ハイボール
余市10年のハイボールは、ピートと炭酸が合わさり力強くも爽やかな味わいになります。
ストレートと同じくフルーティーな甘さがメインですが、その後にわずかな酸味や潮っぽさも見え隠れします。
ピートを伴う余韻まで爽やかな飲み心地です。
余市10年を爽快な飲み口で楽しみたい人におすすめの飲み方です。
4. 水割り
余市10年に加水すると、スモーキーさがより一層強くなります。
その味わいは、シェリー由来の甘さが前面にでてきて濃厚です。
ストレートよりも円やかな口当たりでありながら、ピートが全体をしっかり支えており力強い風味があります。
余市10年のスモーキーさや力強さを滑らかな口当たりで楽しみたい人におすすめの飲み方です。
口コミ・レビューでわかる「余市10年」の評価
前提として、ウイスキーの味や香りの感じ方は個人の嗜好が異なるため、ウイスキーの評価に違いがあります。
そこで、「余市10年」を評価するために、実際に100件以上の口コミを調査しました。
結論からいうと、 余市10年を飲んだ人の評価は、以下のように分かれています。
良い評価 | 悪い評価 |
---|---|
・力強い風味 ・全体としてまとまっている |
・高い ・値段ほどの価値がない |
余市10年の良い評価や口コミを見ていくと、ほのかなピートを伴うバランスの取れた力強い風味に多くの人が良い感想をもっていました。
さまざまな風味を感じるのに、それがしっかりまとまっているのが高評価につながっているようです。
悪い口コミの多くはその値段について。
余市以外のジャパニーズウイスキー全体に言えることですが、人気高騰による品薄とそれに伴いプレミア価格で市場に出回ることがほとんどなため、値段が異常に高かったり、値段ほどの価値はないと感じる人は一定数見かけました。
以下余市10年を実飲された方の感想を、一部抜粋してご紹介します。
余市10年の良い評価・口コミ
本当に美味しいから復活を期待
余市10年マジで美味い
復活期待したいわ…— 未亥 (@_also_J03) December 25, 2021
旨いやん!
余市10年…基本的にストレートでしか飲んだ事無かったからコイツもロックで
旨いやん!😋 pic.twitter.com/s2DoX8uKlB
— Mackillop・響(🦀) (@RM57vVolketPPk0) May 19, 2021
コレだコレって毎回思う
余市 10年。本日開栓。あー、コレだコレって、毎回思う。あちこち尖ってるけど、色んな方向を向いてるベクトルが引き合って、結局纏まってるというか。そのお陰か若干感じる硫黄も嫌ではない。芯の力強さ、ピート、余韻に感じる潮気、やっぱコレだな。 pic.twitter.com/ZXpQTgxEDK
— 一蓮 (@ichiren210) October 31, 2020
壮大な味
My first whisky experience was with yoichi 10 year old. Still couldn't find one that can replace this spectacular taste. It's a shame we finished the entire bottle within one night.
(私が初めてウイスキーを体験したのは余市10年でした。この壮大な味に代わるものはまだ見つかっていない。一晩で全部のボトルを飲み干したのが残念です。)
飲みやすい
Fresh, fruity, light oak, easy to drink
(フレッシュ、フルーティ、軽いオーク、飲みやすい)
史上最高のウイスキー
Probably the best whiskey ever made.
(おそらく史上最高のウイスキーだろう。)
本当に驚かされました
I was really surprised by the taste of that whisky. I'll definitely buy another bottle!
(そのウイスキーの味には本当に驚かされました。もう1本必ず買います!)
力強く、充実した味わい
This semi peated whisky has probably the most unusual taste i have ever felt. It is smokey in the beginning when it touches your tongue and then brings up some sweetness. I would suggest letting this whisky breath a little bit before taking a sip. Strong and full taste.
(このセミピーテッドウイスキーは、おそらく私が今まで感じた中で最も珍しい味わいです。舌に触れた瞬間はスモーキーで、その後、甘みが出てきます。一口飲む前に少し呼吸させることをお勧めします。力強く、充実した味わい。)
余市10年の悪い評価・口コミ
元の樽がすぐに乾いてしまう
Its gone now.
After it became known in a television series is the original barrel dried out quickly.
Too bad I didn't know what I had when I had it.
(もうなくなってしまった。
テレビシリーズで知られるようになってから、元の樽がすぐに乾いてしまうんです。
何も知らずに持っていたのが残念です。)
のウイスキーを勧めない
Nose: good and balanced fruit notes, with peach and sherry. Palate: sweet, but the peat smoke comes too strong at the first taste Finish: looong everlasting finish with oak and light peat smoke. I'm sure I have to find the good way to taste it, maybe with the add of a little bit of water to let the fruit notes come out at first. If you are searching for a sweet, everyday whiskey I won't reccomend it, it's not really complex and it's not either a easy-taste whiskey. Good score after all
(香り:桃やシェリーなど、バランスの良い果実の香り。フィニッシュ:オークと軽いピートスモークで長く続くフィニッシュ。フルーツ香が最初に出てくるように、少し水を足してもいいかもしれない。甘く、日常的なウイスキーを探しているならば、私はこのウイスキーを勧めない。結局のところ良い点数ですが。)
もっと安く手に入る
Yoichi Single Malt 10 Years Old (45%). Consumed in company Jan 2019. I was very surprised to find this on the menu at Bone Daddies, Bermondsey. So much so that I asked them to bring over the bottle to check. Indeed - there it is. Was happy to find this discontinued rarity here being sold at a fair price (£10 a dram), when bottles are now selling for £500 or more. Nice relaxed smoke, crisp barley and oak character, like a soft rounded Islay whisky. Nice stuff but similar whiskies, that are just as good if not far better, are much easier and cheaper to get hold of.
(余市シングルモルト10年(45%)です。2019年1月会社で消費。BermondseyのBone Daddiesのメニューにこれがあったのにはとても驚いた。あまりに驚いたので、ボトルを持ってきてもらい確認しました。確かにありました。今では500ポンド以上で売られているボトルが、ここでは適正価格(1ドラム10ポンド)で売られているのを見つけたのは嬉しかった。ゆったりとしたスモーク、爽やかな大麦とオークのキャラクター、柔らかな丸みのあるアイラウイスキーのようだ。いいものだが、同じようなウイスキーで、はるかに優れているとは言えないまでも、同じくらい良いものが、もっと簡単に、もっと安く手に入るのだ。)
最後の1本になる
Nice 10 from Japan. Will probably be my last bottle - the price has risen abnormally! Shock!!!
(日本からの素敵な10年。おそらく最後の1本になると思います。ショック)
法外な値段
A beautiful whisky under the influence of Sherry. Today sold at prohibitive prices. Extremely rare. If it had to be given a subjective note, it would be a 86.
(シェリー酒の影響を受けた美しいウイスキー。現在では法外な値段で売られている。極めて希少。主観的な点数をつけるとすれば、86点。)
品質は値札を正当化するものではない
Nice enough, but the quality does not justify the price tag. Could use some more age before bottling.
(十分に素晴らしいが、品質は値札を正当化するものではない。瓶詰め前にもう少し熟成が必要かもしれない。)
残念ながら高すぎる
Very nice malt. Unfortunately too expensive. 86/100
(とても良いモルトです。残念ながら高すぎる。86/100)
まとめ
余市10年は、バランスの良い風味ながら心地の良いピートが力強さを加えている、完成度の高い1本です。
その人気からプレミア価格で市場に出回っており、手に入れるのはなかなか難しくなっています。
余市10年を手に入れることができたなら、ロックやストレートなど自分に合った飲み方で余市10年を楽しんでください。