ベンネヴィスはスコットランドのハイランド地方・フォートウィリアム地区で最も古い蒸留所の一つです。
1825年に創業され、1989年からはニッカウヰスキーが所有しています。
この記事では、ベンネヴィスの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介します。
記事の最後には、ベンネヴィスが好きな方におすすめのウイスキーも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ベンネヴィスの特徴・概要
ベンネヴィス蒸留所は、イギリスで最も高い山であるベンネヴィス山の麓にあります。
創業は1825年と歴史は古く、現在はニッカウヰスキーによって経営がされています。
ベンネヴィスの味・香りの特徴
ベンネヴィスは、洋ナシやレモンといったフルーティな風味があり、ライトな飲み口が特徴。
スモーキーやピート香といったクセのある風味を感じないため、ウイスキー初心者でも飲みやすいボトルです。
蒸留所を設立したのはロングジョン
ベンネヴィス蒸留所の設立者は、ジョン・マクドナルドです。彼は、ロングジョンという愛称で親しまれていました。
ロングジョンと呼ばれた理由は、彼の身長が193cmと高かったからです。
ロングジョンと聞くと思い出すのは、ブレンデッドウイスキーで有名な「ロングジョン」ですね。
実は、ロングジョンを製造したのもジョン・マクドナルドです。
ロングジョンはこちらの記事でも紹介しているので、ぜひ読んでみてください。
ベンネヴィスのおすすめの飲み方はストレート
ベンネヴィスは、ライトな味わいでクセが少ないため、ストレートでも美味しく飲めます。
また、ストレートが苦手な方はロックで飲んでみましょう。
ロックだと、レーズンのような甘く華やかな香り、青リンゴのようなフルーティな香りをより強く感じます。
ベンネヴィスの種類
ベンネヴィス10年
ベンネヴィス10年は、ラインナップされている中のスタンダードボトルです。
香りは、洋ナシや青リンゴのフレッシュな酸味や甘い香りを感じます。
味わいは、甘みと酸味を感じる味わいで、ドライフルーツやバニラ、レモンのような味わいです。
1本4000円程度とそこそこの値段はしますが、ウイスキーファンから愛されているボトルです。
ベンネヴィス ネヴィスデュー
ベンネヴィス ネヴィスデューは、ベンネヴィス蒸留所で製造されているウイスキーを中心にブレンドされたブレンデッドウイスキーです。
香りは、ほのかに熟成感を感じますが、香りはあまり強く感じません。
味わいは、洋ナシのような果実の味わいやスモーキーな風味。
全体的にライトな味わいとなっており、飲みやすいのが特徴です。
ウイスキーを飲み慣れている方にとっては、少し物足りない感じはします。
水割りやロックにすると、甘くフルーティな風味が強くなります。
ベンネヴィス ネヴィスデュー12年
ベンネヴィス ネヴィスデュー12年は、12年以上熟成させたモルトをブレンドしたブレンデッドウイスキーです。
ベンネヴィス ネヴィスデューに比べると、甘く華やかな香りやフルーティな風味が強まっています。
風味は、バニラやレーズンのような甘みを感じます。
また、ベンネヴィス ネヴィスデューよりマイルドな仕上がりとなっておりストレートでも飲みやすい飲み口です。
ベンネヴィス 1996 21年
ベンネヴィス 1996 21年は、ホグスヘッドで21年熟成しています。
ボトル詰めをする際に、水でアルコール度数を調整しないカスクストレングスなため、アルコール度数は55.4%と高くなっています。
香りは、マンゴーやパイナップルといったトロピカルな香りを感じます。
味わいは、柔らかい口当たりではちみつや焼きパイナップル、ミントといった味わいです。
21年熟成の長期熟成ですが、ベンネヴィスらしいフルーティな風味が特徴です。
ベンネヴィス25年
「ベンネヴィス 25年」は、1990年ヴィンテージで2015年にボトリングされて235本限定でリリースされたボトルです。
このボトルは、鏡板をアメリカンオークとした新樽のバーボンホグスヘッドで25年熟成しアルコール度数61.3でボトリングされています。
香りは、ローストしたアーモンドやカラメルのほろ苦い甘さとオレンジなどのフルーティーな香りに木材やマツの樹皮のようなウッディネスがあります。
味わいは、とろみのある口当たりで樽由来のウッディ―さと人工的なシロップのような甘みとフルーティーさがあります。
余韻は、ビターなウッディネスとフルーティーな感覚がのこります。
ベンネヴィスの蒸留所・歴史
ベンネヴィス蒸留所は、1825年にジョン・マクドナルドによって設立されました。
蒸留所が設立された2年前にイギリスの酒税法が改正され、それに伴い政府公認の蒸留所となりました。
ジョン・マクドナルドが亡くなった後は、彼の息子であるドナルド・マクドナルドに経営権が渡りました。
ドナルド・マクドナルドは2つめの蒸留所であるネヴィス蒸留所を設立しますが、1908年に閉鎖し、現在はベンネヴィス蒸留所の貯蔵庫として使われています。
1955年にはジョセフ・ホブスが経営権を握り、その時に連続式蒸留器の導入や蒸留塔の設立が行われ、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを同時に生産する蒸留所になりました。
しかし、1980年代に入ると経営が悪化し1986年には創業が一時停止に追い込まれてしまいました。
1989年にニッカウヰスキーがベンネヴィス蒸留所を買収し、現在もニッカウヰスキーによって経営が行われています。
ベンネヴィスの製法
ベンネヴィス蒸留所は、標高1343mとイギリスで最も高いベンネヴィス山の麓に位置し、仕込み水はベンネヴィス山の頂上付近にある湖から流れ出るオルト・ナ・ヴ―リン川の水を使用しています。
蒸留器は初溜釜が2基と最溜釜が2基の合計4基で蒸留しています。
現在は、シングルモルトウイスキー以外にもブレンデッドウイスキーの生産も行っており、現在の生産量は200万ℓです。
ベンネヴィス好きにおすすめのウイスキー
ベンネヴィスが好きな方におすすめのウイスキーを紹介します。
ベンネヴィスの「フルーティな風味」や「ライトな口当たり」といった特徴を基準に2本選びました。
ブッシュミルズ ブラックブッシュ
香りは、フルーティでスパイシーな香りを感じます。
味わいは、穏やかな温かみがあり、はちみつような甘さを感じます。
飲み口がライトで、スモークような風味を感じないため、飲みやすい仕上がりとなっています。
トーモア14年
トーモア14年は、厳選された樽から限られた量だけリリースされています。
香りは、非常にスウィーティでフルーティな香り。
味わいは、スウィーティでフルーティな味わいが特徴的で、みずみずしい味わいです。
ブレンデッドウイスキーで有名なロングジョンのキーモルトとしても使われています。
まとめ
ベンネヴィスは、イギリス最も高いベンネヴィス山の麓に蒸留所が位置しています。
フルーティでライトな飲み口が特徴的なため、ウイスキー初心者にもおすすめのウイスキーです。
価格は4000円程度と少し高くなっていますが、フルーティな風味が好きな方は飲んで損のないボトルです。