バルブレアは、バルブレア蒸溜所でつくられるウイスキーです。
この記事では、バルブレアの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介します。
また、バルブレア好きにおすすめのウイスキーをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
バルブレアの特徴・概要
バルブレアは、北ハイランド地方のロス州エダートン村のはずれの、ドーノッホ湾を見下ろす高台にある蒸溜所でつくられています。
バルブレアの「バル」は、ゲール語で“集落”という意味で、「ブレア」とは、“平らな土地”を意味しています。
また、バルブレアはバランタインの原酒としても有名です。
バルブレアの味・香りの特徴
バルブレアは、洋ナシのようなさっぱりとして甘さがあり、とてもフルーティな味わいになります。
また、清涼感もありとても飲みやすいことでも特徴です。
そのため、ウイスキーを飲み始めたくらいの方にも、おすすめしたいボトルでもあります。
映画のロケ地にもなったことのあるウイスキー
バルブレアは、2012年に上映した「天使の分け前」のロケ地になったこともあります。
スコッチ・ウイスキーの故郷スコットランドを舞台に、問題ばかり起こしてきた若者がウイスキーつくりを通して、人生を再生していくさまを描く内容です。
この映画は第65回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞しました。
バルブレアのおすすめの飲み方は「トワイスアップ」
バルブレアはとてもフルーティーな味わいがあります。そのため、ストレートで飲むことをおすすめします。
グラスは香りが貯まりやすいものを選び、口に含む前にじっくりと堪能しましょう。
その後は、少しずつ加水をして自分好みの濃さにしましょう。
ただし、あまり加水しすぎてしまうと、フルーティーさ薄れてしまうので注意が必要です。
バルブレアの種類
ここでは、バルブレアの種類についてご紹介します。
各ラインナップを飲み比べることで、味の違いを知ることができますので、よりバルブレアについて知ることができます。
バルブレア 12年
バルブレア 12年は、バーボンカスクとダブルファイヤードアメリカンオークカスクを使用してつくられています。
香りは、クリーミーなバニラや青りんごが層をなしたエレガントなレモンピールが感じられます。
味わいは、強烈なハチミツの甘さに包まれたスパイスやドライオレンジがあり、フィニッシュは、甘いバニラのようなクリーミーさがあります。
バルブレア 15年
バルブレア15年は、アメリカンオークのEX-バーボン樽にて熟成後、1stフィルのスパニッシュオーク樽にて熟成されてつくられています。
香りは、レザーウッドの蜜やジューシーなプラム、フレッシュなレモンピールが感じられます。
味わいは、なめらかな舌触り、ダークチョコレートやトロピカルフルーツとスパイスで、
フィニッシュは、クリーミーなバニラやシトラスの長く、メローなフィニッシュになります。
バルブレア 18年
バルブレア18年は、アメリカンオークのEX-バーボン樽にて熟成後、1stフィルのスパニッシュオーク樽で熟成してつくられています。
香りは、新しい皮のエレガントさを感じるリッチなトフィーと焼かれた梨のアロマを感じさせます。
味わいは、ジューシーなアプリコットやよく枯らしたオーク、バニラカスタードがありバランスが良いです。
フィニッシュは、フレッシュなスパイスやレーズンになります。
マクファイルズ コレクション バルブレア 10年
マクファイルズ コレクション バルブレア 10年は、スペイサイドやハイランド、キャンベルタウン、アイラ、アイランズからなる代表的な 5つの地域の銘柄を選別し、自社の名前を冠したボトルになります。
香りは、はじめは甘いバニラ、トフィーや砂糖漬けにした果実の表皮を感じさせます。
味わいは、滑らかでクリーミー、新鮮なラズベリー、ミルクチョコレートになります。
マクファイルズ コレクション バルブレア 21年
マクファイルズ コレクション バルブレア 21年は、上記で紹介したマクファイルズ コレクション バルブレア 10年の21年ものになります。
香りは、繊細な甘いバニラ、ハチミツのアロマがメインになります。これらに加えて、アンズ、青リンゴ、トーストしたモルトを感じさせます
味わいは、甘くてクリーミーで、熟れたバナナやラズベリーのフルーティーさを感じさせます。
バルブレアの歴史
ジョン・ロスという人物が1790年にバルブレア蒸留所の創業しました。
これは、現存するハイランドの蒸留所では2番目に古いとされています。
それから、ジョン・ロス、アンドリュー・ロス、ジェームズ・ロスのに3代によって蒸溜所を稼働をしていましたが、1894年にインヴァネスのワイン商だったアレクサンダー・コーワン氏に売却をしました。
売却した翌年には、物流に鉄道を利用するために、元の位置あった場所から数キロ離れたエダートン駅近くに蒸溜所を新築移転しました。
1911年に蒸留所は資金難から閉鎖され、第二次世界大戦後には幾度のオーナーが変わりましたが、1949年に蒸溜所は再開しました。
その後も売却買収の繰り返しされますが、2006年にタイ・ビバレッジ傘下のインターナショナル・ビバレッジ・ホールディングスがパシフィック・スピリッツを買収ました。
そこから現在までバルブレアはタイ・ビバレッジの傘下にあります。
バルブレアの製法
バルブレアの製法は創業当時から一貫した製法でつくられていることも特徴です。
使っている水は、7km先から採取しています。そのために川から人工で水路を引いています。これは、蒸溜所とエダートン村に供給でもあります。
軟水で純度も高く、簡単な濾過もおこなわれています。
ちなみに水源の名前は「アルト・デアーグ」で、「赤い水」という意味で、その名の通り鉄分が豊富なので赤みがかった色をしていることが特徴です。
以前はモルティングがいましたが、現在は製麦済みの大麦モルトはモルト業者から、毎週60〜80トンを購入しています。
これらを大型ミルを使って粉砕します。時間は、1時間半で4.5トンの大麦モルトを粉砕していく速さになります。
その後、マッシュタンで3度の決まった温度のお湯を足されてウォッシュバックへの投入し酵母が加えられます。
蒸溜は、約6時間かけて初溜が行い、排出されたローワインは、そのままスピリットスチルにします。
前溜に10分、中溜は2時間〜2時間半、後溜は3時間で、約2,500Lのスピリッツができます。
この蒸溜工程は2011年からコンピューター制御となっています。
8棟もある貯蔵庫に熟成され、その数は19,000本の樽でボトル詰めされる準備をしています。
この徹底した、工程があるからこそ、長い間たくさんの人に愛されるウイスキーがつくられるのです。
バルブレア好きにおすすめウイスキー
ここではバルブレアと同じ、北ハイランド地方でつくられるウイスキーをご紹介します。
飲み比べをすることで、北ハイランド地方のウイスキーの特徴をわかるようになります。
グレンモーレンジ オリジナル
グレンモーレンジ オリジナルは、スコットランドで最も飲まれているウイスキーです。「樽のパイオニア」ともいわれ、一度熟成した原酒をシェリー樽やポート樽なっどのワイン樽に詰めてさらに熟成させる技術でつくられています。
クリーミーなバニラが舌を滑り、口の中でピーチとクリーム、マンダリンとレモンがしっかりと感じられます。
クリーンでピーチのほのかな甘みとオレンジの酸味が余韻として残ります。
オールドプルトニー 12年
オールドプルトニー 12年は、ピートと岩の多いことで有名なケースネス州でつくられており、こちらもバランタインの主要原酒としての役割を果たしてきました。
香りは、甘いリンゴやバニラ、洋梨の香りを感じさせます。
味わいは、ほのかなバニラや花の香りとかすかに残る潮風があり、とてもバランスのとれたボトルでもあります。
まとめ
バルブレア蒸溜所で製造されているバルブレアについてご紹介しました。
映画のロケ地にもなった蒸溜所は、今でも一貫した製法でつくられているウイスキーです。
この記事で興味を持った方は、「天使の分け前」を観ながらバルブレアをご賞味してはどうでしょうか。