ロイヤルブラックラは、スコットランドにあるロイヤルブラックラ蒸留所でつくられるシングルモルトウイスキーです。
この記事では、ロイヤルブラックラの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介します。
また、併せておすすめのウイスキーをご紹介します。
読み終わる頃にはロイヤルブラックラが飲みたくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
ロイヤルブラックラの特徴・概要
ロイヤルブラックラは、スコットランド・ハイランド地域中央部にあるロイヤルブラックラ蒸留所が造っているシングルモルトウイスキーです。
日本でのあまり知名度は高くありませんが、「デュワーズ」のキーモルトとしても知られるウイスキーです。
ロイヤルブラックラの味わいや特徴
ロイヤルブラックラは、フレッシュで華やかで、そしてフルーティな味わいです。
オロロソやペドロヒメネスなどのシェリー樽で追加熟成を行うことでフルーティさを引き出しているからです。
これは、伝統的な製法を現在も守り続けているからこそ出せる味といえます。
王のためのウイスキー
ロイヤルブラックラは、英国王ウイリアム4世治世下、1833年にスコッチとして初めて「英王室御用達」となりました。それ以降は、スコッチ・ウイスキーの品質の基準となっていることでも有名です。
「ロイヤル」という名称を関するウイスキーは、「ロイヤル・ロッホナガ」と1985年に蒸留所閉鎖となった「グレンユーリー・ロイヤル」の3つのみです。
そのため、ロイヤルブラックラは「王のためのウイスキー」と呼ばれています。
ロイヤルブラックラのおすすめの飲み方は「ストレート」
ロイヤルブラックラの味わいを存分に楽しむのであれば、ストレートで飲むことをおすすめします。
氷を入れてしまうと、フルーティーな香りを楽しむことができないので、まずはストレートで飲むようにしましょう。
そこから、少しずつ自分好みの濃さにして飲むようにすることで、自分好みのロイヤルブラックラを堪能しましょう。
ロイヤルブラックラの種類
ここでは、ロイヤルブラックラの種類についてご紹介します。
各ラインナップを飲み比べることで、味の違いを知ることができますので、よりロイヤルブラックラについて知ることができます。
ロイヤルブラックラ12年
ロイヤルブラックラ 12年は、日本で購入できるロイヤルブラックラの中で最も熟成期間が短いボトルです。
香りは、まろやかで、最初はりんごのような甘い香りがあります。時間が経つにつれて若葉を連想させる青い香りが立ってきます。
味わいは、パイナップルやレモン系の酸味があります。また、水分の多いフルーツのように、みずみずしさがあります。
リンゴや洋ナシ、スパイスが奏でる複雑でバランスがとれた味わいがあります。
ロイヤルブラックラ16年
ロイヤルブラックラ 16年は、12年ものより更に熟成させたボトルになります。
香りは華やかで、オレンジキャンディ、バニラ、その他にオーク、ミントといった香りがあります。
飲むと柔らかい口当たり、オレンジキャンディの優しい甘味と心地よい麦感、少し生木っぽいエグ味もあるがバランスの良い味わいがあります。
また、リリースされている中で最もキャラメルや熟したアプリコットの味わいがあることも特徴的です。
しっかりとしたシェリーの余韻があります。
ロイヤルブラックラ21年
ロイヤルブラックラ 21年は、リリースされている中でも最高級のボトルになります。
香りは、オレンジやアプリコットなど、紅茶を思わせる香りにフレッシュな柑橘果実を感じさせます。
味わいは、リンゴや洋ナシ、スパイスが奏でる複雑でバランスのとれています。
長期熟成による心地良く、全体的に綺麗な香味が印象的です。
ロイヤルブラックラの歴史
ロイヤル ブラックラ蒸留所は、1812年にスコットランド・ハイランド地区に設立されました。これは、スコットランドで最も古い蒸留所の1つともいわれています。
蒸溜所の場所は、スコットランド北部の都市インバネスの郊外にあるコーダー城の領地にウィリアム・フレイザー英軍大尉が1812年に創業しました。
ちなみに、このコーダー城はシェイクスピアの『マクベス』の舞台とされていることでも有名です。
ウィリアム・フレイザーは、密造者との競争を避けるために、販売場所をローランドやイングランドで行っていました。
そういった経緯もあり、国王ウィリアム4世のお気に入りとなり、1835年に蒸留所としては初のロイヤル・ワラント(王室御用達勅許状)を授けられました。
1926年にはブレンダーのビセット社が買収、同社のビセッツ・ファイネスト・オールドなどの原酒となりました。
さらに1943年にはDCL社に入り、現在はバカルディ社の系列となっています。
ロイヤルブラックラは、創業して200年以上の長い歴史があるのです。
ロイヤルブラックラの製法
ロイヤルブラックラ蒸留所は、ネス湖から北東20キロほどの場所に位置にあり、広さは約16000坪あります。
東京ドームが約14000坪なので、東京ドームより少し広いといった程度です。
しかし、この広さは他の蒸溜所と比べると、とても小さい規模といえます。
そこに10棟に満たないほどの倉庫と、蒸留所に勤める人々の住居に、そして蒸留器を4機備えた蒸留棟が並んでいます。
1966年までは、そこでフロアモルティングを行われていましたが、現在は熟成などを含め、すべての作業を蒸留所外で行っています。
蒸留所内を流れるコーダー川を仕込み水に、6つのオレゴンパイン製の木桶、2つのステンレス製を発酵槽として使用。
作業の手間などからステンレス製に代えていく蒸留所も多いなか、創業当時の製法にこだわっています。
蒸留前の発酵工程は平均72時間になります。
伝統的な製法で行っているため、すべてをステンレス製にしてしまうと味の品質に影響がでる可能性があるので、上記で説明した発酵槽として使っています。
そのため、ロイヤルブラックラ蒸留所では、創業当時の製法をほぼほぼ守り続けているのです。
その後は、生産された蒸留酒は、すべてグラスゴーの集中熟成所に送られ、オロロソやペドロヒメネスなどシェリー樽において、ファーストフィルでフィニッシュします。
そこでボトル詰めまで行われ、フレッシュで華やか、かつフルーティな味わいのシングルモルト・ウイスキーが送り出されています。
ロイヤルブラックラ蒸留所は、年間生産量は350万リットルもの量を世に届けているのです。
ロイヤルブラックラ好きにおすすめウイスキー
ここでは、ロイヤルブラックラがつくられるハイランド地方でつくられるウイスキーをご紹介します。
飲み比べることで、よりハイランド地方のウイスキーを理解することができます。
オーバン14年
オーバン 14年は、スコットランド南西部にある町の名前で、ゲール語で「小さな湾」という意味になります。
オーバンは「スモーキーでフルーティでモルティでピーティ」という特徴があります。
香りは、みかんの皮や紅茶、シリアルの香ばしさとフローラルなアロマがあります。
味わいは、ライムなどの柑橘系やクリーム、ハチミツを感じることができます。
ダルモア12年
ダルモア12年は、特徴らしい特徴はありませんが奥深い味わいがあり、モルトファンから熱い支持を受けている通好みのブランドになります。
香りは、レーズンチョコとオレンジマーマレード、そしてシナモンやナツメグのスパイスを感じさせます。
味わいは、バニラやラムレーズン、キンカンやポンカンなどの柑橘系の奥深さがあります。
まとめ
ロイヤルブラックラ蒸溜所で製造されているロイヤルブラックラについてご紹介しました。
伝統を守るため現在も機材を入れ替えることなく、創業当時の製法を守り続けています。
この記事で興味を持った方は、英国王ウイリアム4世も飲んだロイヤルブラックラを、是非ご賞味ください。