ダルモアの種類や味わい・おすすめの飲み方などを徹底解説

ダルモア

ダルモアは、スコットランドのハイランド地方で生産されているシングルモルトウイスキーです。

スコットランドの他の銘柄に比べたらマイナーではありますが、シェリー樽をメインとした甘みのある味わいは、非常に飲みやすくなっています。

この記事では、ダルモアの味わい、特徴、歴史や製造方法などを紹介します。

記事の最後には、ダルモアが好きな方におすすめのウイスキーの紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

ダルモアの特徴・概要

ダルモアは、スコットランドのハイランド地方で生産されているシングルモルトウイスキーです。

甘味が強い味わいが特徴的で、ホワイト&マッカイのキーモルトとしても使われています。

ダルモアは、ゲール語で「川辺の広大な草地」の意味になります。

ダルモアの味わい・香りの特徴

ダルモアは、シェリー樽をメインに熟成しており、シェリー樽からくる甘さが特徴で、原料の大麦に泥炭を使用しないノンピート麦芽を使用しています。

ウイスキー特有のピート香(スモーキーな風味)がしないため、クセやトゲがなくウイスキー初心者の方にもおすすめのシングルモルトウイスキーです。

甘味が強いため、甘い風味を味わいたい方にピッタリです。

特徴的な牡鹿のデザインの秘密

ボトルに描かれている牡鹿のデザインは、長い間ダルモア蒸留所を運営してきたマッケンジー家の紋章です。

1263年、スコットランド王のジョージ3世が狩りをしてた際に牡鹿によって負傷しました。

その時に、マッケンジー家の祖先にあたるコリンが牡鹿を槍で仕留めてジョージ3世を救いました。

その功績を讃えるために、マッケンジー家は領地と牡鹿の紋章を与えボトルに牡鹿がデザインされています。

ダルモアおすすめの飲み方はストレート・トワイスアップ

ダルモアはシェリー樽で熟成しているため、柑橘系のような風味やや甘さが全体的に強い味わいが特徴です。

しかし、その中にもドライやスパイシーさもあるため、味の変化を楽しめるストレートがおすすめです。

ストレートだと飲みづらいなと感じる方は、少し加水をしたトワイスアップがおすすめです。

加水をすると香りが強くなり、柑橘系の爽やかな香りを感じ飲みやすくなります。

ダルモアの種類

ダルモア12年

ダルモア12年

ダルモア12年は、シェリー樽で12年間の長期熟成をしています。

香りは、オレンジマーマレードのような柑橘系の甘い香りやスパイスといった香りを感じます。

味わいは、柑橘系の味わいが強くバニラのような甘さを感じマイルドな口あたりとなっています。

シェリー樽での熟成に加え、蒸留所が潮風の影響を受けているためフルーツのような香りとスパイシーな味わいも作っています。

口あたりが優しいマイルドなテイストとなっているため、クセがなく初心者でも飲みやすいボトルです。

あわせて読みたい
ダルモア12年の味・香りをレビューや口コミから評価 ダルモアは、スコットランドで作られているスコッチ・ウイスキーです。 この記事ではダルモアの中から「ダルモア12年」の特徴やテイスティング、100件以上の口コミをも...

ダルモア15年

ダルモア15年

ダルモア15年は、オーク樽で熟成させた後に3種類のシェリー樽で熟成させています。

熟成期間が長いため、リッチで深い味わいが特徴です。

香りは、オレンジやシナモンといったフレッシュさと上品な甘みのある香りです。

味わいは、レモンやライムといった柑橘系と、シェリー樽の芳醇な深い味わいです。

熟成期間が長いものの、クセがなく飲みやすいボトルです。

ダルモア12年では物足りないな、と感じた方におすすめです。

ダルモア18年

ダルモア18年

ダルモア18年は、バーボン樽で14年熟成させた後に、オロロソシェリー樽で4年間熟成しています。

コーヒーのようなビターな味わいとチョコレートの甘味のある味わいとなっています。

熟成香のような深い香りの後に、シナモンやナツメグの余韻が続きます。

熟成香の香りとコーヒーのビター感があるため、苦みを感じやすいボトルです。

2011年、2012年には、サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションでダブルゴールド賞を受賞しています。

ダルモア シガーモルトリザーブ

ダルモア シガーモルトリザーブ

ダルモアシガーモルトリザーブは、ダルモア18年と同時期に発売されており、シガーに負けないコクと豊かな香りが特徴です。

グラスに注ぐと、木の香りや甘くふくよかな香りが漂ってきます。

口に含むとスモーキーな強い味わいとまろやかな風味を感じます。

葉巻とのマリアージュを想定して作られているため、葉巻を吸う人にピッタリのボトルです。

ダルモア1263 キングアレキサンダー3世

ダルモア1263 キングアレキサンダー3世

ダルモア1263 キングアレキサンダー3世は、6種類の樽で熟成させた原酒をヴァッティングしています。

カベルネ・ソーヴィニヨン樽、マルサラ樽、マディラ樽、バーボン樽、ポートワイン樽、オロロソシェリー樽の6種類の樽を使用しています。

レーズンやチョコレートのような甘さと上品な香りは、落ち着きをもたらしてくれます。

味わいは、キャラメルやチョコレート、レーズンのような味わいで甘味が全面に出てくる味わいとなっています。

6種類の樽から香る複雑でユニークな味わいは、ウイスキーを飲み慣れた方におすすめです。

ダルモア1263 キングアレキサンダー3世
created by Rinker

ダルモア ルチェロ

ダルモア ルチェロ

ダルモアルチェロは、2015年に免税店向けにリリースされた「ザ・フォーテュナ・メリタス・コレクション」の一つです。

後熟にスペインのゴンザレス・ピアス社のアポストルス・シェリー樽を使用してします。

アポストルス・シェリー樽は、30年以上熟成されたものを使用しているためシェリー風味の香りを強く感じます。

香りは、シェリー樽からくるリッチな香りやチョコレートケーキ、甘いコーヒーのような香りです。

味わいは、糖蜜やブラックベリージャムといった甘酸っぱい味わいです。

ダルモア ルチェロ
created by Rinker

ダルモア レガリス

ダルモア レガリス

ダルモアレガリスは、2015年に免税店向けにリリースされた「ザ・フォーテュナ・メリタス・コレクション」の一つです。

アメリカンオーク樽で熟成させた後に、ファーストフィルのアモロソ・シェリー樽を使用しています。

香りは、フルーツやバニラ、キャラメルのような香りで甘さに特徴のある香りです。

味わいは、はちみつやシナモンといったクセのある甘さがあります。

強いクセはなく、甘さが特徴的な一本です。

ダルモア ドミニウム

ダルモア ドミニウム

ダルモアドミニウムは、2015年に免税店向けにリリースされた「ザ・フォーテュナ・メリタス・コレクション」の一つです。

後熟にスペインのゴンザレス・ピアス社のマツサレムのファーストフィルを使用しています。

マツサレムは、30年以上熟成させた甘口のオロロソシェリー樽のことで、ファーストフィルとは、初めて熟成に使う樽のことです。

香りは、はちみつや甘いフルーツ、キャラメルの甘さが強い印象を受けます。

味わいも甘味が強く、その中にもスパイシーな味わいを感じます。

2017年には、IWSC(インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション)で銀賞を受賞しています。

ザ・フォーテュナ・メリタス・コレクションシリーズの中では、最もプレミアムな一本です。

ダルモア ポートウッドリザーブ

ダルモア ポートウッドリザーブ

ダルモア ポートウッドリザーブは、バーボン樽で熟成した後にポートパイプで後熟しています。

ポートパイプとは、ヨーロピアンオークの材料を使用している600ℓ級の樽のことです。

香りは、オレンジやスポンジケーキのような香りで甘さが控えめな香りです。

味わいは、チョコレートやドライフルーツ、はちみつのような味わいです。

ダルモアは、どのボトルも甘さが特徴的ですが、ダルモア ポートウッドリザーブは甘さを抑えたクリーミーな味わいとなっています。

2019年に、IWSC(インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション)で金賞を受賞しています。

ダルモア ポートウッドリザーブ
created by Rinker

ダルモアの蒸留所・歴史

ダルモア蒸留所は、1839年にアレクサンダー・マチソンによって、スコットランドのハイランド地方にあるアルネスという町に設立されました。

その後、1867年にはマッケンジー兄弟によって長い間運営されます。

1917年は、第一次世界大戦の影響を受けイギリス海軍によって蒸留所の熟成庫を使われてしまい、生産が一時停止しています。

1922年に生産を再開し、1960年にはホワイト&マッカイと合併します。

ホワイト&マッカイと合併した理由は、ブレンデッドウイスキーの「ホワイト&マッカイ」を製造していたジェームス・ホワイトとチャールズ・マッカイと仲が良く主要な顧客だったからです。

そのため、ダルモアは「ホワイト&マッカイ」のキーモルトとして使われるようになります。

1966年には、スチルの数を4基から8基に増やし、生産量を増やしました。

1990年にアメリカン・ブランズの傘下であったジム・ビーム・ブランズ(現ビーム・サントリー)がホワイト&マッカイを買収。

2007年には、インドのユナイテッド・スピリッツにホワイト&マッカイが買収され、2014年にはフィリピンのエンペラドールに買収され運営され現在に至ります。

ダルモアの製法

ダルモアの原料となる大麦は、泥炭を使用しないノンピート製法です。

ノンピート製法とは、原料となる大麦を乾燥させるときに熱風で乾燥させる方法のことです。

熱風で乾燥させることで、ウイスキー特有のスモーキーさがなくなり非常に飲みやすくなります。

ダルモアの再溜釜には、ウォータージャケットが取り付けられているのも特徴の一つです。

ウォータージャケットで再溜釜の温度調節して成分を凝縮し、質の高い成分だけを取り出しています。

ウォータージャケットを使用することで、口あたりが優しい味わいを作っています。

ダルモア蒸留所で使用されているシェリー樽はシェリー酒の名門であるゴンザレス・ビアス社から提供を受けているものを使用しています。

その他にも、シェリー樽やバーボン樽を主に取り扱う蒸留所が多い中で、ダルモア蒸留所ではマディラ、マルサラ、ポートワイン樽も使用しています。

こだわりの樽を使用することで、ダルモア特有のフルーティな香りや甘みを作り出しています。

ダルモア好きにおすすめのウイスキー

ダルモアが好きな方におすすめのウイスキーをご紹介します。

ダルモアの特徴である「柑橘系の味わい」や「シェリー樽由来の甘さ」、「スパイシーさとドライな質感」を基準に選びました。

風味の傾向が似ているため、さまざまなボトルをぜひお試しください。

グレンモーレンジ オリジナル

グレンモーレンジィ オリジナル

グレンモーレンジオリジナルは、スコットランドのハイランド地方で生産されているシングルモルトウイスキーです。

全長5.12mにもなるスコットランドで最も長いポットスチルの使用により、華やかなアロマと上品な味わいを生み出しています。

ほのかな甘みと柑橘系の爽やかな味わいが特徴です。

ハイボールでぜひお楽しみください。

あわせて読みたい
グレンモーレンジの種類や味わい・おすすめの飲み方などを徹底解説 グレンモーレンジは、170年以上の歴史がありスコットランドで愛されているシングルモルトです。 年間で600万ℓの生産量を誇り、シングルモルトの売り上げは第4位であり人...

ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブ

ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブ

ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーブは、アメリカンオーク樽のファーストフィルで熟成しています。

シトラスフルーツや甘いオレンジの香りが特徴的で、西洋ナシやピリッとしたオレンジの味わいを感じます。

ザ・グレンリベット特有のクリーミーでスムースな風味は、上品な気分にさせてくれます。

ハイボールでの飲み方がおすすめです。

あわせて読みたい
ザ・グレンリベットの全知識!種類・味・おすすめの飲み方などを徹底解説 グレンリベットは、くどくなく爽やかでフルーティーな味わいで、とろっとした甘みのある飲み心地はウイスキーに慣れていない人でも飲みやすく入門向けとも言われていま...

まとめ

ダルモアは、柑橘系の香りとシェリー樽由来の甘さが特徴のシングルモルトウイスキーです。

ノンピート製法で大麦を乾燥させているため、スモーキー感がなくスッキリとした味わいとなっており、ウイスキーを飲み慣れていない方にもおすすめです。

ホワイト&マッカイのキーモルトにもなっているため、ホワイト&マッカイを飲んでみるとダルモアの風味を感じるかもしれません。

ぜひ飲み比べて確かめてみてください。

このページをシェアする
目次