オーバンはスコットランドのハイランド地方で製造されているシングルモルトウイスキーです。
この記事では、オーバンの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介していきます。
記事の最後には、オーバンが好きな方におすすめのウイスキーもしょうかいしているので、ぜひ参考にしてみてください。
オーバンの特徴・概要
オーバンはスコットランドのハイランド地方で生産されているシングルモルトウイスキーです。
オーバンはスコットランドの南西部にある町の名前で、ゲール語だと「小さな湾」という意味になります。
また、オーバンは1794年に設立されウイスキー製造の免許を受けた蒸留所の中では、最古の蒸留所の一つになります。
オーバンの町は蒸留所を中心として社会が発展してきたと言っても過言ではないほど、地域に貢献してきた蒸留所です。
味・香りの特徴
オーバンは、柑橘系のオレンジやライムといったフレッシュさと酸味の中に甘さを感じる風味が特徴です。
蒸留所があるオーバンの街の土地柄からか、フルーティな風味やスモーキーでピーティな風味も感じます。
ハイランドモルトの特徴とアイラモルトの特徴が合わさった風味となっています。
オーバンは街を発展させたウイスキー
オーバン蒸留所はオーバンという町の中心にあります。
元々オーバンという町は、民家が少なく鉱業や漁業、貿易業を行っておりあまり発展していませんでした。
しかし、オーバンの創業者であるスティーブンソン兄弟がウイスキー事業の他に造船業や鉱業といった事業をするようになると、徐々に街は発展していきました。
そのため、オーバンの街はオーバン蒸留所と共に発展していきました。
オーバンのおすすめの飲み方はストレート
ストレートで飲むと、柑橘系の爽やかな風味や酸味、はちみつやクリームの甘さを感じます。
ウイスキーを飲み慣れている方にはストレートがおすすめですが、多少のクセも感じるためウイスキー初心者の方は、加水をしたトワイスアップがおすすめです。
トワイスアップだと風味は若干薄れますが、柑橘系の酸味や甘さをしっかりと感じます。
オーバンの種類
オーバン14年
オーバン14年は、ラインナップされている中のスタンダードボトルになります。
香りは、オレンジやライムといった柑橘系の爽やかな香りの後に、はちみつや紅茶の香りを感じます。
味わいは、オレンジやライムのフレッシュな酸味を強く感じ、その後にクリームやはちみつの甘さを感じます。
アルコールの刺激は少ないですが、土地柄による塩気やスモーキーな風味も感じます。
価格は約6000円と高く、風味にクセも感じるため中級者向けのウイスキーと言えます。
スタンダードボトルにしては完成度が高いため、飲み慣れた頃に試してみるといいでしょう。
オーバン18年 リミテッドエディション
オーバン18年 リミテッドエディションは、アメリカ市場向けにリリースされたボトルです。
香りは、洋ナシやオレンジのフルーティな風味、わら半紙や紙の渋みや苦みといった独特な香りも感じます。
味わいは、口当たりはメローで重厚感を感じます。オレンジマーマレードのようなほろ苦さ、塩キャラメル、はちみつの甘さ。
加水をすると、渋みや苦みが薄まり、甘みやピート香を強く感じるようになります。
ボトルは750mlとアメリカンサイズで、日本ではあまり見かけない珍しいボトルです。
オーバン21年 1996 リミテッドエディション
オーバン21年 1996 リミテッドエディションは21年熟成され、オフィシャルからリリースされた限定ボトルです。
香りは、ドライな潮の香り、乾燥された海藻の香り。
味わいは、クリーミーなテクスチャ―で、甘さの中に塩気を感じます。
スタンダードボトルとは違い、甘みの強い風味が特徴です。
オーバン21年 2013 リミテッドエディション
オーバン21年 2013 リミテッドエディションは、2013年にリリースされたカスクストレングスタイプです。
そのため、アルコール度数は58%と高くなっています。
香りは、パイナップルや白桃のフルーツの香り、ワックスやおしろいといった独特な香りも感じます。
味わいは、濃厚で凝縮されたパイナップルやドライバナナ、栗の皮のような渋みも感じます。
風味が独特なため、他のウイスキーでは味わえないような風味を楽しめます。
クセの強いウイスキーが好きな方におすすめです。
オーバン32年
オーバン32年は、世界で6000本限定で発売されたボトルです。
香りは、オーバン特有のオレンジピールのフレッシュな酸味の中に塩気を感じます。
味わいは、絹のようななめらかな口当たりと繊細な複雑さ、後から、塩っぽい酸味が続きます。
熟成年数も長いことから、重厚感も感じる玄人向けの風味です。
オーバン リトルベイ
オーバン リトルベイは、2015年に免税店向けにリリースされたボトルです。
シェリー樽、アメリカン・ホグスヘッド樽、それからニューオーク樽の3つの樽で熟成した原酒をブレンドしています。
香りは、オーバン特有の柑橘系のオレンジのフレッシュな香り、シトラスの香り。
味わいは、ケーキやオレンジ、はちみつの甘み、胡椒のスパイシーな辛みを感じます。
ノンエイジボトルで熟成年数は分かりませんが、熟成感もある風味となっています。
オーバン ディスティラリーズエディション ダブルマチュアード
オーバン ダブルマチュア―ドのダブルマチュア―ドとは、違った樽で二段熟成をするという意味になります。
また、UD社のクラシックモルトを構成する6蒸留所の各マスターディスティラリーが監修の下、製造されています。
香りは、オレンジのフレッシュな酸味、ほのかに香るピート香。
味わいは、ベリー系フルーツのフルーティな味わいにピート香やスモーキーなフレーバーを感じます。
オーバンの風味にスモーキーなフレーバーが加わり、またスパイシーな味わいも感じます。
甘味、苦み、酸味がバランスよく混ざりあったボトルです。
オーバン ナイツウォッチ ゲームオブスローンズ
オーバン ナイツウォッチ ゲームオブスローンズは、アメリカのドラマであるゲームオブスローンズを制作したHBOとオーバンを所有するディアジオ社がコラボしたボトルになります。
ナイツウォッチとは、「壁で人類を守る存在」という意味で、その誓約書がボトルに記載されているのも特徴です。
香りは、干し草、ココア、ビターチェリー、オレンジピール、ミルクチョコレート。
味わいは、リンゴや洋ナシのフレッシュな風味、それからオーバンの特徴である柑橘系のフルーツ感。
ゲームオブスローンズがお好きな方はぜひ手に入れておきたいボトルです。
オーバンの蒸留所・歴史
オーバン蒸留所は、1794年にスティーブンソン兄弟によって設立されました。
オーバンの町は元々わずかな規模の造船所や鉱業、漁業、貿易を行っているのみで、発展していませんでした。
スティーブンソン兄弟が1794年に蒸留所を町に中心に据えてからは、彼らは造船業や鉱業といった事業も行うようになり、徐々に町全体が発展していきました。
そのため、設立されてから200年間は、オーバンの街はシーサイドリゾートとして発展してきました。
蒸留所のオーナーは年数を重ねるごとに変わっていき、現在はMHD(モエヘネシーディアジオ社)によって運営がされています。
オーバンの製法
オーバンの原料は、ライトリーピーテッドと呼ばれる大麦麦芽を使用しています。
仕込み水は、グレネベリー湖の水が使用されています。
オーバンはスコットランドの中でも小さい部類はいるランタン型のポットスチルで蒸留しています。
ランタン型のポットスチルは、ウエストがくびれており外気に触れる面積がストレート型のポットスチルより広くなっています。
外気に触れる面積が広いと、ライトでシンプルな風味となります。
ランタン型のポットスチルは、「スマ・スチル」と呼ばれており、初溜釜1基と再溜釜1基の合計で2基のみで生産がされています。
オーバン好きにおすすめのウイスキー
オーバンが好きな方におすすめのウイスキーを紹介します。
オーバンの「柑橘系の酸味」や「スモーキーでピーティな風味」といった特徴を基準に2本選びました。
ダルモア12年
ダルモア12年は、スコットランドのハイランド地方で生産されているシングルモルトウイスキーです。
香りは、オレンジマーマレードのような柑橘系の香りやスパイスの香り。
味わいは、柑橘系のフルーティな味わいや酸味の他に、甘みを強く感じます。
シェリー樽をメインに熟成しているため甘みを強く感じるため、飲みやすく試しやすいボトルです。
オールドプルトニー12年
オールドプルトニーは、スコットランドのハイランド地方で生産されているシングルモルトウイスキーです。
また、オールドプルトニー12年はラインナップされている中のスタンダードボトルです。
香りは青リンゴやスモークしたレモン、潮の香り。
味わいは、口当たりがオイリーで、辛口な味わいです。しかし、はちみつやバニラといった甘み、洋ナシやレモンといった柑橘系の風味も感じます。
まとめ
オーバンはハイランド地方で製造されているシングルモルトウイスキーです。
レモンやライムといった柑橘系のフレッシュな酸味や土地柄からくる、ピーティでスモーキーな風味が特徴です。
価格が6000円と少し高く、クセも感じるため中級者向けのボトルになります。
ウイスキーを飲み慣れた頃にお試しください。