オルトモアはスコットランド、スペイサイド地方で造られるシングルモルトウイスキーです。
この記事では、オルトモアの味わいや特徴、歴史などまとめてご紹介します。
また、オルトモア好きにおすすめのウイスキーも紹介していますので、参考にしてみてください。
オルトモアの特徴・概要
オルトモアはスコットランドのスペイサイド地方にオルトモア蒸溜所があります。
この蒸溜所は1896年にアレクサンダー・エドワードによって創業され、「フォギー・モス」と呼ばれる野生の植物が自生する豊かな土壌が溢れる霧が深い湿地に建てられました。
オルトモアとはゲール語で「大きな小川」という意味です。
オルトモアの味・香りの特徴
オルトモアはフォギー・モスの豊かな土壌で濾過された水とノンピートモルトを使用し造られています。
フレッシュなリンゴの香りとハチミツやバタークッキーのような甘い香り、オークのウッディな香りが特徴です。
柑橘系のスッキリした甘みと酸味、麦の甘みとバニラの甘みも感じられ、後味はドライでスパイシー。
ノンピートなため飲み口も軽く透明感のある余韻が楽しめます。
オルトモアはデュワーズのキーモルト
オルトモアはブレンデッド・スコッチ・ウイスキー「デュワーズ」のキーモルトの1つとして有名です。
他にも、VAT69やジョニーウォーカー黒ラベルの原酒として使用されています。
オルトモアのおすすめの飲み方は「ハイボール」
オルトモアのおすすめの飲み方は「ハイボール」です。
ノンピートでクセがなくそのままでも飲みやすいウイスキーですが、よりコクのある甘みを堪能するならハイボールがおすすめ。
スパイシーさが抑えられ、ソーダの爽快感と甘みのバランスが取れてとても美味しく飲むことが出来ます。
オルトモアの種類
オルトモア12年
オルトモアのオフィシャルボトル、12年熟成されたボトルです。
オレンジや青リンゴのフルーティな香りと白ワインやバニラ、ハチミツの甘い香りが合わさり、華やかさが感じられる香りになっています。
飲み口はさっぱりとしていて桃のような甘味と柑橘系の酸味、バーボンカスク由来のオーク感もあり、程よく熟成された味わいが楽しめます。
オルトモア18年
オルトモア18年は、18年熟成されたボトルです。
12年よりもさらに甘みとスパイシーな味わいが特徴的です。
オルトモア 18年 1989-2007 ウイスキーエクスチェンジ
オルトモア18年は2007年にウイスキーエクスチェンジがボトリングした18年熟成のボトルです。
シェリーカスク由来の甘さ、プルーン、チョコレートやコーヒーのビター感にハーブやクローブのスパイシーさも合わさりエステリーな香りです。
飲み口は滑らかでビターチョコレートや濃縮フルーツの風味が広がり、ハーブのスパイシー感も相まって芳醇でコクがある味わいが楽しめます。
オルトモア19年 2015年ボトリング ザ・ウイスキーショップ
オルトモア19年は2015年にイギリスのザ・ウイスキーショップ向けにボトリングされたシングルカスクのオフィシャルボトルです。
特徴は19年熟成期間のうち、後半の5年がリオハワイン樽で熟成されている点です。
ワイン樽由来のフルーツの甘い香りが強く、リンゴやレーズン、あんずジャムが感じられシナモンのスパイシーさも効いてリッチな香りになっています。
飲み口は滑らか、芳醇なフルーツの濃い甘さとワイン感、シナモンのスパイシーさから渋みで引き締まる味わいが余韻として残り、リッチな味わいが楽しめる一本です。
オルトモア25年
オルトモア25年は、25年の長期熟成ボトルです。
12年や18年よりも色濃く仕上がっており、樽の味がにじみ出ている印象を受けます。
ふくよかな甘みと香りがより感じられる一本で、オルトモアファンであれば一回は飲みたい逸品です。
オルトモア1982 ホグスヘッド ウィームス
オルトモア1982はウィームスから発売された33年の長期熟成ボトルです。
バーボンカスク由来のハチミツやバニラの甘い香りと青リンゴの爽やかな香り、オレンジオイルのオイリー感、オーク感も相まってリッチな香りです。
飲み口は軽く、ハチミツのコクを感じられる甘み、オレンジオイルのまろやかさからタンニンの渋みと程よいウッディネスが後味を引き締め、バランスの良い味わいを楽しめます。
オルトモア蒸留所の歴史
オルトモア蒸溜所は1897年にアレクサンダー・エドワードによって創業され、スコットランドのスペイサイド地方、フォギー・モス(霧が深い湿地)と呼ばれる場所に建てられました。
この場所はかつて秘境と呼ばれていた神秘的な所で、木々が生い茂り、濃霧で周囲が見えなくなるため遠くからは確認できず、ウイスキーを密造するのに適していたとも言われています。
オルトモア蒸溜所はオーナーが次々に変わる蒸溜所で、
1923年にジョン・デュワー&サンズ社に買収されて以来、閉鎖、再開を繰り返していました。
現在は1998年にバカルディ社の子会社となったジョン・デュワー&サンズ社が所有しています。
オルトモアの製法
オルトモアはノンピートのモルトを使用し造られています。
ステンレス製の糖化槽マッシュタンと6つのカラ松製の発酵槽マッシュタンを使いわ分け、ポットスチルは2機の初溜釜(1万6400L)と2機の再溜釜(1万5000L)で生産されています。
オルトモア蒸溜所の特徴として挙げられるのは、蒸気機関による発電が使われていたことでしょう。
設立当初は水車動力の発電でしたが、まもなく変更されたとのことです。
修理時以外は一日中稼働しており、70年もの間電力が供給されていました。
蒸気機関が使用されていた蒸溜施設は現在では「ウォータールー・ストリートスタイル」と呼ばれる方式に変更。蒸留器のある外壁が窓になっており、換気のため開放することができる近代的な設備に変わりました。
オルトモア好きにおすすめのウイスキー
オルトモア好きにおすすめのウイスキーを紹介します。
今回はオルトモアをキーモルトとして使用し、造られているウイスキーを厳選してみました。
デュワーズ12年
デュワーズ12年はアバフェルディやオルトモアなど40種類以上の原酒をブレンドし、12年以上熟成させた贅沢なウイスキーです。
ハチミツやリンゴのトフィーの甘い香りと温めたバターのような香りで、口当たりはなめらかに感じられます。
味わいはブドウやシトラスのフレッシュさ、バニラの甘さが広がり、樽由来のキャラメルのようなまろやかさも加わり芳醇な香りと風味が楽しめます。
ジョニーウォーカー ブラックラベル12年
世界で一番売れているウイスキーといえばジョニーウォーカーです。
その中でもジョニーウォーカーブラックラベル12年はオルトモアをはじめ29種類のシングルモルトをブレンドして造られています。
ブラックラベルの象徴とも言えるスモーキーさとフルーティな青リンゴの香りが広がってきます。
口当たりはなめらかで飲みやすく、バニラの甘み、オレンジやレーズンの風味が感じられ、後から来るビターでスモーキーな味わいが心地よい余韻とともに楽しめます。
まとめ
シングルモルトウイスキー、オルトモアを紹介しました。
オルトモアはスコットランドウイスキーの中でもブレンダーや評論家から高い評価を受け、12のモルトに選ばれるなど希少価値の高いブランドです。
ノンピート麦芽を使用しておりピートが苦手な方でも飲みやすいウイスキーですので、バーなどで見かけたらぜひ飲んでみてください。