グレングラントの種類や味わい・おすすめの飲み方などを徹底解説

グレングラント

青りんごのようなフルーティな味わいで、イタリア人に愛されているグレングラント。

グレングラント10年と18年は、スコッチウイスキー・オブ・ザ・イヤーに受賞されたこともある名酒です。

この記事では、そんなグラングレントの魅力や歴史についてをまとめましたので、ぜひ読んでください。

目次

グレングラントの特徴・概要

グレングラント 製法

出典:glengrant.com

グレングラントとは、マッカラン、グレンリベット、グレンフィディックと同じスペイサイドのシングルモルトです。

青りんごを感じさせるフルーティーな味でとても美味しいですが、残念なことにあまり日本人にあまり馴染みはありません。

グレングラントはイタリアで大人気のウイスキーで、また、過去に2回もスコッチウィスキー・オブ・ザ・イヤーに受賞しています。

そんな魅力的なグレングラントの特徴を3つご紹介します。

Simplicityをモットーにしたウイスキー

グレングラントの特徴はクリアでライトという親しみやすさです。

このグレングラントの製法は、スペイサイドの自然に合わせた素直にウイスキーからなるものです。グレングラントが信じ、守り続けるもの、“Simplicity”、日本語で“シンプルさ”や“飾り気のないこと”という意味です。

1840年、ジョンとジェームズのグラント兄弟がスペイサイドにウイスキー蒸溜所を創業して以来、170年を経った現在でも、世界で愛され続けているシングルモルトウイスキーです。

イタリア人に愛された国民的なウイスキー

イタリアでは、主に5年もののグレングラントが出回っており、そのシェア率は70%でもなります。

その背景としてグラント蒸溜所はスペイ川の下流の町にあるローゼスに建設されていました。

グラント兄弟は地元の名士でもあり、スペイサイドからイングランドに鉄道を敷いて、自分たちのウイスキーを大量に輸出しました。

このことにより、グレングラントはスコットランド以外で、初めてウイスキーをスコットランド以外に売り出したのです。

つまり、イタリアのバーで唯一飲めるシングルモードはグレングラントだったわけです。

このような歴史があり、イタリア人に愛され続けるウイスキーになったのです。

ウイスキー界の数々の賞を受賞

グレングラントは国際的な賞を数多く受賞している名酒です。

グレングラント10年はウイスキー・バイブル2013年〜2017年にて「ベスト シングルモルト賞(10年以下熟成の部)」を5年連続受賞し、さらに、2016年には「シングル・モルト・オブ・イヤー」を受賞しました。

また、グレングラント18年は2016年10月に発行された“世界のウイスキー愛好家のバイブル”と言われる、ジム・マーレー著「ウイスキーバイブル2017」において、スコッチウイスキー部門No.1の「スコッチ・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。

グレングラントおすすめの飲み方はロックとハイボール

基本的には、どんな飲み方でもグレングラントを楽しむことができますが、ロックとハイボールがおすすめです。

グレングラントの青りんごのようなフルーティーなグレングラントとソーダとの相性は抜群です。

ハイボールにした際の立ち上がるソーダがグレングラントの爽快な味わいを持たせます。

またロックでも爽やかな飲み口があり、とてもおすすめです。

特にグレングラント12年は、熟成が木材の芳香が強くなり味に深みがあります。

グレングラントの種類

この項目では種類がたくさんある、グレングラントを1種類ずつご紹介します。

グレングラント メジャーリザーブ

グレングラント メジャーリザーブ

グレングラント メジャーリザーブは、最もフレッシュでライトな仕上がりで、フルーティで爽やかな切れ味も特徴です。

1本2000円前後で購入することができる一本なので、デイリーで飲むのがおすすめです。

グレングラント5年

グレングラント5年

グレングラント5年は、イタリアで最も人気のある銘柄です。

軽やかでさわやかな印象のウイスキーで、口に含むと青りんごのフルーティさと、麦芽シアトルの香ばしさを感じレモンピール、後味はカカオのビターも感じます。

グレングラント5年
created by Rinker

グレングラント10年

グレングラント10年

グレングラント10年は、「ウイスキーバイブル2017」で、ベストシングルモルトスコッチウイスキー(10年以下熟成部門)に5年連続で選ばれている名作です。

グレングラント5年よりも軽やかさが薄れて、リッチな味わい。

ハイボールにしてもおいしい、グレングラントの今を知るにはうってつけのボトルです。

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グレングラント12年

グレングラント12年

グレングラント12年は、「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション2016」で金賞に輝いた一本です。

原料はノンピートモルト、12年以上熟成した原酒が使われています。

飽きのこないスムースな飲み口と華やかな香りが特徴です。

グレングラント16年

グレングラント16年

グレングラント16年は、バーボン樽で16年以上熟成した原酒を使った長熟のボトルです。

香りは上品な洋梨のフルーティで、口当たりはミディアムボディ、香りで感じたレモンジャムを焼いてレモンケーキにしたような味わいです。

グレングラント16年
created by Rinker

グレングラント18年

グレングラント18年

グレングラント18年は、親しみやすさはそのままに豊かな熟成感ときわめてスムースな飲み口が特徴的な一本です。

フローラルな香りが華やかなに際立つことも特徴の一つです。

「スコッチウイスキーオブ・ザ・イヤー」に輝いたこの傑作のボトルで、世界中から高い評価を受けています。

グレングラント25年

グレングラント25年

グレングラント25年は、1981年チャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚を記念してリリースしたボトルです。

通常のグレングラント同様、はじめにバーボン樽で熟成させた後に、さらにシェリー樽で熟成させたボトルで、シェリー酒の影響を大きく纏った風味が特徴です。

世界でわずか800本のみで限定リミテッドエディションウイスキーです。

グレングラント30年

グレングラント30年

グレングラント30年は、1840年に設立されたグレングラントの開業150周年を祝うため、1990年にリリースされた30年もののボトルです。

味わいは、バランスの良いとても上品な甘さが印象的で、とても深みのある味です。

グレングラントの蒸留所・歴史

グレングラント蒸留所

出典:glengrant.com

グレングラントは、兄のジェイムズと弟のジョンのグラント兄弟によって、この世に生まれました。

兄は、ダンデライス蒸留所で運営経験があり、弟ののジョンはアベラワーで蒸留技師がありました。

この時代は、政府から蒸留所の免許が下りるまでは、違法でウイスキーを製造していたと可能性があります。

そんな経験豊富なグラント兄弟のグレングラント蒸留所は、1861年に蒸留所において、はじめて電灯を導入して、業務の効率化を図ります。

1864年は弟のジョンが亡くなり、そして兄のジェイムズも亡くなります。

しかし、同名の息子のジェイムズがその意志を継ぎます。

この息子のジェイムズは恵まれた環境からか、公私ともにスペシャルに充実していて、結婚は3回、子どもはなんと8人います。

また、大の旅行好きでアフリカやインドに良く行き、ハンティングやフィッシングに没頭していました。

ちなみに、初めてロールスロイスに乗ったという逸話もあります。

しかし、ジェイムズは散財するような人物ではなく、もともと好奇心があり新しいもの好きで、発明家としての顔を持っています。

そんな彼は、後にグレングラントの代名詞といえる、首の細長いポットスチルと精溜器を開発して導入します。

1886年に蒸留所を庭園に併設。

27エーカー(約11万㎡)の土地の中には広大な温室と大規模な家庭菜園があり、庭師は15人雇われていました。

1897年には蒸溜所前に新たな蒸溜所「グレングラントNo.12」を建設。

建設後は、しばらく家族経営しますが、1953年にグレンリベットと合併して、その傘下として稼働します。

1965年にはグレンリベットNo.2の操業を再開。

その際、「キャパドニック」と改名されますが、現在では閉鎖されています。

1977年シーグラム社、2001年ペルノ・リカール社、2006年カンパリ社と変わり、最終的にはグレングラントの消費率が最も高いイタリアのカンパリ社になります。その際、買収された価格がなんと1億5千万ポンドです。

2010年にキャパドニック蒸留所跡地はスコットランドのポットスチルメーカー、フォーサイス社に売却されました。

ちなみにグレングラント蒸溜所にニッカウヰスキーの創業者の竹鶴政孝が本物のウイスキーづくりを学ぶために訪れたという記録もあります。

グレングラントの製造方法

グレングラント 製法 樽

出典:glengrant.com

グレングラントの製法のポイントは2つあり、それは「仕込み水」と「ポットスチル」です。

仕込み水に使われるのは、蒸溜所の近くで流れるグレングラント川の水です。

この水は、コーヒーのように黒い色をしていることから、別名ブラックバーンと呼ばれています。

水が黒くなっている原因は、折り重なるピートの層が潜り抜けた水にピートの色が移ったからです。

黒色の水で、一見不気味に思うブラックバーンですが、良質な天然の湧水はグレングラントの風味に大きく関わっています。

また、ポットスチル特徴で、グレングラント蒸溜所のスチルは、一般的なバルジ方のスピリットスチルと、仏舎利塔のような変わった形のスチルの2つが使われています。

細長く、背の高ポットスチルで蒸溜を行うと、雑味を含んだ比重の重いスピリッツの蒸気は最上部に上昇しません。

代わりにピュアで比重の軽いスピリッツだけが抽出されます。

このスチルの組み合わせにより、最高峰なグレングラントの風味を引き出しているわけです。

グレングラント好きにおすすめウイスキー

この項目ではグレングラントがお好きな人におすすめなウイスキーをご紹介します。

グレングラントに似た風味、グレングラントと似た環境のウイスキーを飲むことで、よりグレングラントのことがわかるかもしれません。

ベンリアック10年

ベンリアック10年

ベンリアック10年は、グレングラントと同じスペイサイド地方にある蒸溜所で、ノンピート麦芽とピーテッド麦芽を使って製法されています。

2つのタイプのシングルモルトを製造している蒸溜所です。

現在は希少となった少量のフロアモルティングで行っており、熟成と仕上げに様々な樽を巧みに使い分ける革新的な製造方法が特徴です。

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ブッシュミルズ シングルモルト 10年

ブッシュミルズ シングルモルト10年

こちらもグレングラントとアイルランドで生産される「ブッシュミルズ」。

かつてはスコッチウイスキーに勝るとも劣らぬ人気のアイリッシュウイスキーです。

ここ最近になって少しずつ認知されてきたアイリッシュですが、スコッチしか飲んだことのない方に、おすすめしたいウイスキーです。

ライトでスムースな味わいが特徴です。

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まとめ

多くのイタリア人に愛された国民的なウイスキーのグレングラント。

特徴的な仕込み水と、ポットスチルの製法で、青りんごのようなフルーティな味わいで、口に含んでから余韻までを楽しませてくれます。

グレングラントは、食用酒やソーダ割といった幅広く飲むことができて、初心者にもおすすめなウイスキーです。

これから、ウイスキーを飲んでみたいという方にもおすすめなので、ぜひ飲んでみてください。

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