グランツの種類や味わい・おすすめの飲み方などを徹底解説

グランツ ウイスキー

グランツは、グレンフィディックを手がけるウイリアム・グラント&サンズ社によって作られています。

この記事では、グランツの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介します。

記事の最後には、グランツが好きな方におすすめのウイスキーも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

グランツの特徴・概要

グランツ

グランツはスコットランドのハイランド地方で生産されているブレンデッドウイスキーです。

グランツとスコッチの売り上げNo.1を誇るグレンフィディック蒸留所は姉妹蒸留所であり、ウイリアム・グラント&サンズ社が手がけています。

ウイリアム・グラント&サンズ社はグランツやグレンフィディック以外にも、バルヴェニーやキニヴィ、モンキーショルダーといった銘柄を保有しています。

味・香りの特徴

グランツは姉妹蒸留所であるグレンフィディックやバルヴェニーをキーモルトとして使用しています。

グレンフィディックの甘くスムースな味わいや、バルヴェニーの甘く華やかでフルーティな風味を堪能できます。

クセがなく飲みやすいグランツは1000円台で購入でき、ストレート、ロック、水割り、ハイボールとどんな飲み方でも美味しく飲めるコスパの高いブレンデッドウイスキーです。

ボトルの形に込められた意味

グランツは、シングルモルトで世界一の売り上げを誇るグレンフィディックの製造元、ウィリアム・グラント&サンズ社が手がけています。

この特徴的な三角形のボトルのそれぞれの面には「火」、「水」、「土」といった意味が込められています。

  • 火・・・石炭による直火焚き
  • 水・・・良質な軟水である仕込み水
  • 土・・・大麦とピート

といった意味があり、創業者の掲げたウイスキーに大切な三つの要素を表しています。

ウイスキーのボトルは円柱型がメジャーとなっていますが、三角形のボトルを採用することで、ボトルデザインが代名詞的な役割を担っています。

グランツのおすすめの飲み方はストレート・ハイボール

グランツは、どんな飲み方でも美味しく飲めますがストレートもしくはハイボールでの飲み方が特におすすめです。

チューリップ型のグラスにウイスキーを注ぐと、バニラの甘い香りやフルーツ系のフルーティーな香りを良く感じます。

雑味やクセのないやさしい口あたりは、まずはストレートでお試しください。

ハイボールで飲むと、フルーツ系のフルーティで華やかな香りがより一層強まり、ゴクゴク飲めてしまいます。

あっさりとした味わいになるため、夏場のような暑い日におすすめの飲み方です。

グランツの種類

グランツ8年

グランツ8年

「グランツ 8年」は、東南アジア向けにリリースされていたブレンデッドウイスキーですがライナップ刷新により現在は終売になっています。

このボトルは、8年以上オーク樽で熟成したモルトとグレーン原酒をブレンドしています。

香りは、樽由来のバニラやオークの香りと青リンゴのフルーティーな香りがします。

味わいは、ライトな口当たりで最初にバニラの甘みがはじまり、その後青リンゴや洋ナシの果実類が続き、徐々にビターな味わいに変化します。

余韻は、スモークやピート感はありませんが甘みが舌にのこります。

グランツ8年
created by Rinker

グランツ18年

グランツ 18年
グランツ18年は、オーク樽で18年以上熟成させたモルト原酒と厳選したグレーン原酒をブレンドしています。

最後にポートパイプの樽で6か月間熟成させています。

香りは控えめですが、リッチで濃厚なフルーティな香りを楽しめます。はちみつや胡椒のスパイスが効いたピリッと閉まる香り、ナッツの芳醇な香りを感じます。

口あたりが滑らかで、フルーツケーキやブラックベリーの甘くフルーティな風味で、リッチでエレガント。

IWSC(インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション)では、2013年にトロフィー賞、2014年と2015年はゴールド賞、2016年にはシルバー賞を獲得しています。

また、ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)では、2013年にゴールド賞、2014年にゴールド賞、2016年にシルバー賞を獲得しています。

その他にも、さまざまな賞を受賞しており合計で37つの賞を受賞しています。

グランツ25年

グランツ 25年

グランツ25年は、25年以上の原酒とグレーン原酒を組み合わせています。

香りは、シェリー由来のレーズンの甘い香りの他に、熟成年数からくるアルコール感やスパイシーな香り。

味わいは、メープルシロップやはちみつの甘く芳醇な風味、胡椒やペッパーのピリッとした辛味を感じます。

粘性が強く口の中には甘くフルーティな風味が残ります。

加水をすると、果物系のフレッシュでフルーティーな香りが増します。

グランツ25年
created by Rinker

グランツ トリプルウッド

グランツ トリプルウッド
グランツ トリプルウッドは、ラインナップされている中のスタンダードボトルです。

グランツトリプルウッドは、その名の通り3つの樽を使って熟成しています。

  • スパイシーな風味を生み出す「ヴァージンオーク樽」
  • 口あたりの良いバニラの風味を生み出す「アメリカンオーク樽」
  • 濃厚でスムース、まろやかな風味を生み出す「ファーストフィルのバーボン樽」

香りは、バランスの取れたバニラの風味や果実のようなフルーティで甘い香り。

味わいは、バニラや洋ナシの甘くフルーティーな風味、樽由来のスモーキーな味わいです。

バランスが取れており、クセがないためストレートでも美味しく飲めます。

あわせて読みたい
グランツ トリプルウッドの味・香りをレビューや口コミから評価 グランツ トリプルウッドは、スコットランドで作られているブレンデッド・ウイスキーです。 この記事ではグランツの中から「グランツ トリプルウッド」の特徴やテイステ...

グランツ トリプルウッドスモーキー

グランツ トリプルウッドスモーキー

グランツ トリプルウッドスモーキーは、「グランツトリプルウッド」と同じ樽構成で熟成していますが、ピーテッド原酒の比率を高めています。

燻製の香りやナッツやアーモンドのスモーキーな風味を強く感じますが、バニラの甘味や柑橘系のフルーティな味わいも感じます。

スモーキーフレーバーであるため、ウイスキーを飲み慣れている方におすすめです。

グランツ ファミリーリザーブ

グランツ ファミリーリザーブ

グランツ ファミリーリザーブは、グランツトリプルウッドが発売される前のスタンダードボトルです。

主要なキーモルトは、グレンフィディック、バルヴェニー、キニヴィ。

香りは、ドライレーズンやバニラ、熟した果実といった甘い香りの他、ピート香もかすかに感じます。

味わいは、バニラクリームのような甘み、青リンゴ、グレーンモルト由来のドライ、辛味を感じます。

主要なモルトの風味がよくわかるフルーティで爽やか、甘い味わいはストレートはもちろんのこと、ロックや水割り、ハイボールとさまざまな飲み方に適応します。

グランツ ファミリーリザーブ
created by Rinker

グランツ シェリーカスクリザーブ

グランツ シェリーカスク リザーブ

「グランツ シェリーカスク リザーブ」は、グランツのラインナップ刷新前にリリースされていたブレンデッドウイスキーです。

このボトルは、シェリー樽で熟成をおこないアルコール度数40まで加水処理をおこなっています。

香りは、シェリーやベリーによる樽由来のフルーティーな香りにソフトクリームの甘い香りとフローラルな香りで華やかさを感じます。

味わいは、クリーミーな口当たりで樽由来の甘酸っぱさとコショウのスパイシーを感じます。

余韻は、ブラックペッパーのスパイシーさと甘さがかすかに残ります。

グランツ シェリーカスク リザーブ
created by Rinker

グランツ ラムカスクフィニッシュ

グランツ ラムカスクフィニッシュ

グランツ ラムカスクフィニッシュは、アメリカンオーク樽で熟成した後に、ラムカスクで4か月間追加熟成しています。

香りは、ラムレーズンやアイスクリームの甘くフルーティな香り、穏やかなスモーク香も微かに感じます。

味わいは、八角やシナモン、唐辛子風味のパイナップルといった強烈なスパイスの風味が特徴的です。しかし、その中にもフレッシュな風味や焼きたてのリンゴのような甘い味わいもあります。

スパイス風味が強烈であるため、「グランツ トリプルウッドスモーキー」と同様に飲み慣れた方におすすめです。

グランツ ラムカスクフィニッシュ
created by Rinker

グランツ蒸留所・歴史

ウィリアムグラント

グランツは、グレンフィディックの創業者であるウィリアム・グラントにより、1898年に誕生しました。

しかし、グレンフィディックはそれより前に誕生しており、ウィリアム・グラント&サンズ社の創業は1887年で、この時にグレンフィディックは誕生しています。

ウィリアム・グラント&サンズ社は、スコットランド最大の独立系蒸留業者で代々家族によって経営がされています。

操業を開始してから5年後が経った1892年には、グレンフィディック蒸留所の隣にバルヴェニー蒸留所を設立。

しかし、1898年にはお得意先であったパティソンが破産してしまい、ウィリアム・グラント&サンズ社は大きな打撃を受け経営がピンチになってしまいます。

そんなピンチの状態の時に、ウィリアム・グラントは独自のブレンデッド・ウイスキーの生産を手がけ、「グランツ」の前進である「グランツ スタンドファスト」が誕生しました。

独自のブレンデッドウイスキーを製造したことにより、ピンチから脱したウィリアム・グラント&サンズ社は、1903年に会社を組織化します。

その後は、販売にも力を入れていきウィリアム・グラントの義理の息子であるチャールズ・ゴードンが会社の最初のセールスマンとして活躍します。

1957年には、現在も使用されている三角形のボトルデザインを採用し、1963年に世界初となるシングルモルトウイスキー「グレンフィディック」をリリースしました。

1990年にはキニヴィ蒸留所を設立し、2007年にはアイルサベイ蒸留所も設立しています。

グランツの製法

グランツ 製法

グランツは、グレンフィディックを始めとする、ウィリアム・グランツ&サンズ社が所有する原酒の他に、25種類のハイランドモルト、エアシャー蒸留所で作られているグレーン原酒をブレンドしています。

グレンフィディックの他には、バルヴェニー、キニヴィ、アイルサベイがキーモルトとしてブレンドされています。

熟成には「アメリカンオーク樽」、「ヴァージンオーク樽」、「リフィルバーボン樽」の3つの樽で熟成させ、樽を使い分けることで豊富なバリエーションを作っています。

グランツ好きにおすすめのウイスキー

グランツが好きな方におすすめのウイスキーを紹介します。

グランツのキーモルトとして使われている、「グレンフィディック」と「バルヴェニー」を紹介します。

実際にキーモルトとして使われているシングルモルトを味わうことで、グランツの印象が変わります。

グレンフィディック12年

グレンフィディック12年

グレンフィディック12年は、グレンフィディックからラインナップされている中のスタンダードボトルであり、世界で初めてシングルモルトウイスキーとして販売されました。

そのため、グレンフィディックは「シングルモルトのパイオニア」とも呼ばれています。

香りは、洋ナシや青リンゴのようなフレッシュでフルーティな香りです。

味わいは、軽やかな口あたりで甘くスムースな芳醇な風味を感じますが、舌の上でピリッとする辛味も感じます。

グランツの甘くフルーティな風味は、グレンフィディックから来ているのでしょう。

あわせて読みたい
グレンフィディックの種類や味わい・おすすめの飲み方などを徹底解説 グレンフィディックは、世界で初めて発売されたシングルモルトです。 非常に飲みやすく世界で最も飲まれていることから、ウィスキーを初めて飲む方にもおすすめのシング...

バルヴェニー12年 ダブルウッド

バルヴェニー12年 ダブルウッド

バルヴェニー12年 ダブルウッドは、豊かで芳醇な味わいが特徴で非常に飲みやすいのが特徴です。

熟成には、ダブルウッドの名前の通りバーボン樽で熟成した後に、ヨーロピアンシェリー樽で後熟しています。

香りは、はちみつや果実のフルーティな香り。

味わいは、バニラや洋ナシ、青リンゴの甘くフルーティな風味。シェリー樽で後熟しているため、甘口となっています。

また、口あたりが優しく滑らかななため飲みやすい印象を受けます。

あわせて読みたい
バルヴェニーの種類や味わい・おすすめの飲み方などを徹底解説 バルヴェニーは、芳醇な香りと奥深い味わいのあるシングルモルトウイスキーです。 口当たりがまろやかで、とても飲みやすく初心者にも親しみやすいお酒です。 また、高...

まとめ

グランツは、スコットランドのハイランド地方で生産されているブレンデッドモルトです。

キーモルトには、姉妹蒸留所であるグレンフィディックやバルヴェニー、キニヴィ、アイルサベイが使われています。

価格帯は1000円台でスーパーやコンビニ等で気軽に購入でき、ストレートやロック、水割り、ハイボールと多彩な飲み方で美味しく飲めるため、初心者向けのブレンデッドウイスキーです。

このページをシェアする
目次