ヘーゼルバーンは、スプリングバンク蒸溜所で現在造られているウイスキーです。
1997年にリリースした比較的新しいお酒で、名前の由来は1925年に閉鎖されたヘーゼルバーン蒸溜所からとっています。
ヘーゼルバーンは、誕生して若いウイスキーですが、緻密な製法により奥深い味わいなのが特徴的です。
この記事では、そんな魅力的なスプリングについてご紹介します。
ヘーゼルバーンの特徴・概要
ヘーゼルバーンは、現在はスプリングバンク蒸溜所で製造されており、ノンピート麦芽を使って3回蒸溜して造られるシングルモルトです。
1997年にリリースされたウイスキーの中でも、とても若い部類に入るシングルモルトウイスキーです。
ヘーゼルバーンの味わい・香りの特徴
ヘーゼルバーンの香りはフリーズドライのグレープフルーツ、凝縮した麦芽、強いミネラルと潮風で,味わいはだんだんと刺激的に凝縮された柑橘系フルーツと麦芽の旨味があります。
煙たさと塩分が売りのスプリングバンクと同じスプリングバンク蒸溜所でありながら、ピート香がせず塩分も殆ど感じられず非常に品のある味わいなことが特徴的です。
ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝と深い関係
ヘーゼルバーンの名前の由来のヘーゼルバーン蒸溜所は、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝氏が、1920年から5カ月に渡り実習を行ってことでも知られている蒸溜所です。
そのため、山崎や余市といったジャパニーズウイスキーの蒸溜所の直系の親ともいえます。
ヘーゼルバーンのおすすめの飲み方はストレート
ヘーゼルバーンの特徴のノンピート麦芽と、シェリー樽による熟成を楽しむには、ストレートやロックで飲むことをおすすめします。
口に含むとライムの香りが最初に感じられ、あとからはちみつ、バニラなどが続いて感じられます。
ストレートやロックで存分に味わった後に、加水してお好みの味を見つけましょう。
ヘーゼルバーンの種類
ヘーゼルバーンの種類についてご紹介します。
ヘーゼルバーン8年
ヘーゼルバーン 8年は、年間の生産量が少ないため6000本しか出回りません。
また、8年というわずかな時間で熟成したとは思えない程豊かな味わいができるウイスキーです。
色は、ペールゴールドで、香りはラズベリーやシャーベット、バニラになります。
味は優雅にスイートでモルティーでバニラ、糖蜜、トースティーなオーク材、ペッパーになります。
ヘーゼルバーン9年 バローロカスク
ヘーゼルバーン9年 バローロカスクは、最初の6年間はファーストフィルのバーボンバレルで熟成させており、残りの3年間はイタリア最高峰の赤ワイン「バローロ」のホグスヘッドで追熟しています。
香りはマンダリン、パイナップル、ベリーなどのフルーツのアロマをメインで、味わいはレーズン、ドライココナッツなのが特徴的です。
ヘーゼルバーン10年
ヘーゼルバーン10年は、100%バーボン樽熟成されています。
香りは煮込んだ洋梨、アップルパイ、蜜蝋、キャラメルになります。
味はバニラ、蜂蜜の芳醇な甘さに甘草、オレンジピールの心地良いスパイスで、クリーミーなミルクチョコレートの後味になります。
ヘーゼルバーン12年
ヘーゼルバーン12年は、ヘーゼルバーンのファーストヴィンテージとなる1997年の原酒のみを使った記念すべきボトリングです。
シェリー・カスクを100%使用した贅沢なつくりで、深いマホガニー色に仕上がっているのが特徴です。
ヘーゼルバーン13年 シェリーウッド
ヘーゼルバーン 13年シェリーウッド、ファーストフィルとリフィルのオロロソシェリー樽原酒のみを贅沢に使って熟成しています。
世界で12,000本の限定リリースされています。
香りは、レーズンや糖蜜、潮になり、味わいはストロベリージャムやオレンジチョコレートなどになります。
ヘーゼルバーンCV
ヘーゼルバーン CVは、いろいろなタイプのカスクを混ぜ合わせるウイスキーです。
そのため、ヘーゼルバーンの個性・魅力を最大限に表現したものと言われます。
バニラ、モルティさ、潮気、イチゴジャムの香りといった特徴から「もっともヘーゼルバーンらしいヘーゼルバーン」との評価もあります。
ヘーゼルバーン14年 シェリーウッド
ヘーゼルバーン 14年 シェリーウッドは、オロロソシェリー樽でフルマチュアードしています。
香りはレーズン、アーモンド、ミックスベリー、ダークチョコレートで、味わいはラズベリー、ブルーベリー、ミルクチョコレートと奥深いです。
ヘーゼルバーンの歴史
ヘーゼルバーンは、キャンベルタウン地域に蒸溜所にありました。しかし、1925年に閉鎖をされてしまいます。
その後、時を経てスプリングバンク蒸溜所がキャンベルタウン・モルトの復活を目的で1997年から生産を開始しています。
スプリングバンク蒸留所は、スコットランド西岸のキンタイア半島先端のキャンベルダウンという町にあります。創業は1828年で、スコットランドでは数少ない独立資本の蒸留所で、ミッチェル家が経営しています。
余談ですが、ヘーゼルバーンがリリースされる前の1985年にロングロウがリリースされています。
スプリングバンク、ロングロウ、ヘーゼルバーンはスプリングバンク蒸溜所で製造されています。
ヘーゼルバーンの製法
スプリングバンク蒸溜所はスコットランドでは数少ない独立資本の蒸溜所です。
また、製法には、一貫して守り続けてきたものがあります。
麦芽を全てが自家製麦(フロアモルティング)で行っています。
初留釜は石炭での直焚きで、現在では珍しく自社でのボトリングという最終工程までを蒸溜所内で行っています。
最終工程までを一貫しているからこそ、今日まで伝統的な味を頑なに守り続けることができるのです。
ヘーゼルバーン好きにおすすめウイスキー
ここでは、ヘーゼルバーンが製造されているスプリングバンク蒸溜所で造られている他の2つのウイスキーをご紹介します。
スプリングバンク12年
スプリングバンクは、アルコールが強くスパイシーでクセのある味が特徴です。
数あるウイスキーの中では比較的「通好み」のウイスキーといえるでしょう。
レモンやオレンジ、ピーチなど果物の酸味や爽やかさを感じで、複雑な味が重なりあいながらもしっかりとした味を確立しています。
ロングロウ
ロングロウは、48時間ピートのみで乾燥させてフェノール値50-55ppmの麦芽を使用していて、2回蒸溜して造られるシングルキャンベルタウンモルトウイスキーです。
香りは甘いピートスモーク、バニラなどで、味はバニラトフィー、リンゴです。
まとめ
ヘーゼルバーンは、スプリングバンク蒸留所のスプリングバンク、ロングロウの続くシングルモルトです。
3回に渡る蒸溜から海からの塩辛さや甘さを感じる香りが特徴で、香りや味わいが複雑で楽しめる魅力的なお酒です。
ヘーゼルバーンの味を堪能した方は、スプリングバンクやロングロウも飲んでみてはどうでしょうか。