インペリアルはスペイサイドで造られていたレアなシングルモルトウイスキーです。
この記事では、インペリアルの味わいは特徴、歴史などまとめて紹介します。
また、インペリアル好きにおすすめのウイスキーも紹介していますので参考にしてみてください。
インペリアルの特徴・概要
インペリアルはスコットランドのスペイサイドにあった蒸溜所で造られたウイスキーです。
1897年に創業を開始したインペリアル蒸溜所は、ダルユーイン蒸溜所の第2工場としてスペイ川の対岸に建設されました。
インペリアルの味・香りの特徴
インペリアルの香りの特徴としては、フローラルな花の香り、フルーティな甘さ、バニラやチョコレートような濃厚な甘さが感じられるところでしょう。
味わいは優しい果実の甘さ、バニラやハチミツの甘さ、ドライですっきりとしたフレーバー、オークのスパイシーさが余韻に残ります。
長期熟成は甘みも濃厚に感じられ、優しい飲み口ながらリッチな味わいが楽しめるウイスキーと言えるでしょう。
インペリアルの名前の由来
スコッチウイスキーの蒸溜所名はそのほとんどが地名や土地柄、環境などから付けられていますが、インペリアルはそうではありません。
ちょうどインペリアル蒸溜所が創業された年がヴィクトリア女王の在位60年ダイアモンドジュビリーに当たったため、その記念として名付けられました。
インペリアルのおすすめの飲み方は「ストレート」
インペリアルのおすすめの飲み方は「ストレート」です。
華やかな香りと果実やハチミツ、バニラの甘味が特徴ですが、加水することにより渋みが増し繊細さが損なわれるのでそのままのストレートがおすすめです。
フルーティで深みの味わいを堪能できます。
インペリアルの種類
オールド&レア インペリアル30年
「オールド&レア」シリーズは長熟原酒や希少な原酒をそのままカスクで瓶詰めしたウイスキーです。
その中のインペリアル30年は生産本数224本の限定品となっています。
香りは煮込んだリンゴやベリー系の果実の甘さ、バニラカスタードのような甘さが合わさりリフィルバレルのリッチ感を楽しめます。
フルボディーながら口当たりはなめらかで果実のフルーティさとバニラやバタースコッチのような甘さが広がり、濃厚な味わいがとても心地よい余韻として残ります。
ビクエスト インペリアル1998/2020
インペリアル1998/2020は21年熟成のモルトを使用して造られており、
生産本数は160本と少なめ。希少な長期熟成を堪能できるボトルです。
このインペリアル1998は一つの樽で熟成されたシングルカスク、さらに加水せずにボトリングされたカスクストレングスなので純度の高いウイスキーです。
香りはティアレの花の高貴な甘さ、熟れた洋梨のフルーティな甘さ、ミルクキャラメル、アップルトフィの香ばしい甘みが続きます。
口当たりは優しく、ミルクティーのような甘味と紅茶のタンニンの渋みの味わいが広がります。後にはハチミツの甘み、オレンジ、バーボンバレル由来のオークとスパイスが感じられ、心地よい甘みが最後まで楽しめます。
セレブレーション・オブ・ザ・カスク インペリアル1995
インペリアル1995はバーボンバレルで23年熟成されたシングルモルトです。
こちらもシングルカスク、カスクストレングスでボトリングされています。
チョコレートケーキのようなビターな甘い香りとヒッコリーやジンジャーのスパイシーな香りが特徴です。
トフィーの甘さ、塩ピーナッツやピーカンパイの塩味、バーボンバレル由来のオーク感も合わさり甘さと塩味がマッチングした絶妙な味わいが楽しめます。
インペリアルの歴史
インペリアル蒸溜所は1897年にトーマス・マッケンジーにより創業されました。
当人はダルユーイン蒸溜所とタリスカー蒸溜所を所有しており、自らの事業拡大のため設立したそうです。
1898年には蒸溜所の運営会社であるインペリアル・ディスティラーズがダルユーインとタリスカーと合併。ダルユーイン・タリスカー・ディスティラーズとなります。
1899年にはパティソン事件の影響で蒸溜所が閉鎖に追い込まれ、20年ほど操業停止を余儀なくされました。
閉鎖中の1916年にダルユーイン・タリスカー社がコンソーシアム(DCL、デュワーズ、ジョン・ウォーカーなどの組織)に買収。その後、1919年に蒸溜所が再開されます。
1925年にはDCLがジョン・ウォーカーとデュワーズなどを吸収し、インペリアルはDCL傘下になりましたが、この年に蒸溜所は再度閉鎖されました。
30年後の1955年にインペリアル蒸溜所が再開。
1964年には設備を強化。ポットスチルを増設し4基に、フロアモルティングをサラディンボックスに切り替えるなどの変更がありました。
1985年にはまたまた蒸溜所が閉鎖し、1989年に蒸溜所はアライド・ディスティラーズに売却されます。
その後、1991年に再開されるも、1998年にはまた閉鎖。
2005年にインペリアル蒸溜所はフランスのベルの・リカールに売却されます。
そのまま閉鎖されていたため2013年には蒸溜所施設が解体、撤去され現在は別の蒸溜所が建てられています。
インペリアルの製法
インペリアル蒸溜所は現在は閉鎖されていますが、スペイサイドにあった蒸溜所です。
仕込み水はバリントム川の水源から採り使用されています。
カラマツ製の発酵槽が6基、蒸留器は初留釜が2基と再留釜が2基の設備で生産されていました。
バーボンバレルで長期熟成されたシングルモルトが特に人気の高いウイスキーです。
インペリアル好きにおすすめのウイスキー
インペリアル好きにおすすめのウイスキーとして同産地のウイスキーを2つ紹介します。
ザ・マッカラン12年
ザ・マッカランはシングルモルトのロールスロイスとも評されるスペイサイドを代表するウイスキーです。
その中でもザ・マッカラン12年はオリジナルで開発されたシェリー樽で造られたボトルです。
バニラやドライフルーツの甘い香り、後からほんのりとジンジャーも感じられ上品な香りを堪能できます。
シェリー樽由来のドライフルーツの濃厚な甘みとシェリーの風味、飲み進めるとウッドスモークとスパイシーさも感じられ、ソフトな口当たりでとても美味しいウイスキーです。
アベラワー10年
アベラワーはシングルモルトウイスキーです。
生産量の50%はクランキャンベルやハウス・オブ・ロードなどのブレンデッドウイスキーのキーモルトとして使用されています。
バニラの甘さ、カラメル、トーストの香ばしい香り、後からオレンジやライムの柑橘系の香りが感じられます。
ブランデーのようなニュアンスでラムレーズンの風味、カラメル、バニラの甘さが広がり、後味は柑橘系のフルーティな味わいが楽しめます。
まとめ
インペリアルを紹介しました。
ヴィクトリア女王即位60周年(ダイヤモンド・ジュビリー)の年に設立された記念すべき蒸溜所です。
現在、インペリアル蒸留所は閉鎖され稼動していませんが、原酒を使用したボトラーズが数多くリリースされていますのでバーなどで見かけたらぜひ飲んでみてください。