アイルオブジュラは、アイラ島の東北に浮かぶジュラ島でつくられたシングルモルトウイスキーです。
この記事では、アイルオブジュラの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介します。
また、併せておすすめのウィスキーをご紹介します。
読み終わる頃にはアイルオブジュラが飲みたくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
アイルオブジュラの特徴・概要
アイルオブジュラは、ジュラ蒸溜所でつくられています。
ジュラとはゲール語で「鹿の島」の意味します。
その理由は、島の人口は200人足らずなのに対して、鹿は6,000頭以上を生息しているため「ジュラ」という名前でつけられました
その島の名前を取ってつけたウイスキーです。
アイルオブジュラの味・特徴
「アイラ」と聞くと、スモーキーな味わいを連想しますが、この銘柄はどちらかというとハイランドモルトに近く華やかで甘口、飲みやすいので、女性や初心者におすすめできるウイスキーです。
スコットランドで3番目に人気のあるブランド
アイルオブジュラは、スコットランドで3番目に消費されているブランドです。
日本ではあまり知られていませんが、スコットランドでは昔から品質とコストパフォーマンスが高いことで知られています。
アイルオブジュラのおすすめの飲み方は「ストレート」
アイルオブジュラはストレートで飲むことをおすすめします。
ストレートで飲んだ方が、アイルオブジュラのフルーティーで甘口軽快を存分に楽しむことができます。
ストレートで、存分に楽しんでから、アレンジしたソーダ割などで楽しむのもありです。
アイルオブジュラの種類
ここでは、アイルオブジュラの種類についてご紹介します。
各ラインナップを飲み比べることで、味の違いを知ることができますので、よりアイルオブジュラについて知ることができます。
アイルオブジュラ ジャーニー
アイルオブジュラ ジャーニーは、2018年4月にリリースされた比較的新しいジュラのコアレンジです。
香りは、バニラとオレンジなどの柑橘類のスパイスで、干し草にうっすらと漂うスモークがあります。
味わいは、梨のような瑞々しさにあり、シナモンとクローブのスパイスも感じます。
アイルオブジュラ 10年
アイルオブジュラ 10年は、アメリカンホワイトオークのバーボン樽+オロロソシェリー樽フィニッシュといった構成しています。
2020年現在、まだまだ市場やモルトバーにはひとつ前のレンジである「オリジン」のほうが出回っています。
香りは、やや甘みを増した印象で、干し草、ふすまパン。レモン、オレンジがあります。
味わいは、フレッシュなリンゴとシナモンのスパイスです。香りほど甘さには無くドライな印象。やや土っぽさを伴いヨモギのような植物っぽさを感じさせます。
アイルオブジュラ オリジン 10年
アイルオブジュラ オリジン 10年は、熟成樽はファーストフィルのバーボン樽が使用されています。
このボトルは、2018年4月まではブランド内のスタンダード的立ち位置でしたが、コアレンジの刷新により終売しました。
香りは、ふくよかなバニラやセロリ、干し草、ほんのりシナモンスパイス、りんご飴になります。
味わいは、アップルシナモンのフルーティな甘みとスパイシーといった奥深さがあります。
アイルオブジュラ セブンウッド
アイルオブジュラ セブンウッドは、ファーストフィルのバーボン樽で熟成を行った後に、6種類のフレンチオーク樽にて追加熟成して作られたボトルです。
香りはコーヒーやミルクチョコレートを感じさせ、徐々にシュガーバターブレッド、パイナップルキャンディ、奥にほんのりココナッツがあります。
味わいは、上品なハチミツの甘みやジンジャーのジャムをつけたクッキーを感じさせ、後半にはビターチョコレートになります。
アイルオブジュラ 12年
アイルオブジュラ 12年は、バーボンバレルにて熟成を行った後に、オロロソシェリー樽にて追加熟成して仕上げています。
香りは、ナッツ入りチョコレートやウッドスパイス、シナモンシュガーで砂糖漬けのオレンジピールを感じさせます。
味わいは、とてもジュラらしいハチミツとねっとりとしたバナナの味わいにピートがうっすらとかかります。
アイルオブジュラ 18年
アイルオブジュラ 18年は、バーボン樽にて熟成した後、レッドワインカスクにて追加熟成を行ったものです。
香りはプラムや蜂蜜に浸したレーズン、カカオ、シナモンのフルーツの瑞々しさが出ています。
味わいはメープルシロップ、トフィーのしっかりした甘みがあり、肉厚で熟れたブラックベリー、ビターチョコ、ウッドスパイスです。
アイルオブジュラ 21年
アイルオブジュラ 21年は、創立200周年を祝い、2010年にリリースされた数量限定のボトルです。
香りは、豊かな強いキャラメルナッツのアロマでプラム、ドライベリー、苺ジャムといったベリー系の要素があります
味わいは、苺ジャムやミルクチョコレートの甘みがあり、中盤にココアのほろ苦さ、干し草、奥にミントとリコリスがあります。
アイルオブジュラの歴史
ジュラ島のクレイグハウスという村の中心街にジュラ蒸溜所は建てられています。
ジュラ島の密造の歴史は深く、1502年には既に密造酒を造っていたという資料がある程です。
ジュラ蒸溜所は、その密造酒を造っていた蒸溜所とほぼ同じ場所に建てられました。
創業は1810年と古いのですが、土地代のことで地主とトラブルになり20世紀なってからは約50年閉鎖していました。
その後、1963年に、とある2人の地主が島民の雇用を確保するための働きかけをしたためジュラ蒸溜所が再稼働しました。
1995年にホワイト&マッカイ社の手に渡り2007年インドのUBグループの参加になり、2014年にフィリピン大手メーカーであるエンペラドール社によって買収され現在に至ります。
アイルオブジュラの製法
原料となる麦芽はスコットランド本土から取り寄せており、基本ノンピートの麦芽のみを使用しているのがポイント。
ただし、近年では7~8月にかけての1ヶ月間だけの期間限定でフェノール値55ppmのヘビリーピーテッドの麦芽を仕込みに利用するようになりました。
仕込み水は蒸溜所背後にあるマーケット・ロッホの湧水を使っています。
この水はピート色が濃く、まるでコーヒーのような茶色の水質となります。
この仕込み水と麦芽がアイルオブジュラの土台となるものになります。
ポットスチルはランタンヘッド型で初溜2基、再溜2基の合わせて4基。
スチルはいずれも巨大で高さが8メートルもあります。
この巨大なスチルもアイル・オブ・ジュラのスムースな味わいに関係していると言えます。
熟成に使用するのはバーボンやシェリー樽の他に、ボルドーやトロンセ、リムーザン、アリエなどの豊富なワイン樽を巧みに利用して追熟やヴァッティングを行い、複雑な味わいを付与、表現しています。
このようにして奥深い味わいを表現しているのです。
アイルオブジュラ好きにおすすめウイスキー
ここでは、アイルオブジュラと同じアイラ系のウイスキーについてご紹介します。
飲み比べをすることで、アイラ系の特徴をより深く分かるようになるでしょう。
ボウモア12年
ボウモア 12年は、ボウモアのなかでも代表的な存在として世界的な人気を集めるシングルモルトです。
スモーキーさはしっかりと感じるものの、強すぎも弱すぎもせず、スッキリとした飲み心地が感じられます。
ブナハーブン12年
ブナハーブン12年は、1979年に初めてリリースしたシングルモルトウイスキーです。
バーボン樽がメインに熟成されており、風味にはシェリー樽由来の香味もしっかり感じることができます。
香りは、黒糖やドライレーズン、カカオ、青リンゴ、うっすらとしたハチミツも感じます。
味わいは、青リンゴの酸味やレーズンの甘み、後半にビターチョコの甘みがあります。
まとめ
ジュラ蒸溜所で製造されているアイルオブジュラについてご紹介しました。
島にある唯一のあるジュラ蒸溜所でつくられるアイルオブジュラは甘口のため、女性や初心者におすすめできるシングルモルトウイスキーです。
値段も比較的手に入れやすいので、色々な飲み方を楽しんではどうでしょうか。
この記事で興味を持った方は、アイルオブジュラを是非ご賞味ください。