ウイスキー銘柄

ボウモアの種類や味わい・おすすめの飲み方などを徹底解説

ボウモアはウイスキーの聖地であるスコットランドのアイラ島で作られるシングルモルトウイスキーです。

別名アイラの女王とも呼ばれています。

スモーキーでピーティーな香りとドライな飲み口、そして何と言っても、アイラモルト独特の潮の香りが特徴的な銘柄です。

ボウモアは初心者向けではありませんが「一度ハマればクセになる」と、ウイスキーラバーには根強い支持を得ている、格調高い銘柄です。

アイラの女王「ボウモア」の特徴と概要

「アイラの女王」と呼ばれる3つの理由

ボウモアは「アイラの女王」と呼ばれています。

なぜそう呼ばれているのかという理由については、3つあります。

・アイラ島における最古の蒸留所
・アイラ島で唯一、エリザベス女王が訪れた蒸留所
・上品な甘みが「女性的な味わい」と評されている

アイラ島は、スコットランドの西側にある島で、大きさは淡路島よりも少し大きい程度です。

人口は3400人ほどですが、島の基幹産業がモルトウイスキーの蒸留という、ウイスキーの島。

ウイスキー好きならば必ず一度は口にしたことがあるであろう著名なモルトウイスキーの蒸留所が8つもひしめいているため、島自体が「ウイスキーの聖地」と呼ばれています。

その8つの蒸留所のうちの1つがボウモア蒸留所です。

確かにボウモアはアイラモルトというよりかスコッチの中でも屈指の知名度を誇る別格のブランドなので、女王の名にふさわしいウイスキーと言えるでしょう。

名前の由来は「ボウモア村」

ボウモア村

出典:Reading Tom

ボウモアとは、村の名前です。

アイラ島の中心地がボウモア村であり、その地名を蒸留所に付けたと伝わっています。

意味はゲール語で「大きな湾」「大きな岩礁」です。

海のシングルモルト

ボウモア 蒸留所

出典:Pete Favelle

ボウモアは「海のシングルモルト」呼ばれることがあります。

その理由は、ボウモア蒸留所が海とともにウイスキー作りをしているからです。

島という地理がすでに海に囲まれていますし、ボウモア蒸留所も海のすぐそばにあり、麦芽を乾燥させるために焚くピート(泥炭)を掘り出すアイラ島のピート原野には常に潮風が吹いています。

海藻由来のヨード臭といった海のエッセンスを存分に含んだピートは、焚く時にその香りが大麦に移り、ウイスキーに潮の香りを纏わせます。

また、海抜0メートルという特殊な場所にある第1貯蔵庫の存在も、ボウモアと海の関係を深めています。

まさに岸壁ギリギリに建つこの貯蔵庫で熟成されるウイスキーは、常にずっと海からの湿気と潮の香りに包まれている状態。

こうした地理的な条件と職人たちの巧みなワザによって、ボウモアから「海」を感じることができるのです。

今も守り続ける伝統的な製法

フロアモルティング製法 ボウモア

出典:sebastian.b.

古くからウイスキー作りが盛んなスコットランドですが、時代の流れとともに、多くの蒸留所が製法を変えています。

しかし、ボウモア蒸留所では昔ながらの伝統的製法を守り続けています。

ボウモアならではの伝統的製法としてよく取り上げられるのが「フロアモルティング」。

これは製麦という工程で、大麦の発芽を促すための作業なのですが、手間もコストもかかるため、今では多くの蒸留所が製麦会社に委託しています。

そんな中、昔ながらの自家製麦を続けているのがボウモアです。

フロアモルティングは床一面に大麦を広げます。

これは空気によく触れさせるためです。

そしてモルトマンが24時間体制で、床に撒かれた大麦を撹拌したりして管理します。

これが非常に根気のいる作業、かつ熟練した技術が必要なので、決して効率的な方法とは言えません。

それでもボウモア蒸留所でフロアモルティングが続けられている理由は、伝統的でオリジナルな自家製麦にこだわるからこそ。

「効率よりも伝統を守る」「製麦にまで手作りのこだわりを」というボウモアの信念と自信が、気品漂う独自のボウモアらしさを生み出しています。

ボウモアのおすすめの飲み方は「ストレート」

ボウモア 飲み方

出典:Bowmore

ボウモアのおすすめの飲み方はストレートです。
理由は、個性が強いアイラモルトの香りや味わいをダイレクトに楽しむことができるからです。

クセが苦手な方は、ソーダ割りに向いているとされる「12年」「ナンバーワン」や「スモールバッチ」をハイボールにし、香りを楽しみながら味わっていただくことをおすすめします。

ボウモアの種類

ウイスキーの基本的な飲み進め方は、同じ銘柄で異なる年代の種類を飲み比べていきます。
(縦飲み、垂直飲みといいます。)

理由としては、同じ銘柄であれば味やテイストの傾向が共通しており、比べたときにより違いがわかりやすいため自分の好みに合った年代を見つけやすいからです。

ボウモア12年

ボウモア12年

ボウモア12年は、ボウモアシリーズのレギュラーボトルです。

特徴的なのは、強く感じることのできるスモーク香とピート香。

そこに樽由来のフルーティーさが非常にバランスよくプラスされています。

味わいは蜜のように甘く、余韻はビターチョコレートに似ています。

独特の個性を持っていますが、「優しい・なめらか」という一面もあるので、ラフロイグやアードベッグといったクセの強いアイラモルトに比べると飲みやすいです。

参考ボウモア12年の味・香りをレビューや口コミから評価

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ボウモア15年 ダーケスト

ボウモア15年 ダーケスト

ボウモア15年 ダーケストは、バーボン樽で12年熟成させた原酒を、さらにオロロソ・シェリー樽で3年追熟させたボトルです。

12年のボトルとは3年しか違いませんが、その違いにきっと驚くことでしょう。

ダークチョコレートやレーズンのようなドライフルーツ感のある香りと、甘くウッディな味わいが魅力。

こちらもアイラモルト固有のクセは控えめです。

ボウモア18年

ボウモア18年

ボウモア18年は、シェリー樽の比率を高めた、特別感のあるボトルです。

長期熟成モノならではのまろやかさとシェリー由来の甘みが絶妙に重なり合い、リッチな味わいを生み出しています。

ボウモア特有のスモーク香・ピート香の中に漂う、完熟フルーツの香りが爽やか。
甘みはドライフルーツやチョコレートを思わせ、ウッディでバランスのとれた余韻が長く贅沢に続きます。

ボウモア25年

ボウモア25年

ボウモア25年は、シリーズ最高峰と言われているボトルです。

最低でも25年熟成させたシェリー樽の原酒とバーボン樽の原酒をヴァッティング。

長期熟成によってアルコールの刺激やピート香は穏やかに。

円みを帯びた香りだからこそ、シェリー由来の甘やかさが際立っています。

バニラやハーブも感じられ、味わいはラムレーズンのドライフルーツ感にダークチョコレートのコクが追いかけてきます。

そして、深くウッディなフィニッシュ。

まろやか、濃厚、円熟…そのどれもがしっくりとくる最上級のウイスキーです。

「サンフランシスコワールドスピリッツコンペティション」でも最高賞を受賞した、まさに完熟の逸品です。

ボウモア ナンバーワン

ボウモア ナンバーワン

ボウモア ナンバーワンは、ボウモアが誇るスコッチウイスキー最古の貯蔵庫と言われる「第1貯蔵庫」の原酒を使用したボトルです。

海抜0メートルという非常に特殊な場所にある貯蔵庫で、そこで眠る原酒は潮の香りや海のエッセンスを纏います。

ナンバーワンは、その第1貯蔵庫で熟成されたファーストフィルバーボン樽の原酒を100%利用した貴重なボトルです。

ゆえに、第1貯蔵庫ならではの潮の香りとバーボン樽由来のバニラ感のハーモニーが、大きな特徴となっています。

ボウモア特有のスモーク香とピート香はやや強め。

シナモン・ハチミツを思わせる味わいに、甘じょっぱさを感じ取る人も。

よく、ハイボールとの相性抜群なボウモアとして紹介されています。

ボウモア ヴォルト

ボウモア ヴォルト

ボウモア ヴォルトも第1貯蔵庫で熟成させた原酒を使用したボトルです。

ヴォルトとは「金庫」や「貴重品の保管室」を意味します。

この一言で、ボウモアにとって「第1貯蔵庫」がいかに特別な存在であるかが分かります。

お宝が眠っているような名前そのままに、第1貯蔵庫の中に眠る原酒は貴重なものばかり。

その原酒を厳選、ヴァッティングして作られたボトルがヴォルトです。

第1貯蔵庫からの潮の香りと、ボウモアならではのスモーク感が見事に融合しており、味わいにはドライマンゴーのようなトロピカル系の甘み・スパイシーなココアが感じられ、スモーキーで心地よい余韻が長く続きます。

とても表情豊かなシングルモルトで、数量限定品となっています。

ボウモア レジェンド

ボウモア レジェンド

ボウモア レジェンドは年数の表記はありませんが、比較的若いボウモアと言われています。

強めのヨードに、スムーズでライトな味わい、そして後味にアイラモルトらしいスモーキーさが残ります。

正規の販売はないため、並行輸入品としてのみ入手可能です。

ボウモア スモールバッチ

ボウモア スモールバッチ

ボウモア スモールバッチは、2種類のバーボン樽原酒を使用したボトルです。

シリーズの中でもノンヴィンテージな銘柄です。

ファーストフィルとセカンドフィルのバーボン樽で少量熟成させた原酒を使っているため、バーボン樽の影響を大きく受けています。

口当たりはまろやかですが、キレやスパイシーさが際立っているのはバーボン樽由来のもの。

香りにもバーボンらしいバニラ感があり、潮の香りも漂います。

味わいは甘くスパイシー。シトラスやシナモンを思わせる甘みです。

この特徴的なキレのあるスパイシーさは、ハイボールとの相性がぴったりとされています。

ボウモア蒸留所の歴史

ボウモア 蒸留所

出典:Bowmore

1779年、地元の商人だったデビット・シンプソン氏が設立。

アイラ島の中心部にあるインダール入江に面した場所に蒸留所が建てられました。

数あるアイラ島の蒸留所の中で、一番古くから操業しています。

また、ボウモアの貯蔵庫はスコットランド最古のものです。

歴史ある由緒正しい蒸留所なのですが、実は不運なことに、オーナーが何度も入れ替わるという過去を持っています。

1837年の最初の買収を機に次々とオーナーが変わり、1963年にスタンレー・P・モリソンが蒸留所を取得。のちにモリソン・ボウモアとなるも経営はどんどん悪化していきます。

ウイスキーの命とも言える樽を新しくすることもできなくなり、古いものをリサイクルしなければならないほどだったそうです。

そんな中、ボウモアを救ったのは日本のサントリーでした。

1989年に30%の資本を買い取り、1994年には完全子会社化。

サントリーの資本参加によってボウモアは蘇り、十分な資金を得て、樽から設備までを整えました。

2014年、サントリーホールディングスがビーム社を買収したことにより、現在はサントリーホールディングスがビームサントリーを介して、ボウモア蒸留所を所有しています。

ボウモアの製法

ボウモア 製法

出典:Bowmore

ボウモアにはアイラ島の自然の恵みがふんだんに詰まっています。

というよりも「アイラ島」という奇跡的な地理的要因がなければ、ボウモアは誕生しなかったでしょう。

それはボウモアの製造工程を見れば明らかです。

まず、水に浸けた大麦を伝統的なフロアモルティングによって製麦、キルンと呼ばれる塔でピートを焚いて麦芽を乾燥します。

この時、スモーキーな薫香とともに、前述したアイラ島のピート特有の潮の香り・磯臭さ・海藻由来のヨード臭が麦芽に付きます。

ボウモアのスモーク感、ピート香、さらに海を感じさせるフレーバーの秘密はここにあると言えるでしょう。

次の糖化の工程で使われる仕込み水は、これは蒸留所近くを流れるラガン川の水です。

このラガン川の水はピート層を通ってきているので、ピートの影響を非常に強く受けています。

アイラ島ならではの特徴であり、仕込み水となる川の水にさえピートが溶け込んでいるというワケです。

ボウモアのピート香がこの仕込み水によってさらに深まります。

できあがった麦汁は発酵によってウォッシュ(発酵液)となり、小型のストレートヘッドタイプの銅製ポットスチルで2度、蒸留されます。

蒸留されてできた原酒は、ホワイトオークのバーボン樽とスパニッシュオークのシェリー樽をメインとした樽に詰められ、貯蔵庫へ。

貯蔵庫にもボウモア独自の特徴があり、海辺に建つボウモアの貯蔵庫には常に潮の香りが満ちています。第1貯蔵庫はなんと海抜0メートルというから驚きです。

海の湿り気と香りの中で、長い年月を過ごし、熟成するボウモア。

“ウイスキーの聖地”アイラ島の自然が育んだ芸術品と言っても過言ではありません。

ボウモア好きにおすすめウイスキー

アイラの女王と称えられるボウモア。

ボウモアの次もぜひ、アイラモルトを試してみてください。

ラフロイグ

ラフロイグ10年

女王に出会ったなら、王様にも飲んでみることをおすすめします。

ラフロイグは「アイラの王」と呼ばれる、アイラモルトです。

アイラ島に王者として君臨するだけのことはあり、かなり力強く個性的。

強烈なピート香は好き嫌いが別れますが、その香りに魅せられたファンも多くいます。

ラフロイグ
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キルホーマン

キルホーマン マキヤーベイ

124年ぶりにアイラ島に建てられた新しい蒸留所、キルホーマン。

まだ若い蒸留所ですが、作られるウイスキーにはしっかりとアイラらしいピート香が漂います。

ピーティーでスモーキー、若いウイスキーらしいアルコールの刺激が特徴です。

キルホーマン
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カリラ

カリラ 12年

カリラは、甘さ控えめ、ドライな飲み口で塩気や塩っ辛さを感じられるのが独特です。

アイラらしいスモーク香・ピート香がある、フルーティーなフレーバー。

どっしりとした重厚さというよりは、ボウモアと同じく、女性的な味わいと言われています。

カリラ
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まとめ

ボウモアというウイスキーについて詳しくなれたのではないでしょうか?

確かにアイラモルトは初心者向けとは言いがたいですが、初心者を卒業してピート系デビューをしてみたいなら、アイラの中でも比較的優しいボウモアがオススメです。

風格のある味わいが、新しいウイスキー体験をさせてくれます。

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