ニッカカフェグレーンは、ニッカウヰスキーが製造しアサヒビールが販売を行っているグレーンウイスキーです。
特徴的なのが、カフェ式連続式蒸溜器による製造です。
この記事では、ニッカカフェグレーンの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介します。
記事の最後には、ニッカカフェグレーンが好きな方におすすめのウイスキーも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ニッカカフェグレーンの特徴・概要
ニッカカフェグレーンは、世界でも稀少なカフェ式連続式蒸溜器で製造をしたグレーンウイスキーです。
グレーンウイスキーとは、トウモロコシや小麦などの穀物と麦芽を原料として発酵させ、連続式蒸溜器で蒸留しています。
ニッカカフェグレーンの場合は、カフェ式の蒸溜器で蒸留することにより、一般的なグレーンウイスキーに比べ、原料由来の甘さがしっかり残っているのが特徴です。
ニッカカフェグレーンの味・香りの特徴
ニッカカフェグレーンは、バニラの甘い香りクッキーの香ばしい香り、なめらかな口当たり、はちみつやバニラのような甘みを強く感じる風味となっています。
その風味を作り上げているのが、カフェ式の連続式蒸溜器です。
カフェ式連続式蒸溜器での製造
カフェ式連続式蒸溜器とは、1826年に開発者のイーニアス・カフェの名前にちなんで「カフェスチル」と呼ばれています。
連続式蒸溜器は、元々ブレンデッド用のグレーンウイスキーの製造のために使われていました。
ブレンデッド用であるため、原酒の風味が薄くても問題はありませんでした。
しかし、カフェ式連続式蒸溜器は一般的な連続式蒸溜器に比べ、原料となる穀物の甘く芳醇な風味が原酒に残るのが特徴です。
そのため、カフェ式連続式蒸溜器で製造されたウイスキーは、ストレートでも美味しく飲めるほど風味がしっかり残っています。
ニッカカフェグレーンのおすすめの飲み方はストレート
ニッカカフェグレーンは、ストレートでの飲み方がおすすめです。
ストレートで飲むと、原料の甘く芳醇な風味をよく感じ、クセもないためウイスキーの飲み慣れていない方でも美味しく飲めてしまいます。
ただ、ニッカカフェグレーンは少し加水をしたトワイスアップやロックでも風味が崩れることがないため、好みの飲み方を探してみてください。
ニッカカフェグレーンの種類
ニッカカフェグレーン
ニッカカフェグレーンは、ニッカウヰスキーが所有している宮城峡蒸留所のカフェ式連続式蒸溜器で製造されています。
香りは、ウッディなバニラ香やクッキーのような香ばしさ、チョコレートや佐藤を焦がしたような甘い香りを感じます。しかし、その中にも青リンゴのようなフレッシュさも伴っています。
味わいは、クリーンでなめらかな舌触りが特徴で、バニラやはちみつのような甘い味わいを感じます。
インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2015では、金賞を受賞しています。
ニッカカフェモルト
ニッカカフェモルとも、宮城峡蒸溜所にあるカフェ式連続式蒸溜器で製造されています。
香りは、麦芽の甘さや香ばしさ、樽の熟成香、バナナやメロンのようなフルーティな香り、バニラやはちみつといった甘い香りを感じます。
味わいは、ライトでスムースな口当たりで、やわらかいコクとフルーティな風味。後味は、スッキリとしていて爽やかな後味となっています。
ライトで風味が弱いグレーンウイスキーに比べると、風味がしっかり残っているためストレートでも美味しく飲めます。
ニッカカフェグレーンの蒸留所・歴史
カフェ式蒸溜器が発明されたのは1830年ころです。
ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝が、カフェ式連続式蒸溜器を導入したのが、1963年です。
そして、ニッカカフェグレーンが発売されたのが2012年で、最初は欧州で先行発売がされました。
欧州で販売された、「ニッカカフェグレーン500ml」は、洗練されたウイスキーボトルやパッケージのデザインが評価され、「ワールド・ウイスキー・デザイン・アワード2013ベスト・グレーンウイスキー」を受賞しています。
欧州での販売が成功したニッカカフェグレーンは、2014年に日本でも発売が始まり世界的に好評価を得ています。
その証拠に、イギリスのスピリッツ専門誌「THE SPIRITS BUSINESS」においては、2014年に「THE MOST INNOVATIVE SPIRITS LAUNCH OF 2014」に選ばれています。
また、2017年にはインターナショナル・スピリッツ・チャレンジでは、ウイスキー部門カテゴリーの最高賞であるトロフィー賞を受賞しています。
ニッカカフェグレーンの製法
ニッカカフェグレーンは、カフェ式の連続式蒸溜器で製造を行っています。
そもそも連続式蒸溜器とは、1826年にスコットランドのロバート・スタインが発明しました。
連続式蒸溜器は、連続的に発酵液を流し入れ、気化と凝縮をひとつの蒸溜器の中で連続的に行う製法です。
これを行うことで、高いアルコール度数の蒸溜液を作ることができます。
しかし、アルコール度数が高いと原料の風味は残らなくなりますが、単一式蒸溜器に比べ大量生産が可能になります。
また、連続式蒸溜器はブレンデッド用のグレーンウイスキーの製造のためにあったため、風味が残らなくても問題ありませんでした。
しかし、カフェ式連続式蒸溜器であれば、原酒の成分が強く残るといった特徴があります。
そのため、カフェ式連続式蒸溜器で作られたニッカカフェグレーンは、原料となる穀物の甘く芳醇な風味のあるウイスキーとなっています。
ニッカカフェグレーン好きにおすすめのウイスキー
ニッカカフェグレーンが好きな方におすすめのウイスキーを紹介します。
ニッカカフェグレーンの「甘い風味」や「軽やかな舌触り」といった特徴を基準に2本選びました。
シングルモルト宮城峡
宮城峡は、ニッカウヰスキーが所有する宮城峡蒸溜所で製造されているシングルモルトウイスキーです。
香りは、リンゴや洋ナシのようなフルーティな香りや花のフローラルな香り。
味わいは、なめらかな舌触りでドライフルーツのようなスイートな風味。
個性がありつつもクセが強くないため、初心者向けのシングルモルトウイスキーです。
飲み方は、ロックか水割りがおすすめです。
ブラックニッカ ディープブレンド
ブラックニッカ ディープブレンドは、ニッカウヰスキーが製造しており、新樽のモルトを使用しているのが特徴です。
通常であれば、中古の樽で熟成を行っていますが、ブラックニッカ ディープブレンド
は珍しい新樽での熟成です。
香りは、芳醇でウッディな新樽の香りやバニラのような甘い香り。
味わいは、樽の深いコク、モルトの豊かで伸びのある甘い味わいです。
まとめ
ニッカカフェグレーンは、世界では珍しいカフェ式連続式蒸溜器で製造を行っています。
カフェ式連続式蒸溜器で製造を行うことで、蒸溜所の過程で原酒に原料の風味が濃く残るといった特徴があります。
そのため、カフェグレーンはバニラやはちみつといった甘い味わいや、穀物由来の甘く芳醇な香りを強く感じます。
ストレートでも美味しく飲めるため、ぜひお試しください。