オールドクロウは、アメリカのケンタッキー州で作られているバーボンウイスキーです。
この記事では、オールドクロウの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介します。
記事の最後には、オールドクロウが好きな方におすすめのウイスキーも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
オールドクロウの特徴・概要
オールドクロウはアメリカのケンタッキー州で作られており、名前の「クロウ」は、製造者である「ジェイムズ・クロウ」が由来となっています。
オールドクロウは、あの松田優作が愛したボトルとして有名です。
現在は、ビームサントリー社によって製造と販売がされています。
味・香りの特徴
オールドクロウは、昔から愛されているバーボンウイスキーです。
コーンの比率が75~80%と非常に高く、樽の内側を焦がしたホワイトオークの樽で熟成しています。
そのため、甘みと酸味、フルーティのある独特な風味が生まれ、まろやかな口あたりでサッパリとして飲みやすいことから、人気となりました。
ジェイムズ・クロウが生み出したサワーマッシュ製法
サワーマッシュ製法とは、バーボンの品質を一定にする製法のことで今や当たり前のようにさまざまな蒸留所で取り入れられています。
そのサワーマッシュ製法を生み出しのが、オールドクロウの製造者である「ジェイムズ・クロウ」であり、オールドクロウはサワーマッシュ製法で作られた一番目のバーボンウイスキーです。
サワーマッシュ製法で製造することで、香り高くなめらかな味わいとなります。
この製法により、オールドクロウは一気に人気の銘柄となり他のバーボンウイスキーの製造過程に取り入れられました。
松田優作が愛したオールドクロウ
オールドクロウは、松田優作が愛したことボトルということでも知られています。
松田優作が出演している遊戯シリーズの第3弾、1979年に公開された「処刑遊戯」の作中にも、オールドクロウを飲むシーンがあります。
また、松田優作が通い詰めたバーには彼がキープしていたボトルが飾ってあるとのことです。
オールドクロウのおすすめの飲み方はハイボール
オールドクロウは、ハイボールでの飲み方がおすすめです。
オールドクロウの甘い味わいやフルーティな香り、スパイシーで爽やかな風味は炭酸とよく合います。
炭酸と合わせることでフレッシュでライトな味わいとなり、ゴクゴク飲めてしまうフレッシュな味わいは濃い料理との相性がバッチリです。
オールドクロウの種類
オールドクロウ
「オールドクロウ」は、ラインナップされている中のスタンダードボトルです。
香りは、バニラやナッツのような甘い香りにエステリー香で、アルコールの香りが強いかなという印象を抱きます。
味わいは、バナナやナッツの甘さやフルーティな味わいを感じますが、アルコールの刺激や辛味、酸味を強く感じます。
甘味はありますが、ビターでドライ、スパイシーな味わいが特徴的です。
オールドクロウ リザーブ
「オールドクロウ リザーブ」は、オールドクロウの上位モデルという位置づけです。
販売元であるサントリーが輸入していないため、現在は並行輸入でのみ入手可能。
オールドクロウより1年長い4年熟成で、アルコール度数は43度です。
香りは、オールドクロウより熟成年数が長いため樽の香りやライ麦パンの香りがします。
味わいは、口あたりが軽くスッキリとしたバニラやバナナの甘み、酸味を少し感じます。
バーボンらしくないスッキリとした味わいとなっています。
オールドクロウ ボンデッド
オールドクロウ ボンデッドは「ボルド・イン・ボンド法」と呼ばれる一昔前の法律に基づいた製法で作られています。
「ボルド・イン・ボンド法」とは、
- アルコール度数が最低50%で瓶詰め
- 政府監督下の保税倉庫で最低4年以上熟成
- 単一の蒸留所で1年間のうちの1シーズンに蒸留された原酒のみ使用可能
といった厳しい条件の中で製造され、現在は廃止されています。
香りは、柑橘系のフルーティな香りと生クリームのような甘い香り。
味わいは、濃厚なバニラの強い甘み、やや辛みはありますが全体的にまろやかでバランスの取れている味わいとなっています。
オールドクロウ トラベラー
「オールドクロウ トラベラー」のボトルは、スリムでカバンやシャツに忍ばせて持ち運びしやすいことから、トラベラーという名前が付けられています。
香りは、バニラビーンズやバナナといったフルーティで甘みある香りです。
味わいは、バニラやバナナの甘み、樽の香り、酸味、シナモンのスパイシーな風味を感じます。
甘みと辛味のバランスの取れた味わいです。
1960年代に流通していたボトルなため、バーで見つけたら飲んでみましょう。
オールドクロウ ローリングK
オールドクロウ ローリングKは、オールドクロウ蒸留所が閉鎖した翌年の1988年に日本向けに作られたボトルです。
そのため、オールドクロウの原酒が使われていた可能性があるレアなボトルです。
香りは、バーボン特有の酸味の後に甘い香りが漂ってきます。
味わいは、まろやかで飲みやすく、バーボンらしいバナナやバニラの甘い味わいが特徴的です。
やや酸味はあるものの、甘みが強いため非常に飲みやすいボトルです。
オールドクロウの蒸留所・歴史
オールドクロウの製造者はスコットランド生まれで、医学や科学、またウイスキーの蒸留職人といった多彩な才能を持つジェイムズ・クロウです。
ジェイムズ・クロウは、発酵工程にリトマス試験紙を使って酸度を測る方法や、サワーマッシュ製法の開発とバーボンウイスキーの発展に貢献をしてきました。
サワーマッシュ製法は、ジェイムズ・クロウが1830年代にケンタッキー州のウッドフォード郡オールド・オスカー・ペッパー蒸留所(現ウッドフォード・リザーブ蒸留所)で働いていた時に誕生しました。
サワーマッシュ製法で作った「オールドクロウ」は、瞬く間に人気の銘柄となり、飛ぶように売れました。
しかし、1856年にジェイムズ・クロウが亡くなったときにオールドクロウの製造方法を上手く引き継ぐことができなかったため、オリジナルのオールドクロウは存在していません。
ジェイムズ・クロウが亡くなってからオールドクロウ蒸留所はゲインズ社に買収され、しばらくの間は品質をどうにか維持できていました。
1980年代に入ると、品質を維持できなくなり売り上げが低迷した結果、経営不振に陥り1987年にはジムビーム社に買収され、オールドクロウ蒸留所は閉鎖されました。
現在販売されているオールドクロウは、ジムビーム社のクラーモント蒸留所とボストン蒸留所の原酒から作られています。
2014年には、サントリーがジムビーム社を買収しサントリーで製造と販売がされています。
オールドクロウの製法
オールドクロウの特徴は、サワーマッシュ製法で作られた初めてのバーボンウイスキーであることです
サワーマッシュ製法とは、粉砕したトウモロコシに他の穀物を混ぜ合わせ、2度発酵、蒸留を行うことで、粉砕したトウモロコシは「マッシュ」と呼ばれます。
2度目の蒸留の際に少量の酵母と1度目の蒸留の時にでた蒸留残液(アルコール分が取り除かれた残液のこと)の上澄みを全体の30%程度加えます。
これにより酵母に栄養が行きわたり、ゆっくりと時間をかけて発酵が進むことで、香り高い発酵液に仕上がります。
サワーマッシュ製法は、バーボンウイスキーの製造において重要な工程となりバーボンウイスキーのほとんどがこの製法で作られています。
オールドクロウはその他にも伝統的な製法に基づき8割程度のコーンの比率、樽の内側を焦がしたホワイトオーク樽での熟成により、甘くフルーティな味わいに仕上がっています。
2010年から発売された「オールドクロウリザーブ」は、スタンダードボトルである「オールドクロウ」より1年長い4年熟成となっています。
オールドクロウ好きにおすすめのウイスキー
オールドクロウが好きな方に、おすすめのウイスキーを紹介します。
オールドクロウの「甘くフルーティな味わい」や「スパイシーで爽やかな風味」を基準にバーボンウイスキーを選びました。
同じバーボンウイスキーとはいえ、飲み比べてみると味の違いを感じます。
エヴァンウィリアムス ブラックラベル
エヴァンウィリアムズは世界第2位の販売量を誇り、最初にトウモロコシを原料としたウイスキーを作ったとされる、エヴァン・ウィリアムスの名前を冠しています。
はちみつやバナナのような甘い味わい、オレンジなどの柑橘系のフレッシュな香りを感じます。
後味は、ホワイトオーク樽のスッキリとした風味が残ります。
ハイボールでお楽しみください。
アーリータイムズ イエローラベル
アーリータイムズは、1860年の南北戦争の前年にケンタッキー州に設立されEarly Times Method(昔ながらの製法)という信念のもと、アーリータイムズ蒸留所と名づけられました。
「アーリータイムズ イエローラベル」はラインナップされている中のスタンダードボトルです。
ライトな口あたりとバナナやカラメルの甘い香り、爽やかなキレが特徴です。
ストレートでも美味しく飲めますが、ハイボールでの飲み方がおすすめです。
まとめ
オールドクロウは、サワーマッシュ製法で作られた初めてのバーボンウイスキーです。
オールドクロウの甘い味わいやフルーティな香り、スパイシーで爽やかな風味はハイボールでの飲み方がおすすめです。
松田優作が愛したボトルをぜひお楽しみください。