アーリータイムズは、アメリカでリンカーン大統領が就任した年の1860年に誕生したバーボンウイスキーです。
この記事では、アーリータイムズの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介します。
記事の最後には、アーリータイムズが好きな方におすすめのウイスキーも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
アーリータイムズの概要
アーリータイムズは、アメリカのケンタッキー州ルイビルにあるダウンタウン蒸留所で製造されているバーボンウイスキーです。
アメリカで1920年に施行された禁酒法の時は、医療用ウイスキーとして政府の許可を得て販売していました。
その時に、アーリータイムズは世間に広く認知されました。
また、アーリータイムズは「開拓時代」という意味を持っています。
アーリータイムズは1860年に誕生していますが、この年はリンカーン大統領が就任した年でもあり、また南北戦争の前年でもあります。
まさに、激動の時代であったアメリカの歴史ともに生き抜いてきた銘柄です。
そのため、アメリカはもちろんこと世界中から愛されており、日本では名優・松田優作が愛したボトルとして有名です。
味・香りの特徴
アーリータイムズは、ライトな口当たりで甘い香り、キレのいい後味が特徴です。
また、ろ過をする工程ではココナッツの皮を使った活性炭でろ過することで、熟成中にできた不純物を除去しているため、スムースな味わいとなっています。
アーリータイムズはアメリカではバーボンウイスキーではない
アーリータイムズは、アメリカではバーボンウイスキーの条件を満たしていないため、「ケンタッキーストレートウイスキー」として販売されています。
これは、バーボンウイスキーの条件の中に「内側を焦がしたホワイトオーク樽の新樽で熟成」という項目があり、アーリータイムズはこれを満たしておりません。
そのため、アメリカではバーボンウイスキーではなく、「ケンタッキーストレートウイスキー」と表記されています。
しかし、日本で販売されている輸出用のアーリータイムズは、条件を満たした樽で熟成しているため、バーボンウイスキーとして販売されています。
アーリータイムズのおすすめの飲み方はロック・ソーダ割り
バーボンウイスキーのアーリータイムズは、ロックやソーダ割りでの飲み方がおすすめです。
大き目の氷を入れたロックスタイルだと、風味が引き締まりバニラやバナナの甘さがより際立ちます。
スムースな口当たりとなり、樽由来の香りも強まります。
ソーダ割りもおすすめ
ロックが苦手な方は、ソーダ割りで飲んでみましょう。
ソーダ割りにすると、香りがしっかりと残りバナナやバニラ、桃といった甘みを感じスッキリとした味わいを楽しめます。
また、アーリータイムズブラウンラベルの場合は、ジンジャーエールで割ったジンジャーハイボールもおすすめです。
ライムのような爽やかな香りやフルーティな香りがバーボンの風味を強めてくれます。
ジンジャーエールの甘さも加わっているため、ゴクゴク飲めてしまいます。
アーリータイムズの種類
アーリータイムズ イエローラベル
アーリータイムズ イエローラベルは、アーリータイムズのスタンダードボトルです。
活性炭でろ過することで、熟成中にできた不純物を除去しているため、スムースな味わいを楽しめます。
香りは、甘く芳醇な香りやバーボン特有のオークの香り。
味わいは、ライトな口当たりで洋ナシのようなフルーティな風味や穀物由来の甘みを感じます。
価格は1000円台と安価ですが、完成度の高い風味です。
コンビニやスーパー、酒屋さんで見かけることができるのでお試しください。
アーリータイムズ ブラウンラベル
アーリータイムズ ブラウンラベルは、日本向けに作られた日本限定ボトルです。
ブラウンラベルラベルの原料は、イエローラベルよりライ麦の比率が高くなっています。
原酒には、イエローラベルの原酒にマスターブレンダーが厳選したブラウンラベル専用の原酒をブレンドしています。
また、最後に行われるろ過工程では、イエローラベルより一回多くなっています。
一回目はイエローラベルと同様にココナッツの皮から作った活性炭を使い、2回目はピート(泥炭)から作った活性炭でろ過しています。
原料の比率やろ過工程がイエローラベルとは異なり、イエローラベルより濃い味わいとなっているのが特徴です。
香りは、接着剤や酸味、海藻系のような香りでクセを感じます。
味わいはまろやかで、バナナやナッツのような芳醇な甘みやフルーティな味わいです。
全体的に甘い風味が強く、まろやかで濃厚なコクを感じ、ストレートでも楽しめます。
アーリータイムズ 354
アーリータイムズ 354「354」は、蒸留所の連邦許可番号に由来しています。
イエローラベルに比べると、フレッシュでフルーティな風味が強まっている印象を抱きます。
香りは、バナナやレモンといったフルーティで華やかな香り。
酒質はライトでレモンやケーキ、バナナの甘い味わいを感じます。
イエローラベルよりも甘みを強く感じます。
アーリータイムズ ブラインドアーチャー
アーリータイムズ ブラインドアーチャーは、2012年にアーリータイムズのフレーバーシリーズとして発売されました。
アーリータイムズをベースに、青リンゴやシナモンのフレーバー加え、ウイスキー初心者出も気軽に楽しめるフレーバードウイスキーです。
甘みが非常に強く、度数が低いためリキュールとして扱われています。
そのため、炭酸で割った飲み方やジュース割といった飲み方がおすすめです。
ちなみに、商品名の「ブラインドアーチャー」は、英語で目隠しをした弓矢使いという意味になります。
弓の名手とされる伝説のウィリアム・テルが、目隠しをして息子の頭上のリンゴを射抜いたという伝説に由来しています。
アーリータイムズ蒸留所・歴史
アーリータイムズは、1860年にアメリカのリンカーン大統領の就任と同じ年に誕生しました。
最初は、ケンタッキー州のアーリータイムズ・ステーションにて製造が始まりました。
その後、同じくケンタッキー州のルイビルのダウンタウン蒸留所に製造場所を移し、現在も稼働しています。
1923年には、アメリカで禁酒法が施行されたことにより、ウイスキー界は衰退の時期になります。
しかし、従業員のサールズ・ルイス・ガスリーの功績により、ブランドは守られました。
彼は、ブランドを守るために私財を投げうち、アーリータイムズの商標権や在庫を買い取り、倉庫にウイスキーを隠したことでアーリータイムズの伝統は守られました。
その後、石が処方する薬用ウイスキーとして国に認められたことで、アーリータイムズの認知度が広まり、例外的に飲むことが出来ました。
また、それに目を付けたブラウン・フォーマン社がアーリータイムズを買い取りました。
現在も製造はブラウン&フォーマン社が手がけ、販売はアサヒビールが行っています。
アーリータイムズの製法
アーリータイムズは、トウモロコシ、ライ麦、大麦を使用しておりこれらはインディアナ州の穀物を使用しています。
仕込み水は、バーボンウイスキーに使われているライムストーンウォーターです。
これは、バーボンウイスキーの製造においては欠かせない仕込み水で、「ライムストーン」と呼ばれる石灰岩でろ過され、豊富なカルシウムを含んでいます。
このカルシウムの働きにより、醗酵の際に生じる「酸」を抑える効果があり、バーボンウイスキーの旨味を引き出してくれます。
アーリータイムズは、ケンタッキー州で唯一自社で樽の製造を行っている珍しい蒸留所でもあります。
これにより、チャ―リング製法といった樽の内側を焦がして熟成させる時の、焦がし具合を調整できます。
そのため、アーリータイムズは低価格でありながらもしっかりとした風味を作り上げることができています。
アーリータイムズ好きにおすすめのウイスキー
アーリータイムズが好きな方におすすめのウイスキーを紹介します。
アーリータイムズの「ライトな口当たり」や「甘い風味」といった特徴を基準に選びました。
オールドクロウ
オールドクロウは、アメリカのケンタッキー州で作られているバーボンウイスキーです。
名優・松田優作が愛したボトルとしても知られており、彼が出演した「処刑遊戯」でもオールドクロウを飲むシーンがあります。
また、オールドクロウの製造者であるジェイムズ・クロウがサワーマッシュ製法を生み出したことでも有名です。
サワーマッシュ製法は、バーボンの品質を一定に保つ製法のことで、どのバーボンウイスキーの製造工程にも取り入れられています。
バニラやナッツといった甘い香りを感じ、バナナなやナッツの甘さやフルーティな味わい、最後にはスパイシーな風味も感じます。
ジムビーム ホワイト
ジムビームホワイトはアメリカのケンタッキー州で作られているバーボンウイスキーです。
ライトな口当たりとマイルドな飲み口ではありますが、スッキリとした味わいでバーボン由来の甘さやバニラのようなアロマを感じます。
ハイボールでの飲み方がおすすめで、コンビニでもよく見かけるため気軽に試しやすいバーボンウイスキーです。
まとめ
アーリータイムズは、「開拓時代」という意味を持ち1860年にリンカーン大統領が就任した時に誕生した銘柄です。
アメリカの激動の歴史と共に生き抜いてきたロングセラーウイスキーです。
ライトな口当たりとフルーティな風味、キレのある後味は飲み慣れていない方にもおすすめです。