サントリーレッドは、1930年に「サントリー赤札」として発売され、1964年にサントリーレッドにリニューアルして発売れされたブレンデッドウイスキーです。
この記事では、サントリーレッドの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介していきます。
記事の最後には、サントリーレッドが好きな方におすすめのウイスキーも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
サントリーレッドの特徴・概要
サントリーレッドは、1929年に発売された「サントリー白札」の弟分として発売されました。
発売当初は、「サントリー赤札」として発売されていましたが、売り上げの低迷により一時出荷停止となりました。
その後、リニューアルをして「サントリーレッド」と名前を変え、現在ではサントリーの定番商品として販売されています。
サントリーレッドの味・香りの特徴
サントリーレッドは、程よいウイスキーの風味がありクセがないのが特徴です。
というのも、サントリーレッドの前に販売されていた「サントリー白札(現在のサントリーホワイト)」がスコッチ特有のピート香が強すぎて全く売れませんでした。
その結果、そのクセの強さを払拭し飲みやすさを追究したため、サントリーレッドはクセがなく風味も強くない味わいとなっています。
サントリーレッドは製造中止から定番ボトルに成り上がった銘柄
サントリーレッドは、「サントリーホワイト(当時のサントリー白札)」の代替品として誕生した姉妹ボトルです。
販売当初は、サントリーホワイトのイメージが強かったこともあり、全く売れず製造中止となり「不遇の子」として扱われ続けていました。
しかし、当時人気だった俳優やコーラスグループの起用によるCMや秀逸なキャッチコピーの採用、またサントリーホワイトの2本分の低価格での販売により、市場に浸透し売れるようになりました。
当時は、「2本分入って、100円安い。」とサントリーホワイトと比較され、これにより売れるようになりました。
現在では、レギュラーボトルの他に低容量タイプや大容量タイプと幅広いニーズに応える容量が販売されています。
サントリーレッドのおすすめの飲み方はストレート
サントリーレッドのおすすめの飲み方はストレートです。
サントリーレッドは、アルコールの刺激が少なく、またウイスキー特有のピート香やスモーキーな香りも感じないクセのない風味が特徴です。
そのため、ストレートだとサントリーレッドのカラメルや青リンゴといった風味をよく感じます。
サントリーレッドの種類
サントリーレッドは、レギュラーボトルである「サントリーレッド」のみが販売されています。
レギュラーボトルの容量は640mlですが、その他にも低用量の180ml、大容量の2700ml、1920ml、4000mlがラインナップされています。
初めてサントリーレッドを飲まれる方は、低容量タイプの180mlから飲み始めるといいでしょう。
サントリーレッド
サントリーレッドは、飲みやすさを追究したボトルであるため、クセがないのが特徴です。
香りは青リンゴやカラメルといった香りを感じ、口に含むとカラメルの甘さや青リンゴ、バニラ、ウッディーな味わいを感じます
アルコールの辛みはなく、また風味も強くないため飲みやすさを感じます。
ネット上ではまずいといった意見もありますが、クセが強くないため食卓に丁度いい風味となっています。
サントリーレッドの蒸留所・歴史
サントリー赤札が発売されたのは、1930年です。
サントリー赤札の誕生のキッカケとなったのが、サントリー白札の人気の低迷によるものです。
サントリー白札が発売されたのは1929年で、国産ウイスキー第一号として発売されました。
しかし、市場のニーズと合わないスコッチ特有のピート臭が強すぎたこともあり、「サントリー白札」は全く売れませんでした。
サントリー白札の不評を払拭するために急遽作られた代替品である「サントリー赤札」は、消費者に見向きもされず、製造中止となり失敗に終わります。
その後、1937年に「サントリーウイスキー12年(現在のサントリー角瓶)」を発売して成功を収め、1950年に「サントリーオールド」を発売すると軌道に乗ります。
しかし、「サントリー赤札」は「不遇の子」として扱われ、再発売されることはありませんでした。
サントリーの創業者・鳥井信治郎が亡くなった後は、次男の佐治敬三が社長の座に就きます。
1963年に寿屋からサントリーに社名を変え、ビール事業の再挑戦やウイスキー事業の注力といった新たな経営方針を進めていきます。
戦前に発売され、「不遇の子」として扱われ続けた「サントリー赤札」は、1964年に再販売されるようになります。
再販売とともにCMを制作し、また「サントリーホワイト」の価格が1本1000円に対し、「サントリーレッド」は1本500円に設定されていたこともあり、お徳用ウイスキーのイメージを浸透させることに成功し売れるようになります。
その後、1977年にCMのキャッチコピーであった「すこし愛して、なが~く愛して。」、「ときどき隣に、おいといて。」というキャチコピーとCMにより、「サントリーレッド」が長く愛されるキッカケになります。
1977年のCMをキッカケに、現在まで食卓で晩酌に飲むウイスキーとしてサントリーの定番商品となりました。
サントリーレッドの製造方法
サントリーレッドが発売された当初は、特級制度が採用されていました。
特級制度とは、1953年に制定された古い酒税法のことで、「特級」をアルコール度数43度以上、「一級」を43度未満、「二級」を39度以下と3つの区分に分類し、酒税が分けられていました。
また、ウイスキーの風味は特級になるほど風味がしっかりしており風味に奥深さもあり価格も高く、一般層には手が届かないウイスキーでした。
しかし、ウイスキーレッドはこのうち「二級」に区分され、また当時は山崎蒸留所しかなかったため、山崎蒸留所のモルトをブレンドして作られていました。
そのため、サントリーレッドはアルコール度数も低く山崎蒸留所のモルトを組み合わせて販売されていたため、風味が薄くなっています。
サントリーレッド好きにおすすめのウイスキー
サントリーレッドが好きな方におすすめのウイスキーを紹介します。
サントリーレッドの「クセのなく飲みやすい風味」、「低価格帯で気軽に購入できる」といった特徴を基準に選びました。
トリスクラシック
トリスは、サントリーが手がけるブレンデッドウイスキーです。今や日本を代表とするウイスキーとして認知され、コンビニやスーパーでの販売はもちろんのこと、居酒屋などでもよく使われています。
サントリークラシックは、白州蒸留所でシェリー樽で熟成された原酒をキーモルトとして使っています。
バニラやカラメルの香りを感じますが、香りは弱めです。
味わいは、カラメルの甘みの後に洋ナシの爽やかな風味へと変わっていきます。
飲み方はやはりハイボールがおすすめです。
サントリー角瓶
サントリー角瓶も日本を代表とするブレンデッドウイスキーの代表です。
山崎蒸留所と白州蒸留所のバーボン樽原酒をバランスよくブレンドしています。
甘い香りや厚みのあるコク、ドライな後味が特徴です。
ウイスキーらしいスモーキーな風味は抑えられており、アルコールの刺激も若干感じます。
価格も1000円台と手が届きやすい、庶民的なウイスキーです。
サントリー角瓶の飲み方も、やはりハイボールがおすすめです。
まとめ
サントリーレッドは、一度製造中止となるも復活を遂げた低価格台のブレンデッドウイスキーです。
ウイスキーらしい風味を感じないため、ウイスキーを飲み慣れた方は物足りないと感じるでしょう。
しかし、飲みやすく低価格帯であり、またボトルの容量も豊富なため気軽に購入できるウイスキーです。
まずは、低容量タイプのボトルからお試しください。