ローズバンクは、ローズバンク蒸溜所でつくられるスコッチウイスキーです。
この記事では、ローズバンクの味わいや特徴、歴史、製造方法などを紹介します。
また、併せておすすめのウィスキーをご紹介します。
読み終わる頃にはローズバンクが飲みたくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
ローズバンクの特徴・概要
ローズバンクは、スコットランドのローランド地方にローズバンク蒸溜所があります。
名前の由来は、蒸留所があの近辺にある運河の堤(バンク)には、たくさんの野バラが咲き乱れていたことからローズバンクと名づけられました。
ローズバンクの味・香りの特徴
ローランド地方は、どのウイスキーも穏やかでやや穀物様の香味のある事が多いです。
ローズバンクも例外ではなく、「ライト(軽い)でドライ」という表現をされます。
香りはアーモンドやキャラメルのような甘味を感じさせ、デリケートな味わいがスムーズことが特徴です。
かつては「ローランドの王」と呼ばれていたウイスキー
ローズバンクの味わいは、ローランド地方でたいへん人気のウイスキーでした。
そのため、「ローランドの王」と言わしめてしまう程でした。
今は亡きウイスキー評論家のマイケル・ジャクソン氏は「疑いもなく最高レベルのウイスキー」と評しているほどでした。
ローズバンクのおすすめの飲み方は「ストレート」
ローズバンクの味わいを存分に楽しむのであればストレートで飲むことをおすすめします。
ローズバンクはとても口当たりが良く、飲みやすいと言われているからです。
ストレートで、ローズバンクの味わいや奥深さを存分に堪能した後に、少しずつ加水をして味の変化を楽しんだり、自分好みにしましょう。
ただし、あまり水を加えすぎるとローズバンクの良さがなくなってしまうので注意が必要です。
ローズバンクの種類
ここでは、ローズバンクの種類についてご紹介します。
各ラインナップを飲み比べることで、味の違いを知ることができますので、よりローズバンクについて知ることができます。
ローズバンク8年
ローズバンクのオフィシャル8年は、70年代終わりくらいのボトリングされたローズバンクのオフィシャルボトルです。
香りは、しっかりめのオールド感で淡いオールドシェリーがあります。
飲むとややサラリとした口当たりでライトさがあり、初心者にも飲みやすく仕上がっています。
ローズバンク12年
ローズバンク 12年 オフィシャル 43%は、80年代前半にボトリングされたという、ローズバンクのオフィシャルボトル12年ものです。
香りは、しっかりめのオールド感や落ち着いた蜂蜜、少し萎びたオレンジや麦芽が感じられます。
味わいは、コクのある蜂蜜の甘味とグレープフルーツの綿の酸味や淡い渋味があります。
ローズバンク 1985-1992 スコッチモルトウイスキーソサエティ
ローズバンク 1985-1992 スコッチモルトウイスキーソサエティは、スコッチモルトウイスキーソサエティから、25番のローズバンクの1985蒸留、1992年ボトリングでおよそ7年の熟成になります。
香りは、ほどよいシェリーやアプリコットやプラムのジャムが感じられます。
飲むと滑らかな口当たりから芳醇に広がり、プラムジャムのコクのある甘味に、ややもっさりしているがボディもあり余韻は長めの味わいです。
ローズバンク16年 1991-2007 スペシャリティドリンクス シングルモルツオブスコットランド
ローズバンク 1991-2007 16年 スペシャリティドリンクス シングルモルツオブスコットランド は、スペシャリティドリンクスのシングルモルツオブスコットランドとして2007年にボトリングされています。
香りは、青リンゴやオレンジオイルといったフルーティーな香りがあります。
飲むと優しい口当たりから香り同様のフルーツ感に、穏やかなコクのある甘味のある味わいです。
ローズバンク20年 1981-2002 UDレアモルトセレクション
ローズバンク 1981-2002 20年 UDレアモルトセレクションは、2002年にボトリングされた、UDレアモルトセレクションされたものになります。
香りは、ナチュラルなフローラルで優しい青リンゴなど、プレーンな樽感だが良い香りがあります。
口に含むとプレーンな味わいで徐々にヒリヒリとした刺激があります。クセはないがコクはある心地良い甘味、濃いめのモルティな旨味、輪郭がクッキリしておりキレがある美しい余韻があります。
ローズバンク18年 ダンイーダン 1974-1993
ローズバンク18年 ダンイーダンは、ダンイーダンから1993年にボトリングされたローズバンクになります。
香りは、まったり甘やかでべっこう飴やアプリコットジャム、オイルを感じさせます。
滑らかな口当たりがあり、べっこう飴のコクのある甘味としっとりとモルティな旨味な味わいです。
ローズバンク18年 ダンベーガン 1990-2008
ローズバンク 1990-2008 18年 ダンベーガンは、ダンベーガンが2008年にリリースしたローズバンクの18年ものになります。
香りは、ほどよいシェリー感で甘やか、プラムジャム、ミルクチョコレート、強めのウエハースがあります。
飲むと滑らかな口当たりで、香り同様にジャムやミルクチョコレートで、そのしっかりめの甘味、淡い渋味、長くはないが穏やかで温かな余韻があります。
ローズバンク20年 オフィシャル ゼニスインポート
ローズバンク 20年 オフィシャル ゼニスインポート 57%は、ローズバンクの中でも最も高級感がある20年もののオフィシャルボトルになります。
香りは、妖艶さを伴う心地良いオールド感、フローラル、熟したオレンジやりんごの奥深さがあります。
口に含むとじわじわとスパイシーがあり、フローラルや熟したりんご、舌に染み込む麦の旨味、淡いコクのある甘味は心地良いが強くは無い、上品だがその奥にしっかりと裏打ちするオールドピートやうっすらとタール、ボディは意外なほど厚く、少しクリーミーで妖艶さがあります。
ローズバンク25年 1991-2017 ケイデンヘッド175周年記念
ローズバンク 1991-2017 25年 ケイデンヘッド175周年記念は、ケイデンヘッドが175周年を迎えた際に出した記念ボトルになります。
香りは、しっかりとバニラクリーム、りんご、心地良いオークを感じさせます。
飲むと滑らかな口当たりで粘性のあるテクスチャー、じわじわと広がり、濃縮感あり、蜂蜜のコクのある甘味、余韻は長めの味わいです。
ローズバンクの歴史
ローズバンクは、1773年にキャメロン蒸留所に創業されました。
その後、1840年に新しい建物に再建した際にローズバンク蒸留所と名前を変えました。1864年に他の有名な蒸留所に、負けないような品質の高いウイスキーを生産するため、ローズバンクの立て直しが行われました。その戦略は成功し、ローズバンクの需要が急増していきました。
20世紀に入ると、ウイスキーの不況に飲み込まれます。
ローズバンク蒸留所もその不況に飲み込まれ、残念ながら1993年にローズバンクの所有者によって閉鎖されました。
2020年現在、ローズバンク蒸留所はグレンゴインやタムデュー、ボトラーズブランド「チーフタンズ」などを有するイアン・マクロード・ディスティラーズ社が権利を買い取り、再びの稼働を目標に再建への準備が行われているとのことです。すでに公式サイトや各SNSでのアプローチが始まっています。
このようにローズバンクは、古い歴史があり閉鎖など不況により経営悪化のため、蒸溜所を閉鎖したりしましたが、2020年に復活を遂げたのです。
ローズバンクの製法
ローランド地方でつくられるウイスキーは3回蒸溜するというのが伝統でした。ローズバンクも例外ではありません。
3回蒸溜をすることでウイスキーの風味が軽くなり、飲みやすくライトな味わいを表現します。
このローランド伝統の3回蒸溜から生み出される味わいについては、評論家のガヴィン・スミス氏は「これほどにエレガントで、フローラルで、アロマティックなウイスキーは他にない」と賞賛しているほどです。
ローズバンク蒸溜所は、3回蒸留を行って、初留はストレート型が1基、後留と再留はランタンヘッド型が1基ずつあり、それらを使ってボトリングをしています。
この伝統的な製法を使うことで、ライトでありながら奥深い味わいを表現しているのです。
ローズバンク好きにおすすめウイスキー
ローズバンクが、ローランド地方で生まれたたくさんのウイスキーがあります。
ここでは、ローランド地方で生まれたウイスキーをご紹介します。
オーヘントッシャン12年
オーヘントッシャン 12年の、蒸溜所は現在ビームサントリー社が所有、販売も同グループにて行っています。
このウイスキーも、しっかりと3回蒸溜の製法をしています。
繊細で複雑な香り、ドライな味わいが特徴です。心地良い甘さ、スッキリとした飲みやすさを感じることができます。
グレンキンチー12年
グレンキンチー12年は、グレンキンチー蒸溜所でつくられており、1837年に設立しました。スコットランド最大の銅のスチルポットを2つ所有していることが特徴です。
香りはフレッシュなリンゴやレーズンなどのフルーツ感があり、味わいは麦の香ばしさと青リンゴの香りが鼻から抜けて、酸味と甘みが混ざり合っています。
まとめ
ローズバンク蒸溜所で製造されているローズバンクについてご紹介しました。
一度は閉鎖されてしまったこの蒸溜所は、2020年に待望の復活を遂げました。
ライトな味わいでありながら、奥深いこのウイスキーは初心者にもおすすめできるボトルでう。
この記事で興味を持った方は、ローランド伝統のローズバンクを是非ご賞味ください。