ティーリングは、アイルランドで作られているアイリッシュ・ウイスキーです。
この記事では、ティーリングの味わいや香りの特徴、歴史や製造方法などを紹介します。
おすすめの飲み方や種類ごとの特徴を掲載しているほか、記事の最後にはティーリングがお好きな方におすすめのウイスキーの提案なども行っています。
是非ウイスキー選びの参考にしてみてください。
ティーリングの特徴・概要
ティーリングは、アイルランドにある「ティーリング蒸留所」で作られているアイリッシュ・ウイスキーです。
ティーリング蒸留所は、2015年にアイルランドの首都ダブリンには実に125年ぶりに建てられた新鋭の蒸留所として、住民からは期待を寄せられています。
味の特徴
ティーリングは白ブドウやモモ、トロピカルフルーツのような様々なフルーツの風味が楽しめるウイスキーです。
レモンキャンデーのような甘いニュアンスや、ハチミツのような味わいも感じられます。
香りの特徴
ティーリングはバニラの中に香るオリエンタルなスパイス香が特徴のウイスキーです。
甘い香りの中には、接着剤のようなややケミカルなニュアンスも感じられます。
喉ごし・フィニッシュの特徴
ティーリングはアイリッシュ・ウイスキーらしいオイリーな喉ごしが特徴のウイスキーです。
ボディはライトですいすいと飲めるため、アイリッシュ・ウイスキーらしさとそれに反した飲みやすさを備えたウイスキーであるといえます。
フィニッシュにはウッドスパイスと甘いグレーンの風味が押し寄せ、余韻はバニラの香りを伴いながら長く続きます。
ティーリングのおすすめの飲み方は「トワイスアップ」
ティーリングのおすすめの飲み方は「トワイスアップ」です。
加水により香りをはっきりと花開かせる性質を、ティーリングというウイスキーは持っています。
そのためトワイスアップはティーリングを味わうために最適の飲み方であるといえるのです。
ティーリングの種類
現在販売されているティーリングは、ノンエイジ品6種・エイジ品3種の計9種です。
ティーリングのノンエイジ品6種
ノンエイジ品はブレンダーの個性や力量が最も問われる、世代を超えたヴァッティングが可能なボトルの総称です。
ここではティーリングのノンエイジ品5種を紹介しています。
ティーリング スモールバッジ
「ティーリング スモールバッジ」は最もスタンダードなティーリングのブレンデッド・ボトルです。
ブレンドした原酒をラム樽で後熟しているため、上品なラム酒を思わせるアロマが漂う上品な風味をこのウイスキーでは堪能できます。
フルーティーな味わいやバニラ感のあるハチミツの香味、モルトの甘みを伴ったスパイシーな味わいが特徴のウイスキーです。
ティーリング シングルモルト
「ティーリング シングルモルト」は、モルト原酒のみを使ったティーリングのボトルです。
シェリー・ポート・ホワイトバーガンディ・カベルネソーヴィニヨン・マディラの5種類の樽でそれぞれ後熟させたモルトをブレンドしています。
完熟メロンやイチジクのような香りとレーズンのような芳醇な甘さ、酸味のある柑橘などのフルーティーな風味がこのウイスキーでは楽しめます。
シナモンなどを彷彿とさせるスパイシーさやタンニン感もある、かなり複雑かつバランスの取れた味わいを持つウイスキーです。
ティーリング シングルグレーン
「ティーリング シングルグレーン」は、カベルネ・ソーヴィニヨン樽で熟成を行ったグレーン原酒のみを使用したボトルです。
フルーツの風味とグレーンらしいバターシュガーの甘み、樽由来のスパイシーでドライな味わいがこのウイスキーでは楽しめます。
ティーリング シングルポットスティル
「ティーリング シングルポットスティル」は、シングルポットスチルで蒸留された原酒をバージンオーク・バーボン・ワインの3種の樽でそれぞれ熟成し、ブレンドしたボトルです。
クリーミーでまろやかな口当たりと白ブドウや柑橘を思わせるフレッシュな甘い風味、スパイス感のあるライトボディが特徴のウイスキーです。
ティーリング ブラバゾン No1 シェリーカスク
「ティーリング ブラバゾン No1 シェリーカスク」は酒精強化ワイン樽で熟成された、強いアルコール感を感じる香り立ちが特徴のボトルです。
リッチでフルーティーな甘さとスパイシーなコショウの刺激感、接着剤のような風味がこのウイスキーからは感じられます。
ティーリング ブラックピッツ ピーテッド
「ティーリング ブラックピッツ ピーテッド」は2020年にリリースされた、比較的新しいティーリングのボトルです。
冷却ろ過を行わずに蒸留した原酒をバーボン・ソーテルヌの2種の樽をブレンドしたあと、46%に度数を調整しボトリングしています。
ピーテッド・モルトを100%使用しているため、その味わいはスモーキーかつ甘くフルーティーです。
ティーリングのエイジ品3種
エイジ品は同じ世代以上のウイスキーのみをブレンドして作られた、味の均一化がはかられているボトルの総称です。
ここではティーリングのエイジ品3種を紹介しています。
ティーリング ヴィンテージリザーブ28年
「ティーリング ヴィンテージリザーブ28年」は、ボトラーズ時代からリリースされているティーリングのオールド・ボトルです。
そのため、ティーリング蒸留所の原酒ではなく、クーリー蒸留所の原酒がこのボトルには使用されています。
ジューシーな桃や南国のフルーツを思わせる甘みの強い濃厚なフレーバーと、マスカットやブドウのようなフルーツの香りがこのウイスキーでは楽しめます。
ティーリング ヴィンテージリザーブ 30年
「ティーリング ヴィンテージリザーブ 30年」は日本でわずか10本しか流通していないオールド・ヴィンテージ・ボトルです。
白ブドウやトロピカルフルーツを思わせるフルーティーな味わいとトフィーの甘さ、程よく感じられるドライなスパイス感が特徴のウイスキーです。
ティーリング ヴィンテージリザーブ 37年
「ティーリング ヴィンテージリザーブ 37年」は現在一本100万円以上の価値がついている、ヴィンテージリザーブシリーズの最高傑作です。
世界175本しか流通しておらず、希少価値はかなり高いです。
熟した桃やチョコレートを思わせる甘い味わいとまろやかな潮気のあるスモーク香、まろやかなスパイシーさがある味わいが特徴のウイスキーです。
ティーリング蒸留所の歴史
ティーリング蒸留所はアイルランドの首都ダブリンに創立された、新鋭の蒸留所です。
創立者のティーリング兄弟は、かの有名なクーリー蒸留所を立ち上げた「ジョン・ティーリング」氏の子息です。
3人は家族経営で「ティーリング社」を経営していましたが、2011年に自社所有のクーリー蒸留所・キルベガン蒸留所を売却して以降はボトラーズとして経営を続けていました。
しかし近年到来したアイリッシュ・ウイスキーブームにより、アイルランド産ウイスキーの需要がどんどんと高まり始めます。
ボトラーズとして経営を行うには、いずれ原酒が足りなくなるのではという危機感を感じたティーリング社は、2015年に「ティーリング蒸留所」を創立します。
ティーリング蒸留所は小規模な蒸留所でこそありますが、スタイリッシュで近代的なカフェテラスのような内装をしています。
その事が幸いし、ティーリング蒸留所はたちまちダブリンで人気の観光スポットとなりました。
現在ティーリング蒸留所は、ブレンデッドやシングルグレーン、シングルモルトなど様々なウイスキーを精力的に生み出しており、アイルランドでも期待の新星として全世界から注目を浴びつつあります。
ティーリングの製法
ティーリングのブレンドに使われるのは主に「ポットスチルウイスキー」と呼ばれる未発芽の大麦と大麦麦芽の2種を混合したアイルランド独自のウイスキーと、通常のモルトウイスキーの2種です。
ウイスキーの製法は両者ともに同じであり、発酵槽・ポットスチルなどは全て共通のものが用いられます。
ティーリングの製造で最も特徴があるのは、発酵の工程です。
製造された大麦ジュースは、まずはじめにオレゴンパインの発酵槽で24時間発酵させられます。
その後ジュースはステンレス製の発酵槽に移し変えられ、2~3日かけて本格的な熟成を行われるのです。
完成したもろみは3基のポットスチルにて蒸留され、樽に詰められ蒸留所の外にある熟成庫にて出荷の時を待ちます。
ティーリング好きにおすすめウイスキー
ここではティーリングがお好きな方におすすめの、フルーツの風味が堪能できるウイスキーを3つ紹介します。
ティーリングと似た傾向のウイスキーをお探しの際には、是非参考にしてみてください。
カバラン EXバーボン カスクストレングス
トロピカルフルーツのような味わいが楽しめるティーリングのようなウイスキーをお探しの方には「カバラン EXバーボン カスクストレングス」もおすすめです。
芳醇なトロピカルフルーツをやランを彷彿とさせる華やかな香りと蜜の甘さ、すっきりした口当たりがこのウイスキーでは楽しめます。
グレンモーレンジ ネクター・ドール ソーテルヌカスクフィニッシュ
ティーリングのような桃の風味を味わえるウイスキーをお探しの方には「グレンモーレンジ ネクター・ドール ソーテルヌカスクフィニッシュ」もおすすめです。
グレンモーリンジの中でも特にフルーティーな味わいが強いこのボトルでは、桃やオレンジを彷彿とさせる芳醇な甘みと、ハチミツレモンのような酸味を伴った風味が堪能できます。
ロングモーン 1969 GM カスクシリーズ
フルーティーな味わいがあるティーリングのようなウイスキーをお探しの方には「ロングモーン1969 GM カスクシリーズ」もおすすめです。
パイナップルを彷彿とさせるエステリーな香りと、シロップ感を伴ったトロピカルフルーツの爽やかな甘さがこのウイスキーでは堪能できます。
まとめ
この記事ではアイルランドにある「ティーリング蒸留所」で作られている、ティーリングを紹介しました。
トロピカルフルーツ感あふれる味わいと、やや癖のあるケミカル香が特徴のこのウイスキーが気になった方は、是非ご賞味されてみてください。