リンクウッドはスペイサイドのエルギン近郊にあるリンクウッド蒸留所で造られるシングルモルトウイスキーです。
この記事では、リンクウッドの味わいや特徴、歴史などをまとめてご紹介します。
記事の最後にはリンクウッドが好きな方におすすめのウイスキーも紹介していますので参考にしてみてください。
リンクウッドの特徴・概要
リンクウッドの味・香りの特徴
リンクウッドはスペイサイドらしいシングルモルトウイスキーです。
特徴としてはクセがなく、フルーティで華やかさが広がる上品な味わいの銘酒として知られています。
花の香りとビスケットのような甘い香り、青リンゴや洋梨のような爽やかさも感じられるウイスキーです。
リンクウッドのシンボルは白鳥
リンクウッド蒸留所はスペイサイドのエルギン、ロッシー川の河畔にあります。
森林に囲まれ、近くにはミルビュイズ湖があり風情溢れる場所です。
リンクウッド蒸留所内の冷却水用の貯水池には毎年白鳥が飛来するためリンクウッドのシンボルとしてボトルに描かれています。
生産量の99%はブレンド用原酒に供給
リンクウッドは生産量のほとんどをブレンド用に供給しています。
それ故シングルモルトとしての味わえるのはごくわずか。
華やかな香りとフルーティな味わいを楽しめる希少価値の高い上質なウイスキーです。
リンクウッドのおすすめの飲み方は「ハイボール」
リンクウッドのおすすめの飲み方はハイボールです。
ビスケットのような甘い香りと花の香りが特徴のリンクウッドですが、ソーダで割ることで清涼感が加わりさらに香りが立ちます。
そして飲み口の軽さにコクもプラスされ、後味には青リンゴや洋梨のフレッシュさがより感じられる爽やかな味わいが楽しめます。
リンクウッドの種類
リンクウッドのボトルは様々なシリーズがあり、そのボトルは40種類以上となっています。
以下では、その一部を厳選して紹介します。
オーシャンズ リンクウッド8年 2011
リンクウッド2011はファーストフィルバーボンバレルで8年熟成されたボトルです。
香りはファーストフィルバーボン樽由来のバニラ、リンクウッドらしい柑橘系の爽やかさ、ウッディさも感じられます。
口当たりはまろやかでオイリー、味わいはバニラの甘さ、アプリコットやオレンジなどの柑橘系の風味、ジンジャーのスパイシーさも合わさり爽やかな飲みごたえになっています。
リンクウッド8年 2011 バーボンバレル+ライバレル
リンクウッド8年はライバレル樽で熟成された原酒を使用した珍しいシングルモルトです。
8年熟成のファーストフィルバーボンバレル樽原酒とライバレル樽原酒を2:1で配合しボトリングされています。
バニラの風味に柑橘系のフレッシュさが加わり、ライバレル樽特有のジンジャーも感じられスパイシーな味わいも楽しめます。
ケイデンヘッド リンクウッド11年 2006
リンクウッド11年2006はケイデンヘッドから出されているボトルです。
ケイデンヘッドとは1942年にアバディーンに創業したスコットランド最古のインディペンデントボトラーで175以上の歴史があるメーカーです。
このリンクウッドはホグスヘッドの11年熟成、シングルカスクのカスクストレングスでボトリングされています。
リンゴやバニラヨーグルト、ほのかに若草の香り、ハチミツ、ピーチやアプリコットのフルーティさ、ナッツの香ばしさ、ペッパーの辛味のようなスパイシーさが感じられる、心地よい味わいが楽しめる一本です。
リンクウッド12年(UD花と動物シリーズ)
リンクウッド12年はUD社(ユナイテッド・ディスティラリーズ社)が所有している蒸留所のウイスキーをシングルモルトとして発売した「花と動物シリーズ」のボトルです。
現在はオフィシャルボトルが無く、これがオフィシャル扱いになっています。
華やかな香りとまろやかな口当たり、青リンゴや洋梨のようなフルーティは味わいとスモーキーさを兼ね備えたシングルモルトウイスキーです。
リンクウッド12年 キャッスルラベル
「リンクウッド12年 キャッスルラベル」は、1980年代後半にイギリス国内で流通していたリンクウッドのオフィシャル12年です。
このボトルは、現在のオフィシャル12年ではなくオールドボトルとして位置づけられています。
香りは、現行版と比較しても、よりモルティーでイースト香を強く感じ少しマスタードの酸味もあります。
味わいは、レアチーズケーキやハチミツの甘さのなかにブラックペッパーのようなスパイシーさも感じます。
ボディは、ミディアムからフルで現行のスタンダードよりも骨格が厚く飲みごたえがあります。
リンクウッド12年 ホワイトラベル
「リンクウッド12年 ホワイトラベル」は、1970年代中頃に流通していたオールドボトルです。
香りは、ウエハースの香ばしさと日差しをたっぷり浴びて育った麦の強い甘みとスモーキーさを感じます。
味わいは、最初洋ナシやリンゴのコンポートのフルーティーさがあり、その後焚き火を連想させるライトなスモーキーが続きます。
余韻は、ドライフルーツやバタースコッチの香ばしさが柔らかく長く続きます。
全体的に、現行のオフィシャル12年にないコクと厚みを感じるボトルです。
リンクウッド12年 ブラックラベル
「リンクウッド 12年ブラックラベル」は、1960年代から1970年代にかけて流通していたオールドボトルです。
このボトルは、1950年代のヴィンテージでシェリー樽で熟成しカスクストレングスされています。
香りは、青りんごやさくらんぼのフルーティーさとバニラやハチミツのスウィーティさがミックスしています。
味わいは、鼻抜けもよくシェリー樽由来のフルーティーな中にすこし土っぽいオールドピートを感じます。
余韻は、バニラや青りんごが舌の上にのこりモルトの繊細さを感じます。
リンクウッド15年(ゴードン&マクファイル)
リンクウッド15年はG&M(ゴードン&マクファイル)が販売するボトルです。
フローラルさとシェリーの爽やかさ、トーストのような香ばしさも感じられ華やかな香りがします。
口当たりはとてもスムースでハチミツやナッツのような甘みがあり、香ばしいトースト、オーク、スパイシーな味わいも後から感じられとてもバランスの良い味わいを楽しめる一本です。
リンクウッド37年
「リンクウッド 37年」は、1978年ヴィンテージでオフィシャルとして37年の最長熟成でリリースされたボトルです。
このボトルは、2016年にリリースされたディアジオ社のスペシャルリリースシングルモルト&シングルグレーンウイスキーの中の1本で6,114本の限定品です。
香りは、すこし青みがかったドライな香り立ちで青リンゴやアロエそしてパイナップルのニュアンスを感じます。
味わいは、パイナップルなどのフルーティーさとリンゴのコンポートのようなスウィーティな中にかすかなピート香も感じます。
余韻は、しつこくない程度でオーキーでドライな余韻が長く続きます。
リンクウッド蒸留所の歴史
リンクウッド蒸留所は1821年に建設されました。
当蒸留所はエルギンの南、ロッシー川の河畔、白鳥の棲む冷却水用の貯水池の畔に建っています。
創業者は土地の名家ブラウン家のピーター・ブラウン氏。
ブラウン家はフィンドレーター伯爵の不動産委託人であり、ピーターはエルギン地区の農業改良委員も務めていました。
1874年4月にはリンクウッド蒸留所の古い建物が取り壊され、設備も拡張された新しい建物にリニューアル。それから1887年まで初溜釜1基(2000ガロン)、再溜釜1基(1850ガロン)の設備で年間5万ガロンを生産。
創業から約100年間はブラウン家が経営に関わっていましたが、1933年にSMDの傘下に入りました。
1962年、1971年に建て直しがあり、蒸留所2番目の設備は元の建物の横に建てられました。
現在はUDV社の傘下になっています。
リンクウッドの製法
リンクウッドは、カラ松製の発酵漕が11基、ポットスチルは大型のストレートヘッド型という構成です。
初溜釜が3基、再溜釜が3基の合計6基で年間生産量は260万リットル。
仕込み水はミルビュイズ湖の近くにある泉の水を使用しています。
リンクウッドの原酒は99%をブレンド用として使用しており、アボッツ・チョイス等のブレンデッドウイスキーの原酒モルトとして消費しています。
リンクウッド好きにおすすめのウィスキー
リンクウッド好きにおすすめのウイスキーを紹介します。
リンクウッドの特徴は柑橘系の香り、甘さと爽やかさのバランスですので似たような味わいが楽しめるウイスキー2本を選んでみました。
白州12年
白州12年は誰もが知るジャパニーズウイスキーの代表と言っても過言ではないでしょう。
白州蒸留所で12年以上熟成させたモルトウイスキーのみを使用し造られたウイスキーです。
ハチミツの甘い香りと爽やかな柑橘系の香り、味わいはハチミツの甘さと柑橘系の爽やかな甘みが口いっぱいに広がります。
加水することで、森林のような爽やかな香りと柑橘系と青リンゴの甘酸っぱさがより増し、飲みやすくなります。
グレンモーレンジ18年
グレンモーレンジ18年はバーボン樽で熟成されたボトルです。
華やかで樽由来のオークの香り、干し草やバニラの甘い香り、パイイナップルやオレンジの爽やかなフルーツの香りが特徴です。
味わいもフルーティさが際立ち、桃やリンゴのコンポート、ミントのような爽やかさとジンシャーのスパイシーさも感じられます。
まとめ
リンクウッドを紹介しました。
リンクウッドは生産量の99%をブレンド用原酒に消費し、市場に出回る量が少ない希少なモルトです。
多様なメーカーから様々なシリーズがボトリングされ発売していますので、売り場で見かけたらぜひ手に取って飲んでみてはいかがでしょうか。