インチガワーは、スコットランドで作られているシングルモルト・ウイスキーです。
この記事では、インチガワーの味わいや香りの特徴、歴史や製造方法などを紹介します。
おすすめの飲み方や種類ごとの特徴を掲載しているほか、記事の最後にはーがお好きな方におすすめのウイスキーの提案なども行っています。
是非ウイスキー選びの参考にしてみてください。
インチガワーの特徴・概要
インチガワーは、スコットランドにある「ユナイテッド・ディスティラリーズ社」から販売されているシングルモルト・ウイスキーです。
川辺にあるヤギの放牧地という名が意味する通り、甘みに加え干し草やフローラルなニュアンスが感じられるのが特徴です。
味の特徴
インチガワ―の風味はナッティなニュアンスと、草っぽさで構成されます。
ややピリッとしたニュアンスやしょっぱい潮のような味わい、ショウガのような風味も僅かに感じられます。
香りの特徴
インチガワ―はフローラルな香りとシトラス・リンゴのようなフルーティーなニュアンスが楽しめるウイスキーです。
はじめに花の香りが強く表れたあと、次第に香りは柑橘系のものに変わっていきます。
喉ごし・フィニッシュの特徴
インチガワ―はオイリーな喉ごしが特徴的なウイスキーです。
甘い風味が前半に現れ、その後フィニッシュはスパイシーでビターな物へと変わるのも特徴です。
甘みと辛み、苦さが複雑に絡み合う味わいの変化が楽しめます。
インチガワーのおすすめの飲み方は「ハイボール」
インチガワーのおすすめの飲み方は「ハイボール」です。
甘みや苦み、渋さなどのバランスがよいため、料理の味の邪魔をせず食中酒にも適しています。
変わりゆく味・香りの変化を華やかなハイボールでじっくり楽しみましょう。
インチガワーの種類
ここではインチガワーの種類を紹介しています。
現在主に販売されているインチガワーは3種です。
インチガワー14年 花と動物シリーズ
もっともスタンダードなインチガワーであり、入手もしやすいボトルです。
干し草や大麦のような香りと、りんごのような甘みの強い味わいが楽しめます。
フィニッシュはやや辛く、ボディはミディアムでのみ応えがあります。
現在は廃盤となったため、入手したいなら古酒市場を狙いましょう。
インチガワー21年
製造中止となっている、カスクストレングスシリーズのインチガワーです。
鼻を抜けるオレンジ・メロン・草のような二ュアンスと、一気に押し寄せるバタースコッチのような甘さが特徴です。
余韻はウッディーかつハーバルであり、苦味を伴う大人のウイスキーとして人気です。
インチガワー27年
最も熟成年数の長いインチガワーです。
スタンダードボトルよりスモーク香やハーバルなニュアンスが強く、クリーミーで甘い味わいが特徴的です。
新鮮な洋梨のような、フルーツの香味も堪能できます。
インチガワーの蒸留所・歴史
インチガワ―は、1871年創立の蒸留所です。
創業時には、トニーヒルというかつてあった蒸留所の設備を移設し、そのまま稼働をスタートしたと考えられています。
事業は創業後しばらく問題なく運営されていましたが、1936年に一度倒産をします。
買い手のいないインチガワ―蒸留所は一次的にバッキ―町議会によって引き取られましたが、1938年にはアーサー・ベル&サンズ社に無事買収されました。
その不語はどんどん売り上げを伸ばし、ついに1978年、英国スコッチブレンデッドの売上No.1を記録する蒸留所へと成長します。
事業拡大のため蒸留所の追加改築をしたり、蒸留器を加えたりして、アーサー・ベル&サンズ社はさらに売り上げを伸ばしていきました。
その後買収・合併を得て、インチガワ―はユナイテッド・ディスティラリー社(現ディアジオ社)の傘下に入ります。
こうした紆余曲折を得て、インチガワ―蒸留所は現在でも稼働を続けています。
1800年代後半から続く蒸留所は、現在でも愛されるブレンデッドウイスキーのキーモルトを今日も多数生産し続けているのです。
インチガワーの製法
インチガワ―はノンピートの原料から作られるウイスキーです。
バッキー南部にあるメンダフヒル泉の水を仕込み水に使い、マッシュタンで複数回糖化を行うスタイルで生産されます。
糖化で得られたウォートは、短めの48~53時間で発酵を終えもろみへと変わります。
発酵の時間を短めに設定することで、インチガワ―のもろみはややスパイシーなニュアンスを持つのです。
その後ウォッシュスチル・スピリットスチルを使い蒸留・再留を行った原液は、シェリー樽やアメリカンオーク樽を使って熟成されます。
インチガワー好きにおすすめウイスキー
ここではインチガワーがお好きな方におすすめな、ハーバル系ウイスキーを3つ紹介します。
インチガワーと似た傾向のウイスキーをお探しの際には、是非参考にしてみてください。
戸河内ウイスキー8年
乾草のニュアンスを感じられるウイスキーとしておすすめなのが「戸河内ウイスキー8年」です。
若草のようなミネラル感の強い香りと風味、柑橘系のドライな味わいが堪能できます。
草のようなニュアンスのあるインチガワ―と、是非飲み比べをしてみましょう。
トマーティン レガシー
柑橘・草っぽいニュアンスの香りを楽しめる「トマーティン レガシー」もおすすめのウイスキーです。
少し辛めのスパイシーなフィニッシュを感じられるため、香味の構成がインチガワ―と似たウイスキーだといえるでしょう。
トマーティンの中では価格が安く、購入がしやすいのもポイントです。
カネマラ オリジナル
インチガワ―よりも強烈に草っぽいウイスキーをお探しなら「カネマラ オリジナル」を飲んでみるのがおすすめです。
草原のような凄まじい青臭さと風味が楽しめる、非常に個性的な味わいに仕上がっています。
薬膳酒のような独特の風味を堪能できる、非常に個性的なウイスキーです。
まとめ
この記事ではスコットランドの「ユナイテッド・ディスティラリーズ社」から販売されている、インチガワーを紹介しました。
柑橘・干し草のような独特の香りと、甘み・辛さが入り混じった複雑な味わいが特徴的なこのウイスキーが気になった方は、是非ご賞味されてみてください。