タリスカーの種類や味わい・おすすめの飲み方などを徹底解説

タリスカー ウイスキー

タリスカーはスコットランド北部にあるスカイ島で作られているシングルモルトウイスキーです。

スモーキーかつ強い潮の香りと、個性的な力強い味わいが特徴です。

その特徴から「クセになる」と世界中のウイスキーファンに愛されている一本です。

目次

タリスカーの特徴・概要

タリスカーの名前の由来

タリスカーとは、ゲール語で「傾いた斜面の大岩」という意味です。

タリスカーの生みの親であるマカスキル兄弟が蒸留所の建設中に滞在した「タリスカー・ハウス」から名付けられたと言われています。

アイランズ・モルト

スコットランドのシングルモルトは産地によってエリア別に区分されています。

主に、スペイサイド、ハイランド、ローランド、キャンベルタウン、アイラ、アイランド(アイランズ)の6エリアです。

スカイ島で作られているタリスカーはアイランズ・モルトに含まれます。

アイランズ・モルトとは、スカイ島、オークニー諸島、ジュラ島、アラン島、ルイス島などで作られるシングルモルトウイスキーの総称です。

タリスカーのラベル

タリスカー ラベル

出典:kaktuslampan

タリスカーのボトルに貼られているラベルには全て「MADE BY THE SEA」と書かれています。

これは、タリスカーというウイスキーが産地であるスカイ島の自然と深く関わっていることを表しています。

タリスカーの特徴は海を感じさせる強い潮の香りとほのかな塩っぽさです。

これらの特徴は、スカイ島が厳しい海洋性気候の島であることに由来します。

なぜなら、ウイスキー作りは産地の自然環境に大きく左右されるからです。

「タリスカーの個性はスカイ島の自然が生み出している」という想いや海への感謝が「MADE BY THE SEA」という言葉に込められています。

タリスカーのおすすめの飲み方は「ハイボール」

タリスカーの個性を活かした「スパイシーハイボール」がオススメです。

タリスカーをソーダで割り、仕上げに黒胡椒を一振りすることで、潮の香りとスパイシーさがより引き立ちます。

タリスカーの種類

ウイスキーの基本的な飲み進め方は、同じ銘柄で異なる年代の種類を飲み比べていきます。
(縦飲み、垂直飲みといいます。)

理由としては、同じ銘柄であれば味やテイストの傾向が共通しており、比べたときにより違いがわかりやすいため自分の好みに合った年代を見つけやすいからです。

タリスカー8年

タリスカー8年

「タリスカー 8年」は、タリスカー初のカリビアンラム樽でフィニッシュさせた数量限定のボトルです。

このボトルは、カスクストレングスによりアルコール度数57.9でボトリングされています。

香りは、焼いた肉のスモーキーをベースとしてハチミツやヨードと乾いた海藻がミックスした甘く海のような香りがします。

味わいは、滑らか舌触りに潮っぽさに僅かなスウィートさ加わり徐々にタリスカー独特の黒コショウのフレーバーが現れます。

余韻は、黒コショウのスパイシーが長く続いた後、甘さとスモーキーも遅れてきます。

タリスカー8年
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タリスカー10年

タリスカー10年

タリスカー10年は、タリスカーシリーズのレギュラーボトルです。

酒齢10年以上の原酒をヴァッティングしています。

香りはスモーキーで、ほんのりと柑橘系とバニラが漂い、口に含むと、海を感じさせる塩気と潮の香りがやって来て、ドライフルーツの甘みが広がります。

そして、タリスカーならではの黒胡椒のようなスパイシーさをのどの奥に感じます。

フィニッシュはスパイシーさを残しつつ、樽香もあり、長く豊かです。

アルコール度数は、蒸留所で詰めるオフィシャルボトルとしては高めの45.8度となり、このアルコール度数の高さも、タリスカー独特の力強さを作り出しているとされています。

通好みのパンチのあるウイスキーがお好みの方にオススメです。

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タリスカー18年

タリスカー18年

タリスカー18年は、2007年に「世界一のシングルモルト」と賞された、スペシャルなボトルです。

レギュラーボトルの10年はアメリカンオークのリフィル樽で熟成させた原酒を使用していますが、18年は3割ほどヨーロピアンオークのリフィル樽で熟成させた原酒を使用しています。

どちらの原酒も最低18年間寝かせた、貴重な長期熟成モノです。

長期熟成ならではの濃厚さや円熟味が、タリスカー独特のスパイシーさに重なり、複層的な味わいを生み出しています。

非常に長くエレガントな余韻も特徴的です。

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タリスカー25年

タリスカー25年

タリスカー25年は、25年以上熟成可能な原酒は1万樽に1樽あるかどうかと言われているくらい希少なものです。

このタリスカー25年も、年に1回だけボトリングされる貴重なボトルです。

世界中のファンがこの25年を入手したがっているため、日本に入ってくる分もあっという間に売り切れてしまいます。

香りは控えめで、特有の潮の香りもほんの少し感じる程度です。

味わいは甘みから塩気・苦味、スモーキーさとスパイシーさへと変化します。

長熟由来のやわらかさ、濃厚さ、まろやかさを存分に楽しめます。

タリスカー30年

タリスカー30年

タリスカー30年は、現行のタリスカーシリーズでは最長熟にして最上級のボトルです。

非常に希少な原酒を年に1回のみボトリングしているため、生産数はごく僅かです。

熟成感が非常に際立っているため、タリスカーらしさである力強さやスパイシーさはあまり感じられません。

控えめでソフト、穏やかな味わいです。

甘みとフルーティーさの後に、ほんのりと独特のスパイシーさがやって来ます。

完成度の高さとヴァッティング技術の素晴らしさを堪能できる長熟タリスカーです。

タリスカー40年

タリスカー40年

「タリスカー 40年」は、40年間シェリーの熟成にだけ使用し続けた特別な樽をつかったボトルです。

このボトルは、2019年2年にリリースされ、1978年にヴィンテージした40年熟成の原酒をその特別な樽でカスクフィニッシュしています。

香りは、サルタナレーズンやシロップ漬けした洋ナシとオレンジピールの甘い果実系の香りとビャクダンのフローラルな爽やかな甘い香りがします。

味わいは、最初白ブドウのフルーティーな甘さから始まり、徐々にサルタナレーズンと続き、海辺での焚火を連想させるスモークが現れます。

余韻は、ナッツや暖炉の残り火と消えた直後のキャンドルの残り香が暖かく長く続きます。

タリスカー40年
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タリスカー ストーム

タリスカー ストーム

タリスカーストームは、名前の通り荒々しさと非常に辛いスパイシーさが特徴のボトルです。

スカイ島は厳しい海洋性気候の島で、しばしば天気が荒れることで有名なため、スカイ島の嵐を連想させます。

様々な酒齢の原酒をヴァッティングし、タリスカー理想の味わいとなっています。

香りはもちろんスパイシーですが、ほのかに麦芽の甘さも漂います。

口に含んだ瞬間、辛味のあるスパイシーさと潮の風味が押し寄せてくるので、味わいは荒々しさそのものです。

ラインナップの中でも、タリスカーの代名詞である「潮の香り」と「黒胡椒のようなスパイシーさ」がより強調されています。

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タリスカー ポートリー

タリスカー ポートリー

タリスカーポートリーは、タリスカー本来のスパイシーさと甘みが調和したユニークなボトルです。

アメリカンオークとヨーロピアンオークのリフィル樽で熟成させた原酒と、内側を強めに焦がした樽で熟成させた原酒をヴァッティングし、さらにポートワイン樽で追熟しています。

タリスカーらしい潮の香りとスパイシーな味わいに、ポート樽由来の赤いベリーのリッチな甘みが加わっています。

控えめではありますが、クリーミーなスモーキーさも感じられ、余韻にはそのスモーク感が長く残ります。

タリスカー ネイスト ポイント

タリスカー ネイスト ポイント

「タリスカー ネイストポイント」は、免税店向けにリリースされたノンエイジのボトルです。

タリスカーは、このボトルの熟成に使用した樽のスペックを公表していません。

香りは、チョコレートケーキやカスタードプリンの甘い香りのなかに麦芽の爽快感を感じます。

味わいは、ザッハトルテやヘーゼルナッツそしてパウンドケーキのスウィーティーさが強調されています。

余韻は、タリスカーの代名詞といわれる黒コショウのスパイシーさが長く続きます。

総合的にこのボトルは、スモーク感はあまりなく甘いデザートを彷彿させます。

タリスカー 57°ノース

タリスカー 57°ノース

タリスカー57°ノースは、タリスカー蒸留所が北緯57度に位置することと、その昔ブリティッシュプルーフで100プルーフ(=アルコール度数57.1度)でボトリングされていたことにちなみ、アルコール度数を57度に合わせて作られたボトルです。

タリスカーの個性が爆発するような強烈さがあります。

マッチを擦ったような軽いスモーク感に、フルーツや海藻、バニラの香りです。

口当たりは甘いものの、段々とスモーキーでタールの香りが広がり、力強く、荒々しい味わいです。

余韻にはペッパーのピリピリ感が残ります。

タリスカーの蒸留所と歴史

タリスカーの創業者は、ヒュー・マカスキルとケニス・マカスキルの兄弟です。

2人は近くのアイグ島の出身で、スカイ島へ羊を運ぶ仕事をしていましたが、スカイ島に移り住み農業を始めます。

その傍ら、島で生産される大麦を活用しようとウイスキー作りを始めることを決意します。

1830年にはハーポート湖の沿岸に面するカーボートという場所に蒸留所を完成させました。

これがタリスカー蒸留所です。

その後、経営危機による売却や火災といった困難に見舞われますが、その度に再興し、タリスカー蒸留所は開業から今日までウイスキーを製造し続けています。

タリスカーの製法

タリスカーの発酵には昔ながらのオレゴンパイン製のウォッシュバック(発酵槽)を使用し、通常、発酵時間は50時間ほどですが、タリスカー蒸留所では70時間かけて発酵させています。

発酵を終えた麦汁は銅製の単式蒸留器(ポットスチル)で2回蒸留されます。

この時、蒸溜された蒸気の中の重い成分は、精留器によって再び初留釜に戻されて気化と液化を繰り返します。

この工程によりクリアな初留液が生まれるのですが、これもタリスカー蒸留所独特の製法です。

また、蒸気を冷却する際にも伝統的な「ワームタブ」という蛇管式の冷却方法を採用しています。

現在、この方法で冷却しているのはスコットランドでも12の蒸留所のみで、一般的なのは多管式です。

ワームタブは長い1本のパイプでゆっくりと蒸気を冷やし、液化するため、蒸溜液に硫黄成分が多く残ります。

これにより、タリスカー独特のキャラクターが生み出されているとされています。

タリスカー好きにおすすめウイスキー

タリスカーと言えば、強い潮の香りと黒胡椒のようなスパイシーさが広く知られています。

同様に、刺激的で個性的なウイスキーを紹介します。

ロングロウ

ロングロウ

ロングロウは、スコッチウイスキーの中でも塩辛いとされるキャンベルタウン・モルトに区分されるウイスキーです。

「ブリニー」という表現がぴったりの強い塩気と潮の香りが、タリスカーと共通しています。

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ボウモア

ボウモア12年

ボウモアは、個性派揃いで有名なアイラ・モルトの一つです。

ボウモア蒸留所は海辺に建っているため、そこで作られるウイスキーからは潮の香りが漂います。

タリスカーに飲み慣れて、もう少しクセのあるウイスキーを試してみたくなった時にオススメです。

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アベラワー

アベラワー 10年

アベラワーの特徴は、タリスカーほどではありませんが、甘みの奥からスパイシーさがやって来ます。

フルーティーさとスパイシーさのバランスの良さが特徴的なスペイサイドモルトです。

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まとめ

タリスカーというウイスキーについて詳しくなれたのではないでしょうか?

スカイ島の自然をそのまま体現したような潮の香りと刺激的なスパイシーさはタリスカーの唯一無二の個性であり魅力です。

タリスカーならではの新しいウイスキー体験を、ぜひリラックスした家飲みタイムにお楽しみ下さい。

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