ウイスキーをソーダで割ると「ハイボール」になります。
ソーダの清涼感でウイスキーのクセが和らぎ、飲みやすくなるため女性やお酒が苦手な方にも人気です。
このページでは、ハイボールについて深堀りするとともに、ハイボールに合うおすすめ銘柄も紹介します。
ウイスキーのソーダ割りとハイボールの違い
「ウイスキーのソーダ割り」と「ハイボール」に大きな違いはありません。
そもそも、ハイボールとは「蒸留酒またはリキュールをアルコール以外の飲料で割ったものの総称」を指します。ウイスキーのソーダ割はそのうちの一つという括りになります。
日本では、ウイスキーを炭酸で割ったものをハイボールと呼ぶことが多いですが、海外では必ずしも「ウイスキーのソーダ割り=ハイボール」ではありませんし、広い意味で捉えてもハイボールには明確な定義がありません。
つまり、ウイスキー以外のお酒をソーダで割ってもハイボールです。
また、コーラやジンジャーエールなどのソーダ以外の炭酸飲料を割り材としてもハイボールとされます。
ハイボールと呼ばれる3つの由来
ハイボールの名前の由来は諸説ありますが、ウイスキーの大手メーカーであるサントリーの「ウイスキー用語辞典」に掲載されている3つをご紹介します。
1. ゴルフ場説
昔、スコットランドのゴルフ場でウイスキーのソーダ割りを試していた所、高く打ち上げられたボールが飛び込んできました。
この時、作っていたマスターが「ハイボール(高い球)!」と叫び、この一声が名前の由来になったとされています。
2. 信号機説
19世紀、アメリカの鉄道の信号は高い鉄塔に気球を吊るしたもので、これを信号係が高く上げるとゴーサインという仕組みでした。
この信号係にウイスキーのソーダ割りを愛飲している人がおり、飲むたびに「ハイボール(気球を上げる時の掛け声)!」と言っていたことから、その名前が付けられました。
3. 泡をボールに見立てた説
シュワシュワと立ち上るソーダの泡をボールに見立て、ハイボールと呼びました。
ウイスキーと炭酸水の黄金比
自宅でハイボールを美味しく作るためのベストな比率を紹介します。
ウイスキー1に対してソーダ3~4がハイボールの黄金比
ハイボールの黄金比は、ウイスキー1に対してソーダ3~4です。
実際にハイボールを提供しているバーなどの多くは1:3の比率で作っており、サントリー公式サイトの「ウイスキーのおいしい飲み方」というページでも1:3~4の比率を用いたレシピが紹介されています。
材料 | 目安となる分量 |
---|---|
ウイスキー | 30ml |
ソーダ | 90ml~120ml |
氷 | グラスいっぱい |
※バーで多く使われている300ml(10オンス)グラスを使用する場合
また、氷なしのレシピで作るとウイスキーの風味や甘みがより際立ちます。さらに、氷が溶けて味が薄まることがないのもメリットです。
飲みやすさだけでなく、ウイスキーのクセも楽しみたい人におすすめです。
ただ、ぬるくなりがちなのが難点なので、グラス・ウイスキー・ソーダをキンキンに冷やしておいて下さい。
ハイボールを美味しく作る3つのポイント
1. 氷はグラスいっぱいに入れる
ぬるいハイボールは美味しくありませんし、グラスもしっかり冷やしておかないと、氷が溶けやすくなって味が薄まります。
グラスにぎっしりと氷を詰めたら、マドラーでクルクルと氷を回します。
グラスを持つ手が冷たいと感じたらOKです。
氷が溶けて底に溜まった水は捨てておきましょう。
この時、簡単だからとグラスを冷蔵庫で冷やしてはいけません。
冷蔵庫から出したグラスには水滴が付き、その水滴には庫内の匂いも含まれるからです。
2. ウイスキーはグラスの端から静かに注ぎ、しっかり冷やす
ウイスキーが氷に掛からないようにグラスの端から、もしくはマドラーを伝わせて注いで下さい。
これも氷を溶かさないようにするためです。
ウイスキーをグラスに注いだら、グラスを冷やす時と同じく、マドラーでよくかき混ぜます。
こうしてウイスキーもしっかり冷やさないと、ソーダを注いだ時に希釈熱というものが発生してしまい温度が上がってしまいます。
希釈熱とは、アルコールとその他の液体が混ざった時に発生する熱のことです。
ソーダを注ぐ前に「グラス・氷・ウイスキー」を同じ温度にしておくことが重要です。
もし、この段階で氷が減ってしまっていたら、必ず追加しておきましょう。
3. ソーダの炭酸を飛ばさない
ハイボールの最大の魅力である爽快感を存分に楽しむために、ソーダの炭酸をできるだけ飛ばさないようにしましょう。
コツは「ソーダを氷の上から注がないこと」と「かき混ぜすぎないこと」の2つです。
ソーダをバシャバシャと氷の上から注いではいけません。
ウイスキーと同じく、グラスの端から静かに注ぎます。
その後のかき混ぜる工程は、差し入れたマドラーをスッと引き抜くくらいで十分です。
実はアルコールの比重は軽いので、ソーダを入れた時点でもうほとんど混ざり合っています。
必要以上にかき混ぜすぎないようにして下さい。
ハイボールに合うおすすめウイスキー銘柄5選
1. サントリー ウイスキー 角瓶
「サントリー角瓶」は、ハイボールでお馴染みの銘柄です。
角瓶で作るハイボールは「角ハイ」と呼ばれ、多くの人に親しまれています。
甘い香りと深いコク、ドライな後味が特徴です。
「日本人の舌に合う日本のウイスキー」としてブレンドされた、クセの少ないウイスキーなので、バランスの取れた飲みやすい定番ハイボールとなります。
ハイボール入門に最適です。
2. 白州
「白州」は、元々高級ウイスキーとして知られていますが、ハイボール用としても人気を博している銘柄です。
ジャパニーズウイスキーらしい繊細さと鼻に抜けるスモーキーフレーバー、そしてスムースかつ軽快な飲み口が特徴です。
ハイボールにすることで、スモーキーでキレのある味わいとなります。
サントリーのHPでも「森香るハイボール」として紹介されているので、ハイボールこそが白州の一番オススメの飲み方であると言えます。
3. ジムビーム
「ジムビーム」は、トウモロコシを主原料とするバーボンウイスキーの世界的ブランドです。
トウモロコシ由来の香ばしさとバニラのような甘み、まろやかな口当たりによる飲みやすさが特徴となっています。
ハイボールにすることで、バーボン特有のクセが和らぎ、よりマイルドな味わいとなります。
いわゆる「接着剤」と例えられる独特の香りが苦手という人は、ぜひジムビームハイボールを試してみて下さい。
4. デュワーズ ホワイトラベル
「デュワーズ」は、スコットランド産のブレンデッドウイスキーです。
ハイボールの生みの親としても親しまれています。
スモーキーフレーバーは控えめで、スパイシーさとまろやかさのバランスが取れたスムースな味わいが特徴です。
古くから深い縁があるだけのことはあり、ハイボールとの相性は抜群です。
日本のバーテンダーからも高い支持を得ています。
クセのない、すっきりとした味わいのデュワーズハイボールは、初心者にもおすすめです。
5. ラフロイグ10年
「ラフロイグ10年」は、スコットランドのアイラ島で生産されているシングルモルトウイスキーです。
「アイラモルトの王様」という別名にふさわしい、非常に個性的な銘柄で、重厚なボディと「薬品臭」に例えられる強烈なヨード香が特徴です。
ソーダで割ると爽やかさがプラスされ飲みやすくなりますが、その力強い個性は炭酸の刺激に負けることがなく、ガツンとパンチの効いたスモーキーハイボールとなります。
スコッチ独特のクセを堪能したい人におすすめです。
まとめ
ウイスキーをソーダで割るだけで簡単に作れるハイボールですが、ポイントを抑えると見違えるほど美味しくなります。
いつもと違う本格派の家飲みをしたくなったら、ぜひハイボールの作り方にこだわってみて下さい。