グレンフィディックは、世界で初めて発売されたシングルモルトです。
非常に飲みやすく世界で最も飲まれていることから、ウィスキーを初めて飲む方にもおすすめのシングルモルトです。
この記事では、グレンフィディックの魅力やおすすめの飲み方などをご紹介します。
グレンフィディックの特徴・概要
グレンフィディックは、スコットランドのスペイサイド地方で生産されているシングルモルトウィスキーです。
世界で初めてシングルモルトとして売り出されたため、シングルモルトのパイオニアとも呼ばれています。
世界で数多の賞を受賞し、世界で最も人気の高いシングルモルトです。
グレンフィディックの味や風味の特徴
洋梨やレモンを感じさせる爽やかな香りと、甘くフルーティな味わいが特徴です。
ウィスキー作りに欠かせない水は、1887年の創業時よりロビーデューの泉から湧き出た水を使用しています。
味の質を保つために、多くの予算を使い周辺の土地を全て買い取り水源を確保しているため、創業時から変わらない味を保っています。
グレンフィディックは最低12年間の熟成をし、後熟をすることで甘く複雑な熟成香や滑らかでかつ芳醇な後味となっています。
食事後にゆっくり楽しみたい方におすすめです。
今では珍しい家族経営による伝統製法
創業者のウィリアム・グラントが「鹿の谷で最高の一杯」を作るという夢を叶えるため、家族総出で蒸留所を作り上げたのが始まりです。
名前の由来はゲール語から来ており、グレンフィディックは「鹿の谷」を意味し、ボトルには牡鹿のシンボルが付けられています。
当初は、禁酒法などの理由によりスコットランド国内でしか飲まれていませんでした。しかし、創業者の情熱や決意が脈々と受け継がれ、創業開始から20年後になって世界に流通しました。
1世紀以上たった今でも、創業当時と変わらない家族経営による伝統製法によって生産されています。
グレンフィディックのおすすめの飲み方は「ストレート」
グレンフィディックの味わいをしっかりと楽しむなら、ストレートがおすすめです。
シングルモルトはクセが強く、ストレートでは飲めない方も多くいます。しかし、グレンフィディックは、個性はあるもののクセがなく口当たりが優しいため、ストレートでも飲めてしまいます。
ストレートでは飲めないという方は、ウィスキーと水を1;1で割ったトワイスアップがおすすめです。
水を加えることで、甘くフルーティな香りが強くなり飲みやすくなります。
グレンフィディックの種類
グレンフィディック12年
グレンフィディック12年は樽にこだわっており、アメリカンオーク樽とヨーロピアンシェリー樽の中で最低12年間熟成させます。
その後、モルトマスターによって特別に作られたオーク樽の中で9か月ほど後熟されます。
シングルモルトとはいえ、強いクセがないため初めて飲む方にもおすすめです。
グレンフィディック15年 ソレラリザーブ
グレンフィディック15年 ソレラリザーブは、バーボン樽、ホワイトオーク新樽、シェリー樽の3種類の樽で熟成させたモルトウィスキーをソレラバットと呼ばれる大樽で約6か月間後熟させたボトルです。
使用しているソレラバットは、1998年から一度も空にしたことがなく半分程のウィスキーが入っている状態が保たれています。
そのため、円熟した深みのある味を楽しむことができます。
味わいはバニラやシナモンといった甘味が強く、口の中には甘さが長く残ります。
香りは、はちみつのような甘さやレーズンのフルーティさを感じます。
2014年には、インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(IWSC)で銀賞を受賞しています。
2015年には、スコッチウィスキーマスターズで金賞を受賞しています。
グレンフィディック18年 スモールバッチリザーブ
グレンフィディック18年 スモールバッチリザーブは、18年以上熟成したスパニッシュオロロソシェリー樽原酒とアメリカンオーク樽原酒をブレンドしています。
その後、スモールバッチと呼ばれる子樽で3か月以上後熟させています。
味わいは、ドライフルーツやナッツ、豊かな樽の香りです。温かみある豊かで長い余韻を楽しめるのが特徴です。
長い余韻を楽しめるため、ストレートでゆっくり飲みたい方におすすめです。
グレンフィディック21年 グランレゼルヴァ
グレンフィディック21年 グランレゼルヴァは、ヨーロピアンシェリー樽とアメリカンオーク樽で最低21年以上熟成させ、原酒を混ぜ合わせています。
その後、カリビアンラム樽で4か月間熟成させています。
熟成期間が長いため、どっしりとした深みがあり長い余韻のある後味があります。
味わいはスモーキーやジンジャーといった少しクセの強い味ですが、バニラ、バナナやイチジクといったフルーティな香りが特徴的です。
グレンフィディックIPA エクスペリメント
グレンフィディック IPAエクスペリメントは、スペイサイド地方にある、スペイサイド・クラフト・ブリュワリーと協力して作り上げた一本です。
IPAとは、ビールのインディアンペールエールのことで熟成の際に、ビール樽に詰め換えてIPAの風味をつけているのが特徴です。
グレンフィディックの洋梨の味わいとIPA特有の香りと苦みが合わさり、独特な味わいとなっています。
グレンフィディックが好きな方はもちろんのこと、IPAの風味も楽しめるためビール好きな方にもおすすめです。
グレンフィディック プロジェクトXX
グレンフィディックプロジェクトXXは、20名のモルトマスターが何千もの熟成樽の中から、20樽をヴァッティングし作り上げた限定ボトルです。
チョコレートのような甘味と、唐辛子のスパイシーな味わいが特徴です。
まろやかな風味と刺激のある味わいとなっているため、口に含むとさまざまな味わいを楽しめます。
限定品となっているため、特別な日やプレゼントに最適です。
グレンフィディックの蒸留所・歴史
1886年、グレンフィディック蒸留所の創設者であるウィリアム・グラントが、自身の9人の子供たちと手作りで一年かけて蒸留所を作り上げました。
1923年は禁酒法の真っ只中であり、アルコール類の製造・販売・輸送がアメリカで禁止され、ウィスキー市場は大打撃を受けていました。
時が流れた1963年。ウィリアム・グラントの曾孫であり、四代目のサンディー・グラント・ゴードンが施策を講じたことにより、シングルモルトの普及に成功しました。
当時はブレンデッドモルトが主流でした。しかし、グレンフィディックが市場に出回ったことによりシングルモルトが普及し、グレンフィディックはシングルモルトのパイオニアと呼ばれるようになりました。
その後も順調に売り上げを伸ばしていき、現在では世界180ヵ国で販売されており、シングルモルトの売り上げの35%を占めています。
グレンフィディックの製造方法
グレンフィディック蒸留所では、製造過程ごとにプロフェッショナルな職人を配置しています。
それにより、質が高く均一化した味を保っています。
スチルマンと呼ばれる蒸留職人は、蒸留の過程で一番重要な「ハイカットポイント」を手作業で行っています。蒸留職人の手により、グレンフィディックの特徴である豊かで甘くフルーティな味わいを実現しています。
蒸留に欠かせないポットスチル(蒸留器)は、銅器職人の手によって手入れされており創業当初から使っているものを現在も使用しています。
ウィスキーを熟成させ、味わいの65%を左右する樽も、樽職人の手によって製造、修理、熱処理がされ毎日126個の樽の手入れが行われています。
最終段階の味や香りのチェックも、蒸留所に常駐しているモルトマスターによる厳格なチェックをクリアしたものだけが、ボトル詰めされます。
グレンフィディック好きにおすすめのウィスキー
グレンフィディックが好きな方へ、おすすめのシングルモルトウィスキーを3本ご紹介します。
グレンフィディックは、「洋梨やレモンの爽やかな香りと甘くフルーティな味わいでクセがない」といった特徴があります。
そのため、シングルモルトを飲み慣れていない方でも飲めてしまうという強みがあります。
その点を加味し、フルーティさ、甘味のある味わい、クセが強くなく飲みやすいという点を基準に選びました。
グレンフィディックと同様の特徴を持つシングルモルトウィスキーであれば、好みの幅が広がりよりシングルモルトを楽しめます。
グレンリベット12年
200年前から変わらない製法で作っているグレンリベット12年。
1824年に英国政府公認第一号の蒸留所として認められており、世界でも人気の高いシングルモルトウィスキーです。
グレンリベット特有のバニラやはちみつの甘さが特徴的な味わいで、トゲがなく飲みやすい口当たりです。
花や草木を連想させるようなフローラルな香りは、リラックス感を与えてくれます。
ストレートでも飲みやすく、シングルモルトを飲み慣れていない方にもおすすめです。
グレンモーレンジ オリジナル
スコットランドの大麦麦芽と特別に選定された最高級のオーク樽のみを使用した、スコットランドで最も愛されているシングルモルトウィスキーです。
スコットランドで最も背の高いポットスチル(蒸留器)を使用しているため、ピュアな蒸気のみが熟成に使われているのが特徴です。
クリーミーで滑らかなバニラのような味わいで、ピーチのほのかな甘味とオレンジの酸味が長い余韻をもたらしてくれます。
華やかなフローラルの香りで癖も強くないため、女性にもおすすめです。
ザ・マッカラン12年
シングルモルトのロールスロイスと賞されている、シングルモルトの最高峰です。
シェリー樽で最低12年熟成させた原酒のみを使用しているため、フローラルでバニラの芳醇な香りが特徴です。
ドライフルーツの濃厚な味わいとピリッとしたスパイシーさが口の中に残ります。
グレンフィディックやグレンリベット、グレンモーレンジよりクセが強く、重厚感のある味わいとなっています。
香りが強いため、ストレートでの飲み方がおすすめです。
まとめ
グレンフィディックは、クセが強くなく、シングルモルトを飲み慣れていない方にもおすすめです。
口当たりが優しく、スッキリしていていてライトな味わいです。
しかし、味が薄いわけではないため、個性がしっかりと出ています。
ウィスキーの入門としてもピッタリなグレンフィディックをぜひ、お試しください。