ホワイトホースはスコットランド産のブレンデッドウイスキーです。
スコッチウイスキーらしいスモーク感と優しい甘みが特徴で、飲み口はまろやかかつライトです。
世界100カ国以上で販売されており、コンビニやスーパーなどでよく見掛ける馴染みの深い銘柄で、低価格であることからコスパの良いウイスキーとしても知られています。
ホワイトホースの特徴・概要
名前の由来は「白馬亭」
ホワイトホースという名前は創業者のピーター・マッキーが、家の近くの旅籠「白馬亭(ホワイトホースセラー)」から付けたとされています。
この白馬亭は、イングランドからの独立を目指すスコットランド軍が酒場兼定宿にしていたため、スコットランドの人々にとって自由と独立を象徴する場所でした。特別な意味合いを持つその旅籠の名前を、マッキーは自分のウイスキーに付けたのです。
初めはそのまま「ホワイトホースセラー」という名前でしたが、1960年頃に「セラー」の文字が消え「ホワイトホース」となりました。
ラベルの中央上部にある有名な白馬のマークは、白馬亭の看板を描いたもので、その下に刻まれている「1742」は、白馬亭の創業年です。
キーモルトはラガヴーリン
ホワイトホースのキーモルトはアイラモルトの「ラガヴーリン」です。
アイラモルトとは、スコットランドのアイラ島で作られるシングルモルトウイスキーのことです。
非常に個性的なウイスキーが多いことで有名で、ラガヴーリンもアイラモルトらしい独特のスモーキーさとピーティーさを兼ね備えています。
ホワイトホースのスモーク感は、このラガヴーリン由来のものです。
さらにそこへグレン・エルギン、クレイゲラヒなど甘みが特徴のスペイサイドモルトがブレンドされ、スモーキー且つなめらかなウイスキーとなっています。
世界初の金属製スクリューキャップ
ホワイトホースは世界で初めて、金属製のスクリューキャップをウイスキーボトルに採用しました。
金属製のスクリューキャップの開発は、ボトルの保存性を高めました。
漏れを防止したり、外気によるウイスキーへのダメージを軽減したりすることを可能としたからです。
それまではコルク栓が一般的でしたが、経年劣化するコルク栓は長期保存に適していませんでした。
このことにより、ホワイトホースの売り上げは倍増したと言われています。
ホワイトホースのおすすめの飲み方は「ハイボール」
ホワイトホースは、ハイボールで飲むのがおすすめです。
ホワイトホースのスモーキーさはハイボールにとても良く合います。
また、「ハイボール缶」として商品化もされていることから相性は良いといえます。
ハイボールの作り方
- 氷をジョッキにたっぷり入れる
- ホワイトホースを入れて30回程度混ぜる
- 冷やしたソーダをなるべく氷に当たらないように静かに注ぐ
- マドラーで1回かき混ぜる
作り方のポイントは、ホワイトホース1に対してソーダ3の割合で作ることです。
ハイボール以外にも、ホワイトホースの優しい甘みをじっくり堪能することができるストレートもおすすめです。
ホワイトホースの種類
ウイスキーの基本的な飲み進め方は、同じ銘柄で異なる年代の種類を飲み比べていきます。
(縦飲み、垂直飲みといいます。)
理由としては、同じ銘柄であれば味やテイストの傾向が共通しており、比べたときにより違いがわかりやすいため自分の好みに合った年代を見つけやすいからです。
ホワイトホース ファインオールド
ホワイトホース ファインオールドは、ホワイトホースシリーズのレギュラーボトルです。
ブレンデッドウイスキーにしては珍しく独特のスモーク感を楽しめますが、ガツンと来るほどの強烈さではありません。
ほどよいスモーキーさに、スペイサイドモルト由来の甘さが特徴です。
香りは、花や蜂蜜を思わせるフレッシュさと青リンゴの爽やかさの中に、潮の香りを纏ったピート香が感じられます。
味はアルコールの辛さと酸味が最初にやって来ますが、そのあとにまろやかな甘みが広がります。
スモーク感、まろやかさ、ドライさの調和が絶妙です。
低価格帯であることから、コスパの良い、家飲みに最適なウイスキーとしても知られています。
ホワイトホース12年
ホワイトホース12年は、日本市場専用に開発されたホワイトホースの限定ボトルです。
酒齢12年以上のモルト、グレーン原酒をブレンドしています。
最大の特徴は飲みやすさです。
日本人にターゲットを絞って開発されているので、アルコールの刺激やウイスキー独特のクセはかなり抑えられており「ウイスキーが苦手な人でもストレートで飲るほどの飲みやすさ」とされています。
ラガヴーリンが存在感を放っているファインオールドに比べると、非常に穏やかです。
角の取れたまろやかさと甘みが際立っていて万人向けの味わいですので、初心者にもオススメです。
ホワイトホースの歴史
ホワイトホースは、起業家でありブレンダーでもあるピーター・マッキー氏が1881年に立ち上げたブランドです。
マッキー氏の叔父は実はアイラ島のラガヴーリン蒸留所のオーナーで、若かりし頃のマッキー氏はそこでウイスキー作りを学んでいました。
1880年代に入ると、マッキー氏はラガヴーリンをキーモルトとするブレンデッドウイスキーの開発に取り組みます。
そして1890年、初代「ホワイトホース」が発売されます。
「世界に通用するブレンデッドウイスキーを作る」というマッキー氏の強い信念で作られたホワイトホースは人気を博し、1908年には英仏博覧会でグランプリを獲得し、英国王室御用達の栄誉を受けました。
1924年にマッキー氏が亡くなると、愛弟子のジョン・ブラウン氏が跡を継ぎました。
日本では長いこと「ジャーディン ワインズ・アンド・スピリッツ」(現:モエヘネシー・ディアジオ)が販売総代理店となっていましたが、現在では業務提携に伴い、キリン・ディアジオが輸入代行を、キリンが輸入販売をそれぞれ行っています。
ホワイトホースの製法
ホワイトホースは、キーモルトにラガヴーリン、そこへオルトモーア、クライゲラヒ、グレン・エルギンといったスペイサイドモルトなどをブレンドして作られるブレンデッドウイスキーです。
ブレンドされている原酒は35種類以上とも言われています。
クセの強いアイラモルトのラガヴーリンをキーモルトとしているのは、ブレンデッドウイスキーとしてはユニークです。
創業者ピーター・マッキーはその巧みなブレンド技術により、それぞれの個性を活かした絶妙な配合と唯一無二の味わいを生み出すことに成功しました。
ホワイトホース好きにおすすめウイスキー
ホワイトホースのように飲みやすいブレンデッドスコッチで、同じく低価格帯の銘柄をご紹介します。
フェイマスグラウス
フェイマスグラウスは、スペイサイドモルトのフルーティーさや甘みを感じられる点がホワイトホースと共通しています。
とろりとした甘みが際立っているウイスキーです。
ティーチャーズ
ティーチャーズは、ホワイトホース同様、スモーキーさを楽しめるブレンデッドスコッチです。
ハイボールと相性が良い点もホワイトホースと共通しています。
ジョニーウォーカー レッドラベル
ジョニーウォーカー レッドラベルは、スムースでライトな味わいと、ほんのり潮っぽさを感じられる点がホワイトホースと共通しています。
ジョニーウォーカーはホワイトホースと同じく、スコッチウイスキーを世界に広めたとされる5大銘柄「ビッグファイブ」の一つに数えられています。
まとめ
ホワイトホースというウイスキーについて詳しくなれたのではないでしょうか?
ファンの間で「コスパ最強」の呼び声も高いホワイトホースですので、ぜひ、そのスモーク感と味わいを家飲みで手軽にお楽しみください。