ワイルドターキーの種類や味わい・おすすめの飲み方などを徹底解説

ワイルドターキー

ワイルドターキーは、日本でもファンの多いバーボンウイスキーです。

ジョン・F・ケネディーやアイゼンハワーなどアメリカ大統領が愛したことでも知られています。

この記事ではワイルドターキーの特徴や製法、歴史などいろいろな情報をご紹介したいと思います。

目次

ワイルドターキーの特徴・概要

ワイルドターキー

出典:papadont

ワイルドターキーの名前の由来は「七面鳥」

1940年当時の社長であるオースティン・ニコルズと、トーマス・マッカーシーが自慢のバーボンを七面鳥ハンティング仲間にふるまったところ好評を博したのがきっかけです。

その仲間の一人が七面鳥にちなんで「ワイルドターキー」と名付けたことが由来とされています。

バーボンの傑作とまで言わせた風味

ワイルドターキーといえば、スパイシーな味わいと風味が特徴的です。

このスパイシーな味と香りは、ワイルドターキーの穀物の構成比率によるものです。

ワイルドターキーを造る蒸留所の最高責任者であるジミーラッセルは以下のように語っています。

全てのバーボンの中でトウモロコシの使用量が最も低く、ライ麦と大麦麦芽を多く使用している

つまり、ライ麦と大麦麦芽を多く使用することでワイルドターキー特有のスパイシーさが生み出されているのです。

素材が生み出す味わいと風味を保つことが第一優先

ワイルドターキー蒸留所では、1樽から多くのケースを造るのではなく素材が生み出す本来の香りや味わいを何よりも優先しています。

一般的な蒸留所では、1樽から20ケースほど造るのに対して、ワイルドターキー蒸留所では1樽から15ケース程度しか作らないことを代々ポリシーとしています。

これにより製造コストは割高になってしまうのですが、バーボンを愛するファン1人ひとりのグラスに届く味わいに一切の妥協はしないというのはワイルドターキーのこだわりであるとされています。

加水量を減らすことで本来の風味を 最大に活かす

樽詰め時と仕上がり時のアルコール度数は差が少ないほど、ボトリング時の加水量を減らすことができます。

ワイルドターキーは蒸留時と樽詰め時のアルコール度数を低く抑えることにより、加水量を減らすことを可能としました。

樽の貯蔵地であるケンタッキーは昼と夜の気温差が激しく繊細な風味をつくり出します。

加水量を最低限に抑えることによって、繊細な風味をそのまま届けることができるのです。

ワイルドターキーおすすめの飲み方は「オンザロック」

ワイルドターキーの特徴とも言える、風味とコクをできるだけ楽しめる飲み方はオンザロックです。

このオンザロックは、ワイルドターキーの王道の飲み方といえます。

ワイルドターキーの特徴であるバニラのような甘さにフルーティーな酸味、そしてスパイシーなキレをゆっくりと楽しめます。

そして氷が解けて徐々に薄まっていくことで、味わいや風味の変化を楽しむこともできます。

また、さっぱりと飲みたいときなどはハイボールにするのもおすすめです。

炭酸の爽快感とワイルドターキー特有のスパイシーさが1つになりすっきり感があり、薄めて飲めるのでお酒の弱い方にもおすすめの飲み方です。

黒コショウを一振りするとよりスパイシーさが際立ち楽しむことができます。

ワイルドターキーの種類

ワイルドターキースタンダード

ワイルドターキースタンダード
ワイルドターキースタンダードは、熟成6~8年もの原酒のブレンドでアルコール度は40%。全体的にバランスがとても良く、バニラのような甘い香り+洋ナシのようなすっきりした酸味+きりっとしたスパイシーさが魅力。

とても完成度の高い飲みやすさは初めて飲む方にもおすすめです。

ワイルドターキー8年

ワイルドターキー8年

ワイルドターキー8年はワイルドターキーが誕生したときからつくられ続けています。

アルコール度は50%とやや高めです。

濃い琥珀色でライムやドライフルーツなどのさわやかな酸味とバニラのような甘味、それに渋みもプラスされ8年間という長期熟成の特徴であるガツンとした野生的な味わいも魅力です。

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ワイルドターキー13年

ワイルドターキー13年

ワイルドターキー13年は13年間という長期熟成されたワイルドターキーです。

アルコール度は45%ですが、やはり熟成期間が長いためコクや香りがとても深く、根強いワイルドターキーファンに支持されています。

フルーティーな酸味とバニラのような甘い香りが同居し、バーボンの最高傑作と言われているものです。

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ワイルドターキー レアブリード

ワイルドターキー レアブリード

ワイルドターキー レアブリードは熟成6年、8年、12年の原酒をブレンドしたもので、加水はゼロです。

アルコール度数は58.4%と高めですが、加水していないため本来のワイルドターキーを風味をしっかりと楽しむことができます。

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ワイルドターキー ライ

ワイルドターキー ライ

ワイルドターキー ライは基本のワイルドターキーに比べ、材料にライ麦を多くしたタイプです。

アルコール度数は40%、ライ麦比率は51%と、ライの持つスパイシーな香りが強くカクテルのベースとしても人気があります。

ワイルドターキー17年 マスターズキープ

ワイルドターキー17年 マスターズキープ

ワイルドターキー17年 マスターズキープは、伝説のマスターディスティラー、父ジミー・ラッセルと息子のエディー・ラッセルのブレンドによる、ワイルドターキーの傑作と言われ、とてもなめらかな口当たりが特徴です。

またミントやシナモンを思わせる香り、オークやダークチョコレートの香りなどが相まってまろやかで奥深い味わいと香りが特徴となっています。

ワイルドターキー ケンタッキースピリット

ワイルドターキー ケンタッキースピリット

ワイルドターキー ケンタッキースピリットはマスターディスティラー、ジミー・ラッセルの選択した樽からボトルに詰められたもので、樽ごとの味が楽しめます。

バニラやナッツ、ハチミツなどを思わせる香りと味わいが魅力です。

ワイルドターキー101

ワイルドターキー101

ワイルドターキー101はアルコール度50.5%、加水ゼロの原酒の味わいが楽しめます。

木の表面を焦がした樽で熟成させたものでカラメルやバニラなどの香りが深く感じられるところが魅力です。

ワイルドターキー マスターズキープ ディケイド

ワイルドターキー マスターズキープ ディケイド

「ワイルドターキー マスターズキープディケイド」は、4代目マスターディスティラーのエディ・ラッセンが就任して最初に作ったウイスキーです。

このボトルは、ローレンスバーグのワイルドターキー蒸留所でバーボンとしては珍しい10~20年の長期熟成された原酒を使用しており、アルコール度数が高めの52となっています。

香りは、ビターなカラメルソースやパイナップルなどの甘酸っぱさが漂い、オーキーなウッディネスを強く感じます。

味わいは、少しとろみのある口当たりでオレンジピールなどのフルーツを感じます。

余韻は、スモーキーさが長くつづき最後に苦味がのこります。

ワイルドターキー ラッセルズリザーブ10年

ワイルドターキー ラッセルズリザーブ10年

「ワイルドターキー ラッセルズリザーブ10年」は、3代目と4代目のマスターディスティラーが共同で開発したボトルです。

このボトルの原酒は、65年以上ワイルドターキーにたずさわってきた3代目マスターディスティラーが最も香りと味わいが高いとして、10年熟成ものを使用しています。

香りは、ワイルドターキーの代名詞である接着剤の香りとメロンやレモンそして青リンゴのフルーティーさが広がります。

味わいは、アルコールの辛味はあまりなくフルーツの酸味とバニラの甘さを後味で感じます。

ワイルドターキーの蒸留所・歴史

ワイルドターキーの蒸留所の起源は、1869年にトーマス・リピーによってケンタッキー州ローレンスバーグに創業したリピー蒸留所です。

その後オーナーが転々とした時期を経て、1905年には創業者のトーマスの息子たちが蒸留所を買収し取り戻しました。

その後順調に経営が行われましたが、1970年にバーボン製造に力を入れたかったオースティン・ニコルズ社はリピー蒸留所を買収する結果となりました。

そして1980年にはフランスの酒類メーカーであるベルノ・リカール社に買収され、2009年にはイタリアの酒類メーカーであるカンパリ・グループによってワイルドターキーブランドと蒸留所が買収されています。

このようにワイルドターキーは、多数のオーナーチェンジという道をたどってきましたが、その間変わることなく多くの人たちに愛され続けてきました。

ワイルドターキーの製造方法

ワイルドターキーの製法の最大の特徴は、やはり製造時の底アルコール度数にあります。

蒸留時、一般的なバーボンのアルコール度数は80%以下ですが、ワイルドターキーの場合は60~65%に抑えているのです。

特に樽詰め時には54~55%と低く抑えているため、原料の風味が最大限活かされています。

またワイルドターキーは自家製酵母の使用し、60年間ずっと変わらぬ風味と味わいを守ってきました。

原料はケンタッキー州やインディアナ平野のトウモロコシ、モンタナ州原産の大麦麦芽、ドイツ産のライ麦を使用し年に4回の定期的な品質検査を行い厳選したものだけを使用。

通常のバーボンに比べ、トウモロコシを少なくしたレシピがワイルドターキー独自の風味を醸し出しているのです。

そして製造現場ではマスターディスティラーによる徹底した管理の下でつくられています。

ワイルドターキーの人気は、このような独自の製法や原料によって不動なものとなったのです。

ワイルドターキー好きにおすすめウイスキー

ワイルドターキーが好きな方へのおすすめのバーボン3本ご紹介します。

ワイルドターキーのバニラのような濃厚な風味と同じくバニラ系の甘さの強い風味を持つ銘柄を選びました。

それぞれ飲み比べてみたり、ワイルドターキーと似た香りでありながら、それぞれの個性を楽しむことができるのではないでしょうか。

I.W.ハーパー ゴールドメダル

I.W.ハーパーゴールドメダル

I.W.ハーパー ゴールドメダルはワイルドターキーと同じくアルコール度数が低いタイプのバーボンで飲みやすいタイプです。

クセの少なく、甘い風味が特徴のバーボンで、バニラやハチミツを思わせる濃厚な甘味が特徴です。

ワイルドターキーが好きな方なら、I.W.ハーパー ゴールドメダルの濃厚な甘い風味もおすすめです。

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アーリータイムズ イエローラベル

アーリータイムズ イエローラベル

アーリータイムズ イエローラベルは炭を使ってろ過しているので、とてもクリアな味わいが特徴と言えるバーボンです。

ワイルドターキーはトウモロコシの配合率が低いのに対し、アーリータイムズイエローラベルは逆に配合率が高い銘柄です。

しかしワイルドターキーと同じようにバニラのような濃厚な甘味とスパイシーな香りが特徴なので、ワイルドターキーファンにもおすすめの銘柄です。

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ジムビーム

ジムビーム

ジムビームは日本でもおなじみの世界№1バーボンです。

アルコール度数は40%と低く飲みやすい銘柄となります。

ワイルドターキーと同様にバニラやキャラメルなどに例えられる甘い風味があり、甘さはシムビームの方が控えめです。

同じくケンタッキー州で生まれたバーボンということもあり飲み比べてみるのもおすすめです。

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まとめ

ワイルドターキーはジョン・F・ケネディーやアイゼンハワーなどアメリカ大統領も愛したと言われています。

世界5大ウイスキーの1つと言われているバーボンはアメリカの代表的なウイスキーであり、その中でも人気の高いワイルドターキー。

熟成期間によって風味も変わってきますが、バニラのような甘い香りや洋ナシのようなさわやかな酸味、それにスパイシーな香りとのバランスの良い味わいを楽しむことができます。

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